きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2009.5.16 新潟・大棟山美術博物館(坂口安吾記念館)




2009.6.20(土)


 今日は生母の命日です。私が10歳の誕生日を迎える直前、小学校3年生のときに亡くなりましたから、もう50年前ということになります。生母は親父と二人で床屋をやっていましたが、次女が産まれた翌日に産院で亡くなりました。それから親父は頑張って床屋を続けていて、私も産まれたばかりの下の妹のミルクを3時間ごとに作ったり、オシメを換えたりしたのですが…。当時3歳だった上の妹を店に置くわけにもいかず、私が小学校に連れて行って机の片隅で遊ばせながら授業を受けたり…。とうとう店を畳むハメになって、下の妹は養子に出され、私と弟は北海道の親戚に預けられ…。親父は上の妹だけを連れて渡りの床屋職人で全国を放浪…。

 改めてこうやって書いてみると、おぉ、大変な生活だっんだなあ、と思います。その当時はノーテンキであまり気にもしていませんでした。しかし、預けられた先の叔母さんが癌になって、1年で私と弟は親父の元に戻されました。それからは親父の放浪に付き合わされて、2年間で20校ぐらい転校を繰り返しています。その間はさすがに苛立ちましたね。やっと学校に馴染んで友達ができても、すぐに別れが訪れます。次の学校でも、その次の学校でも同じ繰り返し…。私には生涯友達はできないのかと思いました。まあ、そのお陰で、3年生までいた地区の乱暴なガキ大将という姿は影を潜めたようですが。

 おふくろが生きていたらどんな生活だったろうかと想像します。ガキ大将のまま中学生になって、いっぱしの番長を気取っていたかもしれません。自分の性格を考えると、そのままチンピラになっていただろうなとも思います。転校を繰り返すことで、小学生は小学生なりに世の中が見えたのかもしれません。幸い、中学校で生涯の恩師に出会えて、ブンガクを齧るようになって、ヤクザにもならずに済んだ今の私があるのでしょう。

 若いときに死んだおふくろは、いつまで経っても若いままです。おふくろの2倍近い歳月を生きてきて、誇れるものは何もないけど、この世に産み落としてくれたことを感謝せずにはいられません。
 私もあと何年か、何十年かしたらおふくろの元に行くわけですが、そのときにおふくろの顔を覚えているか、それだけが心配です。




坂多瑩子氏詩集『お母さん ご飯が』
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2009.6.25 東京都千代田区 花神社刊 1000円+税

<目次>
はるかな食卓 6    母 8         いらない 12
水たまり 16      赤 20         塔の中で 24
道 28         消える 32       ゆうぐれ 36
遠く 日だまり 40   先へ 44        わらう 48
会う 52        待つ 54        ふいに 58
茂み 62        台所 66




詩とエッセイ『沈黙』38号
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2009.6.10 東京都国立市 井本氏方発行所
700円

<目次>

宮内 憲夫 出口を見る 愛は、島流し 2    村田 辰夫 謡曲余情「道成寺」(安珍と清姫) 「江口」(旅の僧と江口の君) 6
鈴木 理子 台詞18 12             山田 玲子 月よ 16
井本木綿子 白鳥 18              天彦 五男 夕まぐれ 20
吉川  仁 一九四六春 白富士 筆談 23
エッセイ
宮内 憲夫 精神
(こころ)の姿勢 28        井本木綿子 偶然 30
あとがき  村田辰夫 山田玲子
〈表紙〉ピエール‘オーギュスト’ルノワール「肘掛け椅子の婦人」




『千葉県詩人クラブ会報』206号
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2009.6.20 千葉市稲毛区
根本明氏編集・斎藤正敏氏発行 非売品

<目次>
平成21年度千葉県詩人クラブ総会 決算・予算、事業計画を承認 1
総会 スピーチと朗読 平成21年度事業計画 平成21年度収支予算 2
会員作品特集「湾岸の自然」 4
新会員紹介 5
前田孝一詩集『つれづれの旅』評 中谷順子 6
山形栄子詩集『風のことば』評 橋川幸子 7
会員活動 受贈御礼 編集後記 8






   
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