きょうはこんな日でした 【ごまめのはぎしり】
 


2017年10月の部屋


拝領済みの詩書等  ※ご恵贈を深謝いたします(敬称略)

受領日 分類  誌 書 名 著者発行者 発行日  発 行 所 定価頒価  村山寸感・備考
171031 詩とエッセイ 『橋』152号 野澤俊雄 171101 栃木県宇都宮市 橋の会 800円 戸井みちお詩「ふぐりなし」〈見事な睾丸ぶら下げた犬/最近見かけなくなった〉…たしかに。去勢が進んでいるのかもしれない。作品はこのあと自身が去勢されていないか、と続くが、精神の去勢へと連想させる佳品。
詩誌 『アル』56号 西村富枝 171030 横浜市港南区 450円 西村富枝詩「カマキリ」〈威嚇のために振り上げたその鎌がむなしい/太平洋の藻屑にするために/費やした無数の資産と〉…カマキリと太平洋戦争を結びつけた作品と採った。“威嚇”が効いている。
詩誌 『ユタ』34号 石井真也子 171031 千葉県習志野市 非売品 田中智子詩「霜月」〈夏が/あまりにあっけなさすぎたから/今年はとびっきりの短さ/十一ヶ月くらいかな〉…1年が11ヶ月に感じるという感覚がおもしろい。
171030 歌集 『富士見』 結城 文 171110 東京都文京区 飯塚書店 1800円+税  
詩誌 『撃竹』90号 冨長覚梁 171020 岐阜県養老郡養老町 非売品 頼圭二郎詩「終バスの女」〈地層がはがされた/人影のない町から/一人の女が乗車した〉…“地層がはがされた”“町”という表現も魅力。まるで小説の冒頭部分のよう。しかもこの女は首に手拭いを巻いている。読み続けたくなる詩だ。
詩誌 『猗』44号 中原道夫 171025 埼玉県所沢市 書肆芳芬舎 700円 鈴木太郎「五歳の戦争」〈五歳の戦争は/そのまま体に染みついている/戦後民主主義の一年生は/いまも背筋を伸ばして生きている〉…5歳で体験した戦争、その後の民主主義。時代の証言者の“背筋を伸ばした生き”方に、私たちは助けてられている。次代に継がなくては、と感じさせる作品。
171029 詩集 『鼓動』 井上摩耶 171103 東京都葛飾区 コールサック社 1500円+税  
171026 詩誌 『ネビューラ』57号 壺阪輝代 171020 岡山市北区 非売品 平麻美詩「落下」〈北朝鮮がミサイルを放った〉…ミサイルではなくロケットだけど、〈地球はすべてのものを静かに受けとめている〉…この視線は新鮮。
詩誌 『いのちの籠』37号 甲田四郎 171025 東京都大田区 戦争と平和を考える詩の会 350円 ジョー・オダネルの有名な写真「焼き場にて 長崎」について谷口典子、若松丈太郎が書く。核兵器禁止条約締結で欠席した日本の席に折り鶴、については坂田トヨ子と北村真が。同じモチーフでも感性の違いがあって面白い。
詩誌 『じゅ・げ・む』35号 田村くみこ 171101 横浜市港南区 じゅげむの会 非売品 田村くみこ詩「アシダカグモ」〈ゴキブリを食べてくれるらしい/大きくなるとネズミまで食べてしまうという〉…蜘蛛に敵意のない作者。村山も外壁の蜘蛛の巣は取りません。ウンカ1000匹ほどを2日で食べてくれた。殺虫剤より自然の力を!!
171025 詩誌 『砕氷船』30号 苗村吉昭 171015 滋賀県栗東市 非売品  
詩誌 『ここから』5号 青山かつ子 171020 千葉県船橋市 詩誌「ここから」の会 500円  
171021 選詩集 『虚空のうた』 清水榮一 171007 東京都新宿区 土曜美術社出版販売 2000円+税  
詩誌 『地下水』225号 保高一夫 171020 横浜市港南区 横浜詩好会 500円 鎮西貴信エッセイ「感謝」〈「人の不幸は蜜の味」などという、とんでもない言葉もあるが〉…詩人にはこれがとんでもない言葉≠セと感じることが必要なのかもしれない。
詩誌 『1/2』53号 近野十志夫 171015 東京都中央区 詩誌『1/2』発行所 400円 近野十志夫エッセイ「詩はどんな弾丸になったか<戦争詩についてのメモ書き>」…大木惇夫編『ガダルカナル戦詩集』は、今の時代に読む必要性を感じさせてくれた。
詩誌 『二兎』8号 水野るり子 171025 横浜市中区 二兎の会 500円 中井ひさ子詩「夜空」〈夜空を一枚買わないかい〉…この詩人の場合は単純なメルヘンではない。〈朝にはもちろん消えているよ〉…そういう夜空は現実≠フ裏返しではないだろうか。
171020 詩的作品集 『夜更けの階段』 高橋 馨 171021 東京都板橋区 書肆山住 2000+税 詩的現代叢書26
171019 詩誌 『ERA』第三次9号 川中子義勝 171030 さいたま市中央区 500円  
171018 会報 『山梨県詩人会会報』20号 こまつかん(事務局) 171001 山梨県南アルプス市 非売品 役員改選の年だが、総会で全員留任の承認を得たとのこと。柔軟な会運営を垣間見た。
171017 詩誌 『木偶』106号 増田幸太郎 171031 東京都八王子市 『木偶』編集室 500円 天野友加里詩「雷おやじ」〈頭を腹につけ頭上を雷が通り過ぎるのを〉…親父さんの雷に対しての頭を腹につけ≠ニいう動作が目に見えるようだ。
171014 詩集 『東アジアの疼き』 鈴木比佐雄 171123 東京都板橋区 コールサック社 1500円+税  
詩集 『これは林檎ではない』 中尾敏康 171015 東京都千代田区 花神社 2300円+税  
詩誌 『環』160号 若山紀子 171017 名古屋市守山区 「環」の会 500円 佐藤千志子詩「おばあちゃんのお話より」〈おばあちゃんの子守歌はさるかに合戦でない/戦争のお話〉…そうやって戦争の話をしてくれるおばあちゃんは少なくなった。貴重な作品。
171013 詩集 『蒙昧集』 野間明子 171018 東京都世田谷区 七月堂 1600円+税  
短編小説集 『山桜』 高安義郎 101010 銀河書籍 1400円+税 1600字の短編小説集・リーフノベル。「再燃の期待」が秀逸。恋の再燃は屋台のラーメン店のうまそうな絵と同じで、食べてみるとそうではない、としたところがおもしろい。
詩誌 『るなりあ』39号 荻悦子ほか 171015 相模原市南区 300円 鈴木正枝詩「プール」〈橋を渡り切ると/海抜0・五メートル/そこにあるプールは半地下だから/もう海抜はない〉。……海抜という視点が面白い。たしかに海抜〇、またはマイナス。初めて見た詩。
詩誌 『午前』12号 布川 鴇 171015 さいたま市大宮区 1000円 谷川俊太郎詩「その午後」〈いつか私も人間として生きてきたけれど、歳をとるにつれて、人間ではないただの生きものとしての私が、ずっと自分を生かしていたのだと気づくようになる〉。……村山も少し気づき出していました。
171011 詩誌 『きょうは詩人』37(終刊)号 長嶋南子 171001 東京都足立区 400円 万亀佳子詩「薄明」〈死んでいるけど/困ったことなんて/ちっともなかった〉…“私”が死んだあとのことを言っているが、死とはそのようなものかもしれない。終刊号、楽しみな詩誌を失った。
詩誌 Zero』8号 暮尾 淳 171010 東京都中野区 500円 暮尾淳詩「口ぐせ」〈今日は敗戦の/記念日/どこにも半旗はなくて/口ぐせは/ひでえものだ。〉…敗戦記念日に半旗を掲げれば、また違った風景になるかも。
171010 詩と評論 『日本未来派』233号 杉野頴二 170925 東京都世田谷区 日本未来派 1000円 70周年特集号おめでとうございます。詩誌を続けるか解散するかの誌上議論。いずれはどこの同人誌も対面しなければならない問題。日本未来派はどうするか、注視したいと思います。
通信 『詩人の輪通信』47号 洲史(事務局長) 171001 東京都豊島区 九条の会詩人の輪 非売品 事務局長が佐相憲一氏から洲(しま)史(ふみひと)氏に交代。ご活躍を!!
『舞台になった石見』(十) 後山光行 170910 大阪府岸和田市 非売品 吉田豊明著「伝説の地方紙『石見タイムズ』」を紹介、1947〜73まで続いたとのこと。地方紙の活躍を伝える後山さんに敬服。
『舞台になった石見』(十一) 後山光行 171005 大阪府岸和田市 非売品 「秦佐八郎 日本医家伝 吉村昭著」、秦佐八郎は『日本医家伝』に登場するが、明治6年生まれの石見出身者。ノーベル医学賞候補にもなったとのこと。
詩誌 『山脈』第二次18号 山脈会 171010 千葉県松戸市 非売品 司茜詩「よめがさらわれました」〈カーボーイハットに 赤いコスモスいちりん/サングラスに/ジーンズの/案山子が首に板札をぶらさげている//  よめがさらわれました/  だれかしりませんか〉…“よめ”は“案山子”の嫁。この発想は面白い。
171008 二人詩誌 『風』25号 日高のぼる 171020 埼玉県上尾市 春と風出版 非売品 山田典子詩「箱の街で」〈つながってゆく/ことば/つないだ 二つの手〉…幼稚園帰りの母子がしりとりをしながら歩いている。言葉と手がつながる、なんとも温かい光景で、つい微笑む。
171007 詩集 『万国旗』 柏木咲哉 171102 東京都板橋区 コールサック社 1500円+税  
詩とエッセイ 『イリヤ』19号 尾崎まこと 171010 大阪府羽曳野市 300円 尾崎まこと詩「キッチン」〈小説は嘘を書きます/人の喜びのために/詩は本当のことを書きます/人の悲しみのために〉…一面の本質。あくまでも一面だが、忘れられないフレーズ。
171006 詩集 『西岡光秋全詩集』 西岡光秋 170828 東京都新宿区 土曜美術社出版販売 6000円+税 2016.8.28 82歳で亡くなった西岡さんの全詩業
171004 アンソロジー 『山梨の詩』2016 安藤一宏 170331 山梨県南アルプス市 山梨県詩人会事務局 1800円 『山梨の詩』2006について書いた拙文を紹介。感謝!!
詩誌 『烈風圏』第二期36号 本郷武夫 170925 栃木県栃木市 烈風圏の会 非売品 坂本久子詩「日々」〈年を重ねるのではなく/年は取っていくから/少なくなるのだよ〉…そう考えれば気も楽になるというもの。勉強させてもらいました。
171003 詩集 『廻向』 田川紀久雄 171115 川崎市川崎区 漉林書房 1000円  
詩と評論 『操車場』122号 田川紀久雄 171001 川崎市川崎区 漉林書房 500円  
詩誌 『花』70号 菊田 守 170920 東京都中野区 花の会 700円 平野光子詩「惜春」〈生きるということは/移ろうということ。〉…移ろえないということは、生きていないということ。移ろうことばかりに気をかけているが、そうではないと知らされた。
171002 詩集 『無花果のうた』 荒木忠男 170930 東京都新宿区 土曜美術社出版販売 2000円+税  
詩集 『蛙』 菊田 守 171125 東京都千代田区 砂子屋書房 2500円+税  
171001 文芸誌 『扣之帳』57号 青木良一 170925 神奈川県小田原市 扣之帳刊行会 500円 岸達志「里見勝蔵と橋本樸々」は勉強させていただくばかりです。


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