きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
2008.3.12 湯河原町・幕山公園 |
2008.4.15(火)
午前9時に印刷所に行って、日本詩人クラブ総会の案内状往復葉書を受け取ってきました。それからいつものパソコンショップに行って、宛名シールを買おうとしたのですが、あらあら、臨時休業。携帯で調べてみると、10kmほど先に別の支店があることが分かって、そこまで行ってしまいました。結局、宛名シールをプリントアウトして、貼り付け作業を始めたのが13時、終わったのは18時でした。シールを剥がして往復葉書に貼って、葉書を二つ折りにするというだけの単純作業ですが、900枚を超える数というのはそういうことなんですね。会員が200〜300人なら楽なのに(^^; いやいや、そんなことを言っては罰が当たります。1000人を超えて、もっと大きくしようという日本詩人クラブですから、作業改善を考えればいいだけのこと。元労務管理の端くれとしては腕試しの機会と捉えればよいのでしょう。実業の世界のノウハウをボランティアにも生かすのは、私たち団塊世代の責務でもあるのかなと思いました。
18時半には郵便局の本局のポストに葉書を投函して、本日の作業はオシマイ。無事に会員・会友の皆さまの元に届くことを祈っています。
○会報『文芸西さがみ』40号 |
2008.4 神奈川県小田原市 非売品 奥津尚男氏方事務局・西さがみ文芸愛好会発行 |
<目次>
冊子《文芸作品に描かれた西さがみ》刊行 1
2008年度事業計画・役員・会費納入のお願い 2
西さがみ文芸愛好会・2008年度予算
3 楓川あけみさんの《鳥に会う道》4
小林千鶴子さんの句集《筆の墨》4 掲載候補作品リスト 5
2007年度事業報告・会費納入者
6 西さがみ文芸愛好会2007年度決算報告 7
西さがみ文芸情報 8 会員の消息/活動 8
●西さがみ文芸愛好会発足20周年を記念して
冊子《文芸作品に描かれた西さがみ》刊行
来たる5月6日は、西さがみ文芸愛好会が発足して満20年の記念すべき日。
本会では、この節目の年を記念する2008年度の事業として、《文芸作品に描かれた西さがみ》と題する冊子を刊行することになりました。
今年はじめの第12回〈西さがみ文芸展覧会〉で同名の特別展を開催しましたが、これが話題となり、この地域の様子を背景とした文芸作品をもっと知りたい、そうした作品を紹介する手引き書があったら……という数多くの要望が、本会に寄せられてきました。このような冊子の作成は、本会の目的に照らしても意義あるもので、実現したばあいには、多くの方々の便に供することができるでしょう。
【作成の概要】
掲載作品は、西さがみの風景が登場する、明治以降の文芸作品から、40編程度を選定する。(今回は小説・随想などのジャンルに限定。)
掲載作品は、原文、作品のあらまし、作者略歴、解説で、4ページ建てとし、親しみやすい誌面構成を考える。
冊子は、今年11月刊行を目ざし、B6判大、本文は10ポイント程度の読みやすい活字を用い、200ページ程度とする。頒価は、1600円程度におさめる。(会員には割り引き価格で購入をお願いする。)
原稿は、西さがみ文芸愛好会会員が分担して執筆する。(希望者は事務局へ申し出る。)
*候補作品=5面に掲載しました。
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今号では今年11月刊行をめざす冊子《文芸作品に描かれた西さがみ》刊行の概要が発表されました。候補作品は、著作権がまだクリアされているわけではありませんので、HPでの公表は避けますが、意外な人の意外な関わりがあって、なかなか面白いものになると思います。私も編集委員のひとりとして加わっていますので、今後も逐次お知らせできるでしょう。刊行したら拙HPでも宣伝させていただきます。地元の書店などでは一般販売もいたしますので、その節はどうぞお求めください。
○詩誌『るなりあ』20号 |
2008.4.25 神奈川県相模原市 荻悦子氏ほか発行 300円 |
<目次>
氏家篤子 窓 1 * 春 3
荻 悦子 蕾 5 * 草の葉 7
鈴木正枝 復路 9 * 不都合なこと 11
あとがき
蕾/荻 悦子
雪渓の底に
張りつめた氷
そのようにと願い
ひと言も
発することができない
雨は
忘れずに嵐を連れてきて
季節を変える
来なかった
来なかったと
語気を強める人
何が?
何を待っていたのだろう
一夜で
ふくらんだ蕾
ラナンキュラスの
濃い朱色が苞を裂くのを
遠い目で見ている
「雨は/忘れずに嵐を連れてきて/季節を変える」のに「来なかった/来なかったと/語気を強める人」は「何を待っていたのだろう」、季節を見る目があるのだろうか。わたし(作中人物)≠ヘ「雪渓の底に/張りつめた氷」がわずかに滴り落ちるのにも春を感じ、わたし℃ゥ身も「そのようにと願い」、小さな春の前では感動のあまり「ひと言も/発することができない」でいるのに…。と読み取ってみましたが、どうですかね?
最終連は「濃い朱色」のあでやかな「ラナンキュラス」の「ふくらんだ蕾」を、「遠い目で見ている」という詩語が大事だと思います。ここには憧れや羨望は感じられません。もしかしたら失恋の詩なのかもしれませんね。
○詩誌『北の詩人』64号 |
2008.4.15 札幌市豊平区 日下新介氏方・北の詩人会議発行 100円 |
<目次>
「利尻富士」写真:漆崎 隆 詩:佐藤 武 1
短詩 後期高齢者医療制度/佐藤 武 2 いまこそ年寄りの一揆を/たかはし・ちさと 3
そこのけそこのけ/たかはし・ちさと 4 巣立ち/たかはし・ちさと 4
沖縄/かながせ弥生 5 私の誕生日に/かながせ弥生 6
母べぇの最後/たかはたしげる 7 今度の騙しは手ごわいぞ/大竹秀子 8
悪人正機なり/釋 光信 10 牛とアンモニアと星/倉臼ヒロ 11
短歌 春を憂ふる/幸坂美代子 13 軍隊と国民/松元幸一郎 14
やさしさ/八木由美 15 天使/八木由美 16
誰かがやってくれないと/日下新介 16 たどってきた道/日下新介 17
シャポーの唄/日下新介 18 茂子23 謡曲・仕舞/阿部星道 19
十三歳 理生君の詩の世界(一部分)/日沖 晃 20
エッセイ 「盗作かパロディか」にこたえて/倉臼ヒロ 24
書評 戦時下の残虐行為/高畑 滋 26
科学者の墓標/高畑 滋 27
口を真一文字に結んで/佐藤 武 7
日本現代詩歌文学館の案内 9
「北の詩人」63号 感想 阿部星道・倉臼ヒロ 21 25
受贈詩誌寸感 日下新介 23 松元さんの来道のこと 25
もくじ 28 あとがき 28
誰かがやってくれないと/日下新介
核兵器廃絶や原爆症認定
あるときは 憲法九条改悪反対などの
署名のおねがいに行くと
及川さんは
たんねんに趣意書を読んで
奥さんと共に署名してくれた
そして帰り際には
いつも必ず言うのだった
――誰かがやってくれないと…
誰かが…
わたしは気負って平和運動を続けているわけではないが
戦争で敵を憎む教育を受け
入学したばかりの学校も空襲で丸焼けになった
そんな体験もあるわたしの
ささやかな生きる支えは
世の中がいつまでも平和であることだ
戦争をしないと世界に約束した
憲法九条を守り通すことだ
こんな日常のねがいに
「闘う」なんていう言葉なんか使わなくてもよい
ごく普通の暮らしを続けることだ
やがて春が来る
雪に埋もれた及川さんの庭には
クロッカスの花が咲き
なにものにもせかされることなく
木々の芽は天に向かうだろう
及川さんは
今朝 九十一歳の生涯を終えたが
及川さんは言うだろう
――誰かがやってくれないと…
再びわたしの署名用紙にペンを執ることはなくても
わたしは届け続けよう
及川さんのねがいを
2008・3・16及川さんが亡くなった日に
平和運動を行う上での大事な点をこの作品は教えてりれているように思います。ひとつは「――誰かがやってくれないと…」と思う人を大切にすること。ちょっと考えると、ここには「誰かがやってくれ」るという甘えがあるように思えますが、それは違うでしょう。人にはそれぞれの事情があって、例えば「九十一歳」では無理なことです。無理な人は無理のない範囲で、署名で賛意を示すことだけでも良いのだ、と教えられます。また「わたしは気負って平和運動を続けているわけではないが」というフレーズも、運動をする側の心構えを言っているようですし、「こんな日常のねがいに/『闘う』なんていう言葉なんか使わなくてもよい/ごく普通の暮らしを続けることだ」というフレーズにも同様のことを感じます。私もせいぜい署名に協力することぐらいしかやっていませんので、利いた風な口をきける立場ではありませんが、そんなことを思いました。
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