きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2009.7.30 伊豆・旧天城トンネル




2009.8.9(日)


 ナガサキ原爆の日。亡くなった方々のご冥福を改めてお祈りいたします。
 午前中は4時間かけて庭木の剪定をしました。お化け屋敷みたいになっていたのが、少しは見やすくなったかなと思います。代わりに、日焼けして私がお化けになりましたけどね。
 夕方、周期の長い地震が30秒ぐらい続きました。それでも震度2とのこと。積み上げられた本に異常はありませんでした。




川中子義勝氏編・訳『神への問い』
ベルンハルト・ガイェック著
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2009.7.30 東京都新宿区 土曜美術社出版販売刊 2800円+税

<目次>
序 ドイツ詩とキリスト教 −ルター讃美歌を起点として 川中子義勝……3
 一、宗教詩は、詩とは別なものか……3
 二、ドイツ・コラールの起源……7
 三、寛容の問題……18
第一章 宗教詩における歴史性とその影響 −クリスティアン・クノル・フォン・ローゼンロートの歌……37
 一、クノルの歌 「朝の祈り」(一六八四)……38
 二、光について語る伝統……43
 三、福音の光におけるルターの解釈……46
 四、クノルとオーピッツ……49
 五、クノルとカバラ……54
 六、ズルツバッハの各宗派共用施設……58
 七、イメージの持つ力……60
 八、図像(形象)の伝えるもの……63
第二章 「聖なるもの」か「崇高なるもの」か −キリスト教詩におけるその現れ……67
 一、ルターからゲルハルトまで……69
 二、十八世紀、啓蒙主義の時代……77
 三、「崇高なるもの」と「聖なるもの」……87
 四、同時代のイギリス詩……91
第三章 現代ドイツ詩における宗教経験の記述 −宗教詩の可能性と困難……99
 一、ヨッヘン・クレッパー「夕の歌」……100
 二、コンラート・ヴァイス「もの書く者」……109
 三、ゲオルク・トラークル「深淵より」……121
 四、ゴットフリート・ベン「悲嘆
(かなしみ)ノ舞曲(ワルツ)」……131
 五、インゲボルク・バッハマン「いつかきっと祭りは来る」……142
第四章 現代ドイツ詩における「神義論」の問い −マリー・ルイーゼ・カシュニッツの詩についての考察……157
 一、意味への問い −問いの前提−……158
 二、神義論的問いの由来 −基礎理解のために−……162
 三、問いの現在 −カシュニッツの詩作を手がかりに−……169
 四、神義論と歴史 −まとめと展望−……189
第五章 超越ぬきの創作〔
Dichtung詩作〕 −ギュンター・グラス初期作品における反宗教的告知……195
 一、『ブリキの太鼓』(一九五九)……196
 二、『頭からの生誕』(一九八〇)……200
 三、『女ネズミ』(一九八六)……223
第六章 舞台にのせられた福音 −民衆劇三作品の考察『降誕祭の死』『聖痕』『マグダレーナ』……231
 一、フェーリクス・ミッテラー『聖痕』……233
 二、フランツ・クサヴァー・クレッツ『降誕祭の死』……242
 三、ルートヴィヒ・トーマ『マグダレーナ』……249
 四、三幅対の考察……255
 五、キリスト教的著作家としての立処
(たちど)……264
結び ドイツ文学から日本の状況へ 川中子義勝……268
著者挨拶 日本に至る私の道のり ベルンハルト・ガイェック……276




 (帯文より)

 本書は近現代詩がキリスト教の直中から成立してくることを伝えている。そこに示される経過の意義と問題を考えることは、いわゆる宗教詩を超えた、ひろく詩とは何かを考える端緒となると思われる。(川中子義勝)




アンソロジー『しずく』25周年記念号
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2009.7.31 埼玉県新座市 田中眞由美氏方・しずくの会発行
500円

<目次>

ボールは生きている     小野道子 8    枯れ草           小野道子 10
おたまじゃくしのダンス   菊地恵美 12    父の唄           菊地恵美 12
青に向かって       木原まさお 14    青い霧          木原まさお 15
無の形而上学       木原まさお 16    夜の世界          小林明代 18
失ってから         小林明代 19    時と命           小林明代 20
エッセンス         小林明代 21    木を切る          佐藤 和 24
忘れる           佐藤 和 25    七夕            佐藤 和 26
入れかわる        田中眞由美 28    喪失           田中眞由美 32
幻の電車          角田利隆 34    たぶん           角田利隆 36
傷ついた心は       羽賀ちふみ 38    廃棄処分方法        福地信子 40
思い出の街         福地信子 41    雨の日           室井てい 44
雪原の灯          室井てい 45    黒目川           室井てい 46
遁走曲
(フーガ)       安田美鶴子 48
詩人の世界
田中眞由美さんの視線    清水 茂 50    詩集「猫の楽しみ」を読んで 西岡光秋 56
木原まさお「青の謎』の世界 森田 進 58
「しずく」の世界
詩について 教育について 木原まさお 61    逃亡者           角田利隆 62
吉野弘詩の優しさについて 田中眞由美 64    「しずくの会」のころ
.    佐藤 和 68
現代詩「しずく」へのお礼  福地信子 69    アンソロジー詩集に参加して 室井てい 70
詩との出会い        小林明代 71
編集後記         田中眞由美 74




詩誌POCULA12号
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2009.7.20 東京都練馬区  700円
現代詩研究会・比留間一成氏編集責任

<目次>
いとしい国は何処に/安久井良雄 2
新芽/呉 英元 3               夜は深まれど/呉 英元 4
雑詠/大原 昭 5               清水港/大倉偕子 7
一枚の絵/大沢公子 9             六月/井上喜美子 10
風花が舞う日に/小川淳子 11          福徳弁財天/河野 都 13
尾が切れて/兒井政子 15            心の宝もの/佐藤和夫 16
立ちつくす時/杉浦菊代 18           桜といっしょ/杉浦菊代 19
たけのこ/杉山妙子 20             寂照/清水正治 21
明日に向って/清水正治 22           死生の狭間/清水正治 24
凪/竹林信子 26                大和いにしえの道/さかいひろこ 28
白と黒の機体/白石梨花 29           蜩/堤 行夫 30
招待席 切通し/竹内美智代 32         「切通し」から故郷の風が/竹内美智代 32
生/橋本節子 34                花冷え/橋本節子 34
散歩/橋本節子 35               小さな庭に小さな故郷の植栽/比留間美代子 36
水瓶/比留間美代子 37             黄蝶の舞/比留間美代子 38
迎春花/比留間美代子 39            哄笑/福島仁子 40
何処ヘ −幻影−/福島仁子 41         花筏漂流/和田正康 42
八月の思い出/呉 英元 43           映画と私/呉 英元 44
迎花漫筆/比留間一成 45            ハイデガーとヘルデーリンをめぐって/後藤基明 46
水引の花/後藤基明 48             海辺の小道/荒木茂子 50
ラウル・デュフィを追いかけて/荒木茂子 51   東京/香川康之介 53
桜/香川康之介 54               たどりついた夢/柿市浄子 55
晩秋の母の日/北見有莉 56           緋色/駒井喜久子 57
夏の陽ざし/駒井喜久子 58           黒水晶/後藤光 60
ルーリン彗星/斉藤貞子 61           あまさぎとわたし/杉山利子 62
残像/城沢恵子 64               冬晴れ/城沢恵子 65
ほのぼのさん/橋川幸子 66           花に送られ/橋川幸子 67
一年の無事を祈る桜湯/林田和子 68       パチソン中佐/古田康二 69
深夜宿題特急/梁 泰子 74           コスモス色に染められて/広部愛子 76
チェリーセージ/広部愛子 77          斑雪の季/山田陽子 78
蛍のむし −曽祖父雨情の夏−/園部夏実 79   二十一世紀神話 −そして私は辺境で地母神のうたをうたう/住連木律 80
女性専用車両/相沢薫子 82           充分な風/今村克子 83
はじまりの朝/岡田ユアン 85          手のひら/香川千尋 86
母の部屋から −帰る−/門田由美 88      道を行く人/門田由美 89
人の素晴らしいところ/金原弓起 91       今、聴こえてくるもの/金原弓起 91
怖がることは/金原弓起 92           自らに差し伸べる言葉/金原弓起 93
地母神のうた/住連木律 94           ドミトリイ ドミトリエヴィチ ショスタコーヴィチ/住連木律 95
一本の傘/香咲 萌 96             幸福列車/小樅のり子 97
ケニアの雄ライオン/杉野紳江 99        十五夜/杉野紳江 100
黄昏/すずきひさよ 102
.            気楽に生きよう/柳谷美喜江 103
Next step/柳谷美喜江 104.          Rainbow 虹の先へ/柳谷美喜江 106
「大男」小オペラになる
.〜詩が楽曲になるとき〜/久野 麗 108
新刊紹介
詩集「白い壁」設楽信子 112
詩集「けれど・だなんて」菊地貞三 113
追悼 114




 
地母神のうた/住連木 律

枝は宿す風の言葉
石は返す星の光

天の 円の 芯に 懸かる
金の 盆の 月の 雫
くうを つうと 伝う 末の
(うみ)の 波の 玻璃の 破片

九頭の 竜の 靄の 護り
五里の 霧の 水の 巡り
八重の 山の 襞に 潜む
四方の 闇の 夢の 眠り

天の 辺の 峰に 休む
銀の 弦の 月は 弛む
あけを あかく 纏う 前の
槇の 森の 瑠璃の 深み

枝は宿す風の言葉
石は返す星の光

 拙HPでは初めて紹介する詩誌です。ここでは住連木
(しめのき)さんの「地母神のうた」を転載してみましたが、「二十一世紀神話 −そして私は辺境で地母神のうたをうたう」というエッセイも合わせて読むと、この詩を深く読めるかもしれません。それを措いても第3連は佳いですね。私たちがいかに自然界に〈護〉られているかを感じさせます。全体としては祈りの詩のようにも感じられ、声に出して読むことをお勧めしたい詩です。






   
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