きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2009.6.11 掛川・加茂花菖蒲園




2009.7.4(土)


 特に予定のない日。終日いただいた本を拝読していました。




田島啓長氏詩集『遠き地平』
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2009.7.10 東京都新宿区 土曜美術社出版販売刊
2000円+税

<目次>
裂開
.――006      求めよ.――012     掘り出す――015
俺が今日覚めたいのは
.――016          異星の夜.――021
黙示録
.――025     文明と夜の沈黙.――027 夕陽.――032
.――034       創世.――036      収束と遍在.――037
墓標
.――038      リング.――040     一刻の溢れ.――041
満たされている
.――044 黒点.――046      砂時計のある詩行.――048
獣たちの王の星
.――053 神話.――057      The Birds.――061
.――064       オリジン.――067    移りゆく瓶の花.――068
穴ぐら
.――073     沼と夕闇.――076    ベンチ.――078
エクス
.――081     物件探し.――083    夜半にて.――085
無為なる日々
.――088  春の瞑想.――090    桜.――092
小さな自然
.――094   遠き地平 T〜XU――095
あとがき
.――138




 
掘り出す

この大気の中
はびこる堆積物や不純物を取りのけて
連綿と掘り出したい、掘り出さねばならない
一本の樹を
一本の糸を
一本の弦を
一つの石を
一つの像を
一つの言葉を
そして、それ以外
辺り一面、限りない虚無となり果てて
ただ爽やかな風が吹けばいい

 1963年生まれという著者の、おそらく第1詩集ではないかと思います。ご出版おめでとうございます。
 短いものは3行、長いものは800行ほどとバラエティーに富んだ作品群です。ここでは短い部類に属する「掘り出す」を紹介してみました。〈連綿と掘り出したい、掘り出さねばならない〉最たるものは、やはり〈一つの言葉〉なのでしょうね。詩集全体にもその意思が据わっているように思いました。今後のご活躍を祈念しています。




植木信子氏詩集『フリアの庭で』
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2009.7.5 東京都新宿区 土曜美術社出版販売刊
2000円+税

<目次>
T 朝焼け
文字を書く 8      朝焼け 10      明けのこと 12
荒海 14         日に向かう 18    あぶなく立っている 20
さざめく
.返して来る.24  朝の儀礼のため 28  冬の光が 32
ひそむ 36        わずらう 40     くり返し 42
U 風のうた
白い風が吹いている 46  風のうた 48     風の呟き 50
友達 54         最初のように 58   昼の幻想から 62
宿り 66         帰り道 68      大地から 74
白のこと 78       壺 82
V 冬の花火
秋の図書館 86      営み 90       響いていった 94
カノンやさしく 98    想いが流れる 102
.  海と陸には 106
アンバル・パストに 110
後書きにかえて 114




 (帯文より)

籠の鳥がある日話し始めた。
「イイコ イイトリ キニイキタイ」*
詩人の作品はこの鳥の言葉のように、原初の発語の持つ輝かしさと歓びに満たされている。それは混沌の闇に明晰な「朝」の光を呼び起こし、産土にいのちの「風」を吹き渡らせるのだ。 (*収録作品「最初のように」より) 一色真理




詩誌『堅香子』5号
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2009.6.20 岩手県岩手郡滝沢村
吉野重雄氏方・「堅香子」の会発行 800円

<目次>

千葉 祐子 六月の心象 2  夏の朝 4
長尾  登 最期の旅 8  捕虜 8  夜半 9  老品 10
蟹澤小陽子 秘密 11
八重樫 哲 樺山3 13
松アみき子 ただ、懐かしさだけが 15  ブルースを聴いていた 16
かしわばらくみこ マロニエの花たち 17
佐藤 康二 みずうみ 20  古典 22  宿の猫 23
佐々木光子 音 24
澤田 鎮子 わたしのくに 26
渡邊 眞吾 米飯 食ってら 29
大村 孝子 雲の上では 32  鶉
(うずら)たち 34
エッセイ〈詩とその原風景〉
上斗米隆夫 自分らしく 36
金野 清人 刻まれた原風景 38
招待席
北川 れい 想 40

朝倉 宏哉 記憶の風景 42
斎藤 彰告 げんきに −孫たちへ 46
金野 清人 忘れもの 48  脳梗塞 50
藤野なほ子 思い出のアルバム 52
糠塚  玲 別れ話 54
森  三紗 虹 56
上斗米隆夫 やさしい母さん 58
永田  豊 母二題 風の中で 60  真夜中の笑い声 63
斉藤駿一郎 父・母よ・・・・ 65  りと影の中で 67
藤森 重紀 かたかご分校物語 69
吉野 重雄 木括らし 73  めぐる季節 76
詩集評
斎藤 彰吾 命の水を生む処からの報告−黒川純第二特集『砂時計主義』について− 78
吉野 重雄 愛と感謝の結晶を掌中に −金野清人詩集『青の時』を読んで− 80
寄せ書き 82
読者からのお便り 88
紙上合評会 90
伝言板(かたかご・らんど) 93
受贈詩誌の紹介 93
編集後記 94
同人名簿 95
表紙題字・岩手墨滴会 会長 阿部宏行
装丁・田村晴樹






   
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