きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
2008.3.12 湯河原町・幕山公園 |
2008.4.3(木)
特に予定のない日。終日、いただいた本を拝読して過ごしました。
○『関西詩人協会会報』49号 |
2008.4.1 大阪市北区 左子真由美氏編集・杉山平一氏発行 非売品 |
<本号の主な記事>
1面 宇治文学散歩と講演会
2面 関西詩人協会賞・日本詩人クラブ第16回関西大会のご案内
3面 ポエム・セミナー「自作を語るZ」永井ますみ・インターネット情報
4面 同上 左子真由美・運営委員会の模様
5面 追悼 福中都生子さん/大西宏典さん・新入会員紹介
6面 会員活動・イベント
今号では、6月14日に大阪で開催される、関西詩人協会共催の日本詩人クラブ関西大会を大きく紹介していただきました。主催者側の一員として篤く御礼申し上げます。
関西詩人協会のHPも充実しています。http://homepage2.nifty.com/4-kansai/ を、よろしかったらご覧ください。
○個人誌『一軒家』21号 |
2008.4.1 香川県木田郡三木町 丸山全友氏発行 非売品 |
<目次>
随筆
救急車 11 星野歌子 今に生きる徒然草 15 田島信夫
法三章 18 篠永哲一 平木の三山 20 中井久子
産土の参道 22 中井久子 スカイプがくれた光 26 宮脇欣子
つれづれなるままに 29 戸田厚子 放浪して 29 戸田厚子
飛騨の歳時記 37 佐藤暁美 青春日記 43 角田 博
恐竜うどん 46 平山洋一 抱夢園−春を待つ− 62 荒木伸春
ニックネームの名付 55 池田みち 精一杯生きよう そ 64 伊東美好
け親は してこの世を信じよう
詩
人生 0 高崎一郎 べッドの上で 0 清野桂子
雨粒 0 清野桂子 満開の桜 0 清野桂子
独り遊び 0 清野桂子 故郷 0 中原歓子
おめでとう地球 1 丹治計二 尺とり虫 8 千葉喜三
未亡人 13 星野歌子 雪遊び 14 星野歌子
今が青春 27 宮脇欣子 初笑い 28 沢野 啓
ししゃも 28 沢野 啓 「秋到来」 30 戸田厚子
「素直」 30 戸田厚子 「春の嵐と虹」 31 高橋智恵子
「桜道」 31 高橋智恵子 「富士の光に」 32 高橋智恵子
「掛けボタン」 32 高橋智恵子 愛のリズム 33 高松恵子
ある日 35 吉田博子 音を聞く 35 吉田博子
母の胸 36 佐竹重生 呪文 38 佐藤暁美
ぼたん雪 38 佐藤暁美 音 44 角田 博
雪の朝 45 山上草花 季節の風見鶏 48 友里ゆり
海に眠る太郎 49 中原未知 今歩いているのはど 50 吉村悟一
出世稲荷 50 星 清彦 のあたり
水面 54 小島寿美子 しずく 54 小島寿美子
悲しみの立ち昇る夕 56 高崎一郎 仕事場の歌 57 高崎一郎
暮れに ぼく 58 高崎一郎
夕日 59 大山久子 猫ちゃん さような 63 宇賀谷 妙
神様のいぶき 67 深野久江 ら
童話
仏さまへ 2 丹治計二 三人兄弟 58 森ミヅエ
短編小説
愛の絆 3 千葉喜三 地球儀 39 坂戸敏明
飛ぶ日・2 64 小山智子
俳句 23 中井久子 34 徳増育男
45 山上草花 47 小倉はじめ
川柳 14 星野敬子 24 中井久子
34 川西一男
短歌
春の息吹 9 千葉喜三 冬景色 9 千葉喜三
48 友里ゆり 53 藤井彌峰子
書道 10 千葉喜三
※全友の作品
短編小説 洵ずる 68
詩 K・Y 代金 79 縁先 老眼 80
熟れる 免許 年頃 81
三木町の伝説「三つ子石」
老眼/丸山全友
「スカート男逮捕!なんだ?」
朝食を終えて新聞を広げる
「えー本当なの。暖かくなると変なのが出るからね。でも、逮
捕とは…ね」
妻は食器の片付けをしている
「女の人はズボンをはいても逮捕されるようになるな」
「まさか。どれ、どれ」
妻は手を休めて
私から新聞を取り上げる
「スカートじゃなくてストーカーよ」
「花見で酒を飲んでいたのか」
「それはドリンカー。頭も老眼になってきてるわね」
作者の詩は家族との会話を題材にした作品が多いのですが、今号でもそのおもしろさを見せてくれました。紹介した詩は、そんな中の1編で、最終行がよく効いていると思います。「頭も老眼になってきてる」という発想がユニークです。ほのぼのとした味わいのある作品だと思いました。
○詩誌『黒豹』117号 |
2008.3.29
千葉県館山市 黒豹社・諫川正臣氏発行 非売品 |
<目次>
諫川正臣 雲のことば 2 帰ってきたキッちゃん 3
西田 繁 女郎蜘蛛 4 花の怒りか 5
よしだおさむ なにかが 6 狐火 7
前原 武 火と灰 8 花街の風 9
山口静雄 心象 10
富田和夫 モロッコのタンジェにて 11
杉浦将江 小春日和 12 罪 13
本間義人 新年の手帳 14 ランキンさんの一票 15
庄司 進 ありがとう 16 ある女教師の退職 17
編集後記 18
花の怒りか/西田 繁
山茶花の垣根がいい
生まれ育った家の庭への 郷愁もあったのだろう
新しく建てた家の庭に
母ののぞみどおり
門から玄関まで 小さな苗を植えた
年月の経つのは速く
母が亡くなっても
毎年 童謡のように ほどよくあかく咲いた
今年の夏 一尺ばかり枝をつめた
なんと この冬 山茶花は
怒ったように 花と花かさなり 枝より多いほど
狂ったように咲いて あまり花びらも落さない
風情とはほど遠い咲きみだれ方
枝を剪りつめた 母の怒りでもあるまいが
今年の山茶花は 咲きすぎて 可愛いくない
「毎年 童謡のように ほどよくあかく咲いた」という「山茶花の垣根」が眼に浮かぶようです。しかし、たった「一尺ばかり枝をつめた」だけで、「山茶花は/怒ったように 花と花かさなり 枝より多いほど/狂ったように咲いて あまり花びらも落さない」状態になってしまいました。私は植物に詳しくないので、その理由が分かりませんけど、「枝を剪りつめた 母の怒りでもあるまいが」という作者の困惑は伝わったきました。植物は本当に難しいもの、拙宅の小さな庭の植木を素人剪定しながらそう思いますので、「今年の山茶花は 咲きすぎて 可愛いくない」というフレーズには共感しました。「花の怒り」、木々の怒りの前に人間の小ささも感じた作品です。
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