きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2008.7.11 玉原高原




2008.8.13(水)


 夕方から深川にどぜう≠食べに行きました。日本ペンクラブの電子文藝館委員会に最近加わってもらった人の誘いで、委員長と副委員長の私の3人でした。そういえばどぜうを食べるのも久しぶりです。美味しかったですよ。有名な店らしく、私たちはたまたま空いている時間帯に入ったのですが、そのすぐ後には店の外に行列が出来るほどでした。
 食べたあとはお決まりの居酒屋。しかし、深川には私たちが行くような居酒屋はないんですね。小料理屋ばっかり。安そうな小料理屋を見つけて恐る恐る入りましたけど、これが当たり!でした。値段も安く、料理も美味しかったです。
 夜の深川はシャッターを閉めた店が多く、人出も少なかったです。でも、江戸情緒がなんとなく伝わってくる佳い街でした。近くに住んでいたら毎晩のように小料理屋に出入りしたくなる街です。お近くの方は是非どうぞ!



詩誌『東京四季』93号
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2007.10 東京都八王子市
山田雅彦氏方・東京四季の会発行 500円

<目次> 畠中哲夫同人追悼号
<扉> 無限旋律…畠中哲夫(1)       在りし日の畠中同人 写真(2)
畠中哲夫同人 作品抄 年譜・著書(6)
<追悼文>
畠中哲夫さんのこと…杉山平一(18)     畠中哲夫さんを偲ぶ…伊藤桂一(20)
畠中哲夫さんとの思い出…圓子哲雄(22)   畠中さん追悼…舟山逸子(24)
「風を聴く人」…萩原康吉(25)        情熱と信念の畠中哲夫さんを偲んで…鳥羽貞子(28)
「お身体を大切に」…小野夏江(30)      畠中先生と田園調布…瀧本寛子(32)
御逝去に際して…桐原恵子(34)       畠中さんを偲んで…神戸朋子(36)
己の存在を思索し続けたひと…松原寿幸(37) 畠中様への手紙…中原歓子(38)
畠中さんを偲ぶ…松丸俊明(39)       足許…高木瑞穂(42)
畠中哲夫同人を偲ぶ会(43)

風の詩人抄…山田雅彦(44)         奈良…クロード・ロワ 水谷 清(46)
振り向いて・またたき…岡田優子(48)    水のほとり…萩原康吉(50)
月見草咲く池…小野夏江(52)        遠ざかりゆく時間…谷田俊一(54)
赤い実…鳥羽貞子(56)           無名性…言寺はる(58)
去り逝く秋に…松原寿幸(60)        ひとりごと…中原歓子(62)
九月のカレンダー…石川照子(64)      海・青いリズム…大塚理枝子(66)
遠きより…海上晴安(68)          優れモノ…門田照子(70)
淀橋…桐原恵子(72)            霧多布湿原の風に吹かれて…竹原政子(74)
マント…横山多恵子(76)          すきな時間…瀧本寛子(78)

「二十五周年タゴール歌曲の夕ベ」を終えて…神戸朋子(79)
同人住所録・受贈誌(80)



 青いリズム/大塚理枝子

風がタクトを振れば
波はしぶいて海面を踊る
雲は舞姫となって
果てしない空のステージで雅やかに舞う
船上の私は そのとき
青いリズムになる

 〈船上〉から海を見ているという情景ですが、〈風がタクトを振〉る、〈波はしぶいて海面を踊る〉、〈雲は舞姫とな〉るなど、どの1行も素晴らしい造形だと思います。そして最後の〈青いリズムになる〉が佳いですね。〈リズム〉には本来、色など着かないものですけど、それが詩の良いところ、見事に決まりました。小品でもこれだけ凝縮させてくれると、詩を読む喜びが倍加するように思いました。



詩誌『東京四季』94号
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2008.5 東京都八王子市
山田雅彦氏方・東京四季の会発行 500円

<目次>
<扉> 短詩…阿部英雄(1)
追悼 阿部英雄同人 近影・履歴(2)
阿部英雄同人 作品抄(3)
<追悼文> 圓子哲雄・山田雅彦・鳥羽貞子・萩原康吉・松丸俊明・瀧本寛子・神戸朋子(10)

花束とカレンダー…桐原恵子(24)      侘び助椿…萩原康吉(26)
並木道…松丸俊明(28)           春、冷たい雨の日に…谷田俊一(30)
冬桜…石川照子(32)            酸素…鳥羽貞子(34)
氷のうた…竹原政子(36)          急須(ティーポット)…中原歓子(38)
かぜくさの中で…大塚理枝子(40)      天上の花野…海上晴安(42)
月に還る…松原寿幸(44)          郊外での登場人物…ジャック・レダ 水谷 清(46)
はは、へ…山田雅彦(48)          孫ひとり…小野夏江(50)
ねむれぬよるに…瀧本寛子(52)       曲がり角…岡田優子(54)
道連れ…門田照子(56)           くるくる回って…言寺はる(58)
双葉山…横山多恵子(60)          愛の旋律…神戸朋子(62)
小さな駅…高木瑞穂(64)          はじまり(会員作品)…佐々木重子(66)
同人住所録・受贈誌(68)



 侘び助椿/萩原康吉

春に先がけて
侘び助椿の花が咲いている
遠い日
心惹かれたひとのように
楚々とした 花

牡丹の花のような幸せもあるが
侘び助椿のような幸せもある

 こちらも小品ですが、しみじみとした情感を感じます。〈牡丹の花〉と〈侘び助椿〉の対比も絵のように脳裏に浮かんできます。これはもちろん花と花との対比ですが、〈心惹かれたひと〉と〈牡丹の花のような〉ひととの対比もあるのではないかと思いました。冒頭の〈春に先がけて〉という1行が全体を締めているとも思いました。



個人誌『知井』7号
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2008.8.1 京都市北区 名古きよえ氏発行
非売品

<目次>
故郷の川/名古きよえ 2          だれも食べなかった杏/名古きよえ 4
村の水車/名古きよえ 8          雪の重み/名古きよえ 10
知井の歴史(五) 河内谷の聞法寺 その一 12
寄稿(評論) 詩人を通しての自然/前川整洋 15
故郷への道/名古きよえ 36
ソウルで 日韓詩の交流会に参加して/名古きよえ 41
心に残る詩(韓国)
 雲が通り過ぎた跡/李 炭 43        歳月/申庚林 44
あとがき



 故郷の川/名古きよえ

源流は 山の木や草の根から
滲み出て空気に触れて鏡のように
美山川となり 爽やかに流れる
いく曲がりの角も清んだままで

穏やかに流れる川も
雪解け 豪雨 梅雨に
濁流となり 中国の紅い河のようで
見ていると 獣を狩るライオンのようだ

水は土を削り
木を倒し、岩を押し流し
山をも崩す
自然の恐ろしさが目のまえになる

雨は やがて静かに止む
川は次第に清んで
魚の遊ぶ姿が見える
岸の草も立ち直って青々と

川は天と共にあり 人は川と共にある
その恩恵を 子どものときに教えられる
子どもでも川を見ていると
畏敬に佇む場所があった

 川を見ている時間は楽しいものです。ましてや、たまに訪れる遠く離れた〈故郷の川〉なら尚更でしょう。〈美山川〉はまだ見たことがありませんが、〈いく曲がりの角も清んだままで〉ある清流のようです。しかし、一度荒れると〈濁流となり 中国の紅い河のようで/見ていると 獣を狩るライオンのようだ〉そうですから、比較的大きな川なのかもしれません。作品からは〈川は天と共にあり 人は川と共にある〉と教えられます。川を守ることが人を守ることになるのだなと、改めて考えさせられました。



   
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