きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
2007.12.11 浜離宮・中島の御茶屋 |
2008.1.12(土)
日本詩人クラブの理事会、新年会が東大駒場キャンパスで行われました。理事会では、2月に広島で開催される「詩と平和の集い」の準備状況などが報告されました。総務の私からは、3月に事務所を公開することを報告して了承されました。新年の理事会ということもあってか、大きな議論もなく予定より早めに終わって、余裕をもって、続く新年会に備えることができました。
写真は新年会でのスナップです。秋田、長野、関西方面からの出席者も多く、100名近い人たちで賑わいました。なかに5年ぶりぐらいで顔を見せてくれた詩友もあって、旧交を温めましたましたけど、彼はずいぶんと痩せて、最初は誰だか判らなかったほどです。痩せるほど仕事をした、ということのようでした(無理しないでね!)。
今年の初仕事は無事に終了して、懇親会は気の合った人たち7人ほどと渋谷の「天空の月」に行きました。渋谷では私のお気に入りの店で、銘酒「獺祭」が置いてあります。もちろん皆さんにもお薦めして味わってもらいました。おおかた好評でした。
楽しい1日でした。遅くまで付き合ってくださった皆さん、ありがとうございました。今年もよろしくお願いいたします。
○高橋重義氏詩集『天の音楽』 |
2007.8 福島県福島市 私家版 非売品 |
<目次>
序の歌 風に寄す
夕陽の歌…6 雲の回廊…10
わが賢治…13 涙…16
雨の刺繍(れえす)…20 桜…24
樹木派…27 こころの毬…30
双蝶記…33 石…36
木靴の歌…39 トロイメライ…42
さなのうた…45 海泡石…48
うつわ…50 双の瞳…53
薔薇哀歌(ばららいか)…56 冬の蝶…60
鵺(ぬえ)のように…62
対話…65
ゆきてかえらぬ…68 こころのふるさと螢…70
天の音楽…73
後書
押花絵 出雲篤子
表紙「寂光」(てっせん・藤)、挿画「深飛」(こでまり・スカビオサ)「幽玄」(とらの尾)
天の音楽
私は聴く
裸の枝の先に光る水滴のひとつひとつに
冬の音楽が透けてみえるのを
つりあいのわずかな隙間に
ひとつの音階を繋ぎとめあって
かすかなあやうさを奏でているのを
それは顫えあって ほかの枝をもとめ
さらに高い頂きとの交感をはたすための
天への誘(いざな)い
すでにその先はない
あるのはただ落下のみ
地上への限りない受胎告知
それまでに
すべての時間を球体に凝縮して
透蚕(すきご)のようにうるむ枝先のひとつひとつ
あそこだ
音楽がひそかに鳴っているというのは
あの繊細ないのちのほとりだ
だから私は聴く
次なる落下のために枝のすべてでおののくという
生への最澄の音楽のその極みを
詩集の後ろの方に「小詩集歴」というコーナーがあって、既刊詩集名が書かれています。それを見て驚いたのですが、1963年から2005年まで何と20冊を刊行していました。しかも1963年から1972年は完璧に毎年発行し、それ以降も2年に1冊のペースです。そんな中で本詩集は、2年ぶりの第21詩集という位置づけです。詩に対する旺盛な意欲に、まず頭が下がりました。
ここではタイトルポエムを紹介してみましたが、形式的には3行連詩で、他の作品も同様です。おそらく今までの詩集も3行連詩が多いのではないかと想像しています。この「天の音楽」でも如実に表れていますが、天と地と人を見据えた3行連詩ということができると云えるでしょう。第2連の「つりあいのわずかな隙間に/ひとつの音階を繋ぎとめあって/かすかなあやうさを奏でている」というフレーズなど佳いですね。著者の感受性の豊かさが表出していると思います。研ぎ澄まされた感性を楽しませていただいた詩集です。
○詩誌『墓地』61号 |
2008.1.13 茨城県古河市 山本十四尾氏発行 500円 |
<目次>
秋のバラ/岩崎和子 籠(こ)もよ み籠(こ)持ち/大掛史子
墓地・Crossover/石下(いしおろし)典子 散花 −冬季/山本十四尾
散花 −冬季/山本十四尾
ほのかに香りがながれてくる 風のおすそわけが冷気のなか
の歩みをとめる
春は椿 夏は榎 秋は楸(ひさぎ)
そして冬は柊 これらが木の季節
なのだ 先ほど手いっぱいに摘んできた柊の白い花を すお
う色の器にわき水を入れて浮かべる 私の冬の散花だ
鋭い棘を持つこの葉は 鬼が目をつかれて退散するほどの革
質 ネズミの通路に立てておくと通らなくなると母に聞いた
ことがある そのことよりも 柊が老木になると棘がなくな
り葉も丸くなるとつけくわえたことを覚えている そのまる
い葉を花に添える
私は散花に身をゆだねる 白い花の呼吸を肌できいている
人が年を重ねるにつれて角がとれてくるのは 柊の生き様を
習うという古人からの伝承かもしれないと思えてくるのだ
木偏に春夏秋冬が揃っているとは思いもしませんでした。特に楸ですね。辞書によれば古語で久木とも書き、アカメガシワやキササゲなどを指すようです。ここでは「冬の散花」として柊を採り上げていますけど、「老木になると棘がなくなり葉も丸くなる」ということも知りませんでした。「人が年を重ねるにつれて角がとれてくるのは 柊の生き様を習う」ということだというフレーズは納得です。勉強させていだきました。
○会報『中四国詩人会ニューズレター』22号 |
2007.12.31 岡山県浅口市 岡隆夫氏編集・陶山祐二氏発行 非売品 |
<目次>
陶山祐二新会長のご挨拶 1 秋吉康新理事長兼事務局長のご挨拶 1
中四国詩人会役員の決定 1 中四国詩人会第7回山口大会報告 2
大会などの予告 3 記録・受賞・応募 4
お悔やみ 5 受贈詩集等 5
新しい体制になったようで、新役員の一覧表を見ていましたら、各県の代表理事が載っていました。その各県とは、岡山・香川・高知・島根・徳島・鳥取・広島・山口の8県に上ります。愛媛県だけは参加していないようですが大変なものですね。他のブロックではこういう組織はありませんから、ユニークなものと云えましょう。
「大会などの予告」で日本詩人クラブ関係は、2月・広島での「詩と平和の集い」、6月・大阪での関西大会を載せてくださっていました。関係者の一人として御礼申し上げます。
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