きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
2009.2.22 世田谷区・静嘉堂文庫美術館 |
2009.4.24(金)
午後から日本ペンクラブで開かれた拡大言論表現委員会のグーグル問題研究会に出席してきました。議題は「グーグル・ブック検索〈和解協定〉対応について」。出版社の法務・著作権担当者がゲストとして招かれ、取材陣も大勢詰め掛けるという、通常の委員会とは違った雰囲気でした。
日本文藝家協会会員には、すでに和解協定への参加・不参加が問われていますし、各出版社から同様の通知が来ている人も多いと思います。ここではまず、グーグル・ブック検索についてかいつまんで述べておきます。
グーグル・ブック検索とは?
日本を含む全世界の著作権者に無断で、アメリカ国内の図書館から提供された膨大な書籍の全文をデジタル化してデーターベース化したこと。さらにそれをインターネットで検索・閲覧可能な状態にしていること。
なぜ、それが日本人の私たちに関係するのか?
デジタル化された書籍には日本人作家の多く(詩人も含めてほとんど全てと言ってもよいでしょう)が含まれていること。アメリカ国内法の「フェアユース(公正利用)」により、こちらが申請をしなければ権利が保護されない「オプト・アウト(離脱)」方式が採用され、無権利状態に置かれること。
これに対して、当然アメリカ作家協会等も反発して、ニューヨーク連邦地裁に提訴しました。その結果、地裁から出されたのが和解案です。やってしまったのはしょうがない、世界中の作家に和解金を支払ったら? というのが地裁の判断だったわけです。嫌だったら、世界中の作家が個別にニューヨーク連邦地裁に提訴してくれ、英文で…。
委員会にゲストとして出席していた三田誠広・日本文藝家協会知的所有権委員会委員長の言葉を借りれば、「ヤクザの親分が違法な海賊版DVDを作ったけど、作ってしまったものはしょうがない」という判断を裁判所がしたわけです。グーグルという世界最大の検索会社を相手にしても勝ち目がないから、これは和解するしかないのかな、というのが会場の雰囲気と私は捉えました。そこで、三田さんの言葉を引き継いで、私は「ヤクザの親分が違法な海賊版DVDを作ったなら、まず廃棄させるのが筋ではありませんか。そこを忘れないようにするのが肝要と思います」と発言しておきました。
細かい問題点を書き出すと1冊の本になるほどですから、この程度にしておきますが、本日、日本ペンクラブとして
会長声明 を発表しました。ハイパーリンクを張っておきましたのでご覧になってください。
なお、本日の参加者は作家、出版社のみで、読者代表というような立場での参加者は招いていませんでした。それに関連して、「読者としては作品をタダで読めるんだから良いと思う人が多いだろう」という発言があったこともつけ加えておきます。この研究会は今後、月に一度程度開かれる予定ですが、今後の会議の中で、作家・出版社・読者が一体となった取り組みが行われることを期待しています。
○佐藤敏氏詩集『途方もない話』 |
2009.5.20 長野県諏訪市 ゆすりか社刊 1500円+税 |
<目次>
T
その1 地図 6 その2 空中都市 11
その3 幻夢 14 その4 埒(らち)もない話 18
その5 地上絵 21 その6 血を捧げよ 24
その7 現在(げんざい)も血を 27 その8 アトランティス 29
その9 神も気付かない 32 その10 石像 34
終章 あしたその門を 37
U
わたしの神話 42 コンドルは飛ぶ 46
蝶たちのめまいの底で 50 石の灰をのみ 54
色違いのサングラス 58 雪だるま 60
この風景は 64 わたしが灯であれば 66
仏の声に 68 群れを放れて走る者よ 70
胞衣(えな)もなく骨もなく. 74 振り子 76
梵鐘 78 ひもとく者は 82
マジシャン 84 途方もない話 88
賛歌 90
霊脈への思慕 石原 武 94
あとがき 99 装画 田島八重子
(帯文より)
詩人佐藤敏は骨太の手によってひたすら人間の傲慢に抗い続けていた。怒り、祈り、溢れるばかりに醸された詩篇は神の文脈をえて、いま予言の音調を響かせる。 石原 武
○個人通信『萌』27号 |
2009.春 山形県山形市 伊藤啓子氏発行 非売品 |
<目次>
川沿い
川向こう
理科少女
○詩誌『ひを』12号 |
2009.4 大阪市北区 三室翔氏発行 286円+税 |
<目次>
古藤俊子 少年 2 琵琶を抱くひと 4
三室 翔 街はね 6 Dreams or true 8
寸感 古藤俊子 10 三室 翔 11