きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
2009.5.16 新潟・大棟山美術博物館(坂口安吾記念館) |
2009.6.10(水)
午後から日本ペンクラブの「国際ペン東京大会2010」第6回実行委員会が開かれました。タイトル・サブタイトルの英訳も決まって、主なスケジュールも決まりました。詩部門は、提案したアンソロジー・朗読募集、ボランティア募集が承認されました。P会員のうち詩人を抽出して依頼状を送ることになりましたので、さっそく原案作りにかかります。
特記事項は皇室との関係ですね。過去2回のうち1回は皇族が来賓でおいでになったそうです。今回はどうするかという話になって、結論は、儀礼的な出席はこちらから求めないということになりました。皇室側から出席したいという要望があれば断りませんけど、まあ、ないでしょう。私は、詩に造詣の深い美智子皇后がおいでにならないかなあと話しましたが、これもまあ、無いでしょう。そういえば皇太子も詩に興味がおありでしたね。皇室は制度としては問題があるかもしれません。しかし、現在の個々の皇族は魅力ある人が多いと思っています。
○吉田博子氏詩集『いのち』 |
2009.7.7
東京都板橋区 コールサック社刊 2000円+税 |
<目次>
第一章 たっくんと娘
たっくんと娘 10 長靴を履いた娘 12 わたしの宝物 16
やもり 20 ハムスターのお母さん.24. 川の字に寝ていたら 26
芽をだしたナタ豆 30 いつも揺れて 32 奇跡の生命 34
第二章 備前へ
母と 38 母 40 母を見つめる 42
今やっと 44 畑で 46 そら豆 50
とうがたつ 54 祈りの姿 58 うしなう 60
まんさくの木 62 ほんとうに 66 無意識のようにした事 70
備前へ 72 片上行き 78
第三章 いのち
ぼんささげ 84 痂(かさぶた) 88 音を聞く 92
空 94 死のかたち 98 犬とわたし 100
虹色にひかる 104. 白い花びらのように.108 あかるいあかるい光の中で 112
その橋の黒ずみは 116. いのち 118
あとがき 122
略歴 124
いのち
木がいます と
タイ語ではいう
木には命が宿っているからだ という
国の言葉が
生きとし生けるものと
命をもっとも大切にしている源
戦争は人の命を粗末にすること
人間同士が敵対して
殺し合いをする
ことわざにも
「一寸の虫にも五分の魂」とある
一つ一つの生に命の輝きが
あかりを点している
たとえ小さな灯でも
命が消えゆくまで大切に大切に両手で
囲み守ってゆくことが
一番大切なこと
花は美しく咲き散ってゆく
命の儚さを嘆くことはない
継がれてゆく
たとえば球根となり実となり種となって
次世代へと引き継がれる
人の命も亡くなっても
その命を育みその命の輪となって
生きた者達の心の中で
大事に継がれる思い出となり
来世に生まれ変わる
森の中で
命のささやきが聞こえませんか
逝ったあなたに語りかける声に
答えるこだまが響くように
4年ぶりの第11詩集ですが、拙HPでは初めての紹介となります。高校2年で第1詩集を出したそうですから、詩歴は半世紀近いと云えましょう。素直な表現の作品が多く、ここでは詩集の最後に置かれたタイトルポエムを転載させていただきました。冒頭から〈タイ語〉の〈木がいます〉という言い方が良いですね。〈命の儚さを嘆くことはない〉という思想がこの詩集の根底にあると思いました。
○詩と散文『RAVINE』170号 |
2009.6.1 京都市左京区 薬師川虹一氏方・RAVINE社発行 750円 |
<目次> 〈表紙〉『天野大虹作品集 画と詩』より「河岸」(1983)
詩■
薬師川虹一 家訓 2
訳詩 リジア・シムクーテ詩集『輝く風』の内「輝く風」より 私は風の中に部屋を作った ケン・スミス 4
成川ムツミ 何処へ 8 名古きよえ 春の陽 10
木村 彌一 小夜草子 12 久代佐智子 シュレッダーに 16
牧田 久未 リンゴ売り 18 早川 玲子 春 21
白川 淑 ご近所さん(ほ) 28 谷村ヨネ子 言葉1 ほか 31
並河 文子 二月二十五日 34 中井不二男 円成寺の大日如来像 37
村田 辰夫 十三仏(『詩賛・大津絵』余録) 40 木村三千子 下地子 42
荒賀 憲雄 ツァガーン・ホース 45 乾 宏 感動はないが 48
古家 晶 終の姿 50 ヤエ・チャクラワルティ 黄秒 52
苗村 和正 かたく束ねられたうつくしいものたちよ 54
藤井 雅人 梁塵秘抄より 56 堤 愛子 切れない糸 58
山本由美子 片付け 60 石内 秀典 なにもない春てす1 さんぽ ほか 62
詩集評■
河野 仁昭 石佛憧憬――薬師川虹一『石佛に語る』 6
同人語■
中井不二男 詩と俳句 24 名古きよえ 牛と人の暮らし 25
堤 愛子 雛 26 中島 敦子 誕生 27
エッセイ■
村田 辰夫 T・Sエリオット詩句・賛(38) 66
○詩誌『しけんきゅう』152号 |
2009.6.1
香川県高松市 しけんきゅう社発行 350円 |
<目次>
<詩作品>
縄文海進・第二期 秋山 淳一 2 待っている 水野ひかる 4
海辺のカフカの歌 笹本 正樹 6 シジン の ココロ かわむらみどり 8
駅まえの子/レストラン かしはらさとる 10 オワンクラゲ の うた くらもちさぶろう 12
雨にぬれながら 葉山みやこ 14
<ネットコーナー>
あの人のための鎮魂歌 A 16
<評論/創作>
ジョン・ドライデン の「マックフレックノー」(とおまわしに ひはん する)くらもちさぶろう 18
未来ではお世話になっています (「ナルシスへの伝言」シリーズ) さやまりほ 22
広場(すくうぇあ) 28