きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
2009.6.11 掛川・加茂花菖蒲園 |
2009.7.3(金)
話題の映画「釼岳・点の記」を観てきました。新田次郎の原作をすでに読んでいましたから、内容に疑問はなかったのですが、映像はあれで良かったのかなあ、というのが正直なところです。CGを使わずすべて実写、しかも季節を順番通りに撮るため2年をかけるというのは立派なものです。その効果は充分にあったと思いますが、CGを使わないというところにヘンにこだわりすぎたのではないかと感じました。派手な映像を見慣れた私たち観客にも問題があるのでしょうけど、迫力が足りないという印象でした。原作から、この場面ではこんな映像が、と期待していたのに、通りいっぺんの映像が流れただけ、と言ったら言い過ぎでしょうかねぇ。
やはり原作を凌ぐのは難しいのだなと思います。文字情報は私の頭の中に様々な状況を設定してくれます。しかし映画はその中の1つしか選択できないのです。それが監督と観客(この場合は私に限ってですが)の乖離を生むのだと思います。
もちろん映画としては優れた作品だと思います。TVで放映されたらまた観るでしょう。それにも関わらずそんな印象を持つのは、おそらくアメリカ映画のケバケバしさに毒されているのかもしれません。
○石川早苗氏詩集『蔵人の妻』 |
2009.7.17
東京都板橋区 コールサック社刊 2000円+税 |
<目次>
第一章 逃げる男
逃げる男 8 魔女の退院 12 八百比丘尼(やおびくに) 16
鬼子母神 20 解き放つ 24 どうやら明日 2S
永遠のアイドル 32 血を舐める 36 月のめぐり 40
最後の晩餐 44 台所にて 48 追いつめらレル 52
a(あ)の音(おん)から 56 雛(ひいな)を飾る 60 蔵人(くらびと)の妻 64
蔵は眠らない 68 ハマる 72 空梅雨 76
第二章 朝の音
Re:今日のパパ 82 父をつつむ 86 踵から 88
一斉起床 90 朝の音 94 草取り 98
桜のように 100. 夢 106. 静かな時間 110
握手 114. 原始の海にて 118
あとがきに代えて しきゅう日記 122
(帯文より)
帰ってくるなり その話だった
今日搾った酒は
立ち香が素晴らしかった
味にも幅があっていい酒になった
遅い夕食 忙しく箸を動かす夫からは 甘い発酵の香りが漂う
(「蔵人の妻」より)
○山本衞氏エッセイ集 『人が人らしく 人権一〇八話』 |
2009.7.20
東京都板橋区 コールサック社刊 1428円+税 |
<目次>
第一章
プラスの感情 12. 叱られる権利 14. 肉体と精神 16
セクハラ 20. らしく 22. シベリア抑留 24
姓と名 26. 若水は…… 28. どこへ 30
マ・モ・ル 32. どんな時も 34. 介護は誰が 36
土俵の上は…… 38. 命の値段 40. 幼児殺傷事件 42
識字の学習 44. ブラクに生まれ 48. 混血こそ命 50
人権と法律(1) 52 人権と法律(2) 54 さん・くん事件 58
表と裏と 60. 人とチンパンジー 62. 老人と赤ん坊 64
第二章
世間 68. みなと同じ 70. 偏見 72
夫婦別姓 74. ガゼを食う 76. キカンボウの教育 78
女偏の字 80. 泰作噺 82. 老人を大切に 84
ジェンダー 86. 世界の中心 88. シンデレラ 90
ねむり 92. 人種・民族(1) 94 人種・民族(2) 96
黒白をつける 98. ハンセン病棟 100 子育ては 102
外国人 104 老いの力 106 男女共同参画(1) 110
男女共同参画(2)112 清めの塩 114 六曜 116
心は水にも 118 ボランティア 120 兼松林檎郎 124
人間の齢 126 身分制度 128 呼び名 130
常識 132 日本語はどこから 134 寅さん 136
つながる命 138 伊能忠敬 140
第三章
ハンセン病(1)144 ハンセン病(2)146 おつり 148
サベツ落書き 150 障がいは自分のこと 152 ほめる 154
乏しさの知慧 156 お下がりのランドセル.158.世界の水 160
ふるさと 162 人口自然減 164 ならぬことはならぬ 166
タイガー・ウッズの戦い168.女人禁制 170 飢寒乏の教育 172
民話研究 174 ことば 176 命の値段 178
固定観念 180 核兵器廃絶こそ 182 ゆめを追い続ける 184
いじめの決着 186 イソップから 188 奴隷児童 190
人権の確認 192 いじめ(1)194 いじめ(2)196
お伽噺の老人 198 他人の子 200 パーム油は 202
三タの指導者 204 三つ子の魂 206 おはよう 208
在日詩人 210 人権の都市づくり 212 アコの子らは…… 214
瀬戸内の被差別部落 216 地球人 218 ネコはネコマンマを 220
今さらながら 222 世界の同和問題(1)224 世界の同和問題(2)226
性同一性障害 218 殺すな・盗むな 230 歌人島秋人 232
人身売買(1)234 人身売買(2)236 今もまだ 238
私のカキクケコ 242
あとがき 244 略歴 246 主な参考文献 247
(帯文より)
世界の中心とは、今君がいる場所、君の生まれた所なのだ。と、山本衞さんは答える。
「人が人らしく」生きる108の知恵が輝きだす。
○『栃木県現代詩年鑑』2009 |
2009.6.25 栃木県塩谷郡塩屋町 栃木県現代詩人会・我妻洋氏発行 2000円 |
<目次>
作品
紫草(むらさき)――相場栄子 10. 孤独――板橋スミ子 11
白い日+買物へ――青柳晶子 12 約束――伊藤賢治 14
小さきもの――江連やす子 16 山脈――岡田喜代子 17
どこへ行くの――臼井早苗 18 瞳はどこに(T)+語りかける(U) 大木てるよ 20
菜の花の記憶――岡部誠 22 水についての一章――金子以左生 24
空蝉――金敷善由 26 飾り太刀――國井世津子 27
御会釈を賜りて−モラロジー皇居奉仕団――金井清 28
本来無一物――金井クミ江 30 垣間見る――椚瀬利子 31
鳥影――川野辺朗 32 波の記憶――草薙定 34
琥珀――斎藤さち子 36 約束――三本木昇 37
拓路の記憶――斎藤新一 38 その後の千年史――斎藤義央 40
冬芽(とうが)と小鳥――白沢英子 42. 泥遊び――白鳥光子 43
みずうみ+黒煙――相馬梅子 44 白梅――高澤朝子 46
残像――高田太郎 48 灯り――たのしずえ 49
さだめ+時代――瀧葉子 50 馬術競技+道――都留さちこ 52
誰も答えてくれない――塚本月江 54 からす+対話――戸井みちお 56
春風――冨澤宏子 58 風の話――中島粂雄 59
言葉の眠る寺――仲代宗生 60 玉の緒――藤庸子 61
化粧――入田一慧 62 川辺にて――野澤俊雄 64
遠のく夜の話――深津朝雄 66 山繭――星野由美子 68
おーい 春――掘江泰壽 70 再開+夕暮れ――簑和田初江 71
冬の虻――松本ミチ子 72 思惟する杜――丸山君峯 74
遮断機が上がるまで――矢口志津江 76 へそ――和氣康之 77
写真+田植えの頃――山内世紀子 78 ほんとうの自分――湯沢和民 80
遊行期――和田恒男 82 蝉の部屋――我妻洋 84
その秋の男――本郷武夫 86
グラビア――88
エッセイ
眼差・高田太郎の――金子以左生 94 執着を捨てて得る自由と至福−良寛の漢詩考――宇賀神忍 99
詩の根源−詩に挑む茨のみち――金敷善由 104. 執筆者略歴――108
資料編
二〇〇八年度栃木県詩界回顧(2008.4→2009.3)112
記録・余禄 2008―― 114. 会員の動向 114
出版詩集等 114. 受贈会報・詩書等 116
年間主要行事 116. 本会役員・組織2008 116
本会会則 116. 栃木県現代詩人(協)会新人賞受賞者・受賞詩集一覧 118
県詩人選集等の刊行について 高田太郎 119. 本会会員リスト 120
写真撮影 大野敏