きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
2008.11.21 静岡県裾野市・五竜の滝 |
2009.2.25(水)
西さがみ文芸愛好会の第13回「西さがみ文芸展覧会」が明日から開催されます。午前中はその搬入と飾りつけを行いました。今回の特別展は『詩歌に詠われた西さがみ』。短歌、俳句、川柳などと共に詩も展示され、私が初めて責任者を仰せつかりました。頭の固い私の展示ですから、奇抜なものにはなり得ず、まあ、良く言えばオーソドックス、実態は相も変わらず…、というところでしょうか。展示方法はともかくとしても、展示された先輩詩人の作品には自信があります。多くの人に訪れてほしいものだと願っています。
○久野麗氏詩集『五十音の練習曲集』 |
2008.12.22 東京都新宿区 土曜美術社出版販売刊 2000円+税 |
<目次>
発音篇T
新「五十音」 8 生歌 10
客帰る 12 どこに 14
我を割れ 16 虚構 18
文法篇
団欒 22 象は鼻が長い 24
太郎とテ形(てけい) 26 受難 Passion. 34
あれ? 36 ジャックが建てた家 38
発音篇U
僧侶 42 故意の行為 44
瓜売りの憂い 46 言いにくい持ち物 48
荘重な早朝 50 芸者に傾斜 52
詩と 54
語彙篇
日にちのよみかた 58 脚韻教授 60
いい話 62 長刀あるいは弁慶 64
大男 68
あとがき 72
団欒
父はカエルで
母もカエル
でも
姉はウサギで
兄はウシ
じゃあ
僕はカタツムリだ
ゆうべは
みんなウナギだったけど
…… 今夜はフランス料理だ
―― 文法練習「ウナギ文」篇 ――
日本語学者・奥津敬一郎は、述語を「だ・です」で省略
もしくは代用する「]はYだ」の構文を「ウナギ文」と
名づけた。人間が日本語で「ぼくはウナギだ」と言えば、
それはほぼ例外なく「ウナギを食べる・注文する」の意
味であり、この構文の典型を表わしているところから、
このように命名されたものである。この形は、必要最小
限の言葉で表現することを好む日本人の会話では非常に
多く用いられている。
「あすは学校だ」「お父さんは会社だ」などがこれに当
たる。「渋谷(に行くには、乗換え駅)は銀座だ」など
ということも起こるが、これも論理的で正確な日本語な
のである。
脚本家にして日本語教師という著者の第1詩集のようですが、これは面白い詩集がでたなあ!というのが第一印象です。「発音篇」「文法篇」「語彙篇」それぞれに眼から鱗(これも〈必要最小限の言葉で表現すること〉になりますが)です。一番紹介したかったのは「大男」ですが、これは保留します。ここで紹介したのではもったいない(^^; ぜひ手に取って読んでみてください。
ここでは「大男」を読む前に気に入っていた「団欒」を紹介してみましたが、これも佳い詩です。級数を落とした〈…… 今夜はフランス料理だ〉というフレーズが効いていますね。詩の新しい形としても貴重でしょう。お薦めです!
○月刊詩誌『柵』267号 |
2009.2.20 大阪府箕面市 詩画工房・志賀英夫氏発行 572円+税 |
<目次>
現代詩展望 志賀英夫『戦後詩誌の系譜』その刊行意義と活用について…中村不二夫 74
戦後史の言語空間(4) 野火…森 徳治 78
流動する今日の世界の中で日本の詩とは(50) 平和と子供たちへのまなざし・次代への語りかけ…水崎野里子 82
風見執 南川隆雄 福田操恵 田中憲子 高木 白 福島昭午 86
現代情況論ノート(34) ロボットは人間より倫理的である…石原 武 88
詩作品□
北村 愛子 いのちのきらめき 4 小城江壮智 山のあなた 6
松田 悦子 これがハト 8 中原 道夫 日溜りで 10
肌勢とみ子 人生に一度だけ 12 進 一男 仲間たち 14
名古きよえ 手を使って楽しむ 16 柳原 省三 英会話サークル 18
松井 郁子 朱鷲放鳥 幻 佐藤 勝太 遠い少年たち 22
月谷小夜子 恐山 24 小野 肇 おしゃべりな老人 26
黒田 えみ 小さな庭で 28 山崎 森 叫び 30
秋本カズ子 縄文のみち 32 織田美沙子 陽だまりの縁側で 34
小沢 千恵 坊ちゃん温泉 37 南 邦和 哀史人名事典 4 40
水木 萌子 林檎 44 門林 岩雄 なつかしい友に 46
水崎野里子 ヒロシマ連詩 10 48 鈴木 一成 ことわざなどを探して 50
西森美智子 綱渡り 52 北野 明治 禁煙 54
安森ソノ子 お母さんの実家で 56 八幡 堅造 青春という荷 58
江良亜来子 腕時計 60 三木 英治 三角屋根 62
今泉 協子 古代人の脳は素晴らしい 64 前田 孝一 光りを求めて 66
野老比左子 空の伝説 68 若狭 雅裕 月よりの使者 70
徐 柄 鎮 農村風景(夕立) 72
世界文学の詩的悦楽 −ディレッタント的随想(33) 実朝秀歌−同時代的意義を求めて…小川聖子 90
黒羽英二詩集『移ろい』−四行だての展開図…藤富保男 94
今泉協子詩集『蔦の這う家』…高橋次夫 96
井手ひとみ詩集『午後の睡り』寸感…篠田康彦98
南 邦和詩集『神話』 コロンの悲哀…亀澤克憲 100
小川聖子詩集『過ぎ去った谷』それは過ぎ去っていない谷…中山直子 102
受贈図書 107 受贈詩誌 106 柵通信 104 身辺雑記 108
表紙絵 野口晋/扉絵 申錫弼/カット 中島由夫・野口晋・申錫弼
○季刊個人詩誌『ぽとり』13号 |
2009.2.28 和歌山県岩出市 きのかわ文藝社・武西良和氏発行 非売品 |
<目次>
特集=消す・消える=について 1
詩作品
山羊 2 山畑の足跡 3 足跡 4
逃げることば 5 封筒 6 けしごむ 7
ケシゴム 8 曇天の飛行機 9 花火 10
犬 11 雪 12
ポトリの本棚・ベンヤミンを読む(4) 13
寄贈詩集・詩誌等 15
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