きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2009.7.30 伊豆・旧天城トンネル




2009.8.20(木)


 4日も留守にしたので仕事がドッサリたまってしまいました。まずは印刷所に行って、制作依頼されている小説集『見捨てられた人々』を全冊受け取ってきました。私のクルマはステーションワゴンタイプなので積み込むのに問題はありませんけど、ダンボール8箱はさすがに重かったです。その足で著者宅に伺って納品。当初の予定より5日遅れになってしまいましたが、著者からは嫌な顔もされずに受け取ってもらえて、嬉しかったです。納品は仕事の最終工程。久しぶりに納品の喜びを味わいました。

 夜は『詩と思想』誌に依頼されているエッセイ原稿の執筆。与えられているテーマは「脳死は人の死か」。かなり重いテーマですけど、7月のドタバタ国会で簡単に決められた経緯を見ていると、これは書かなくちゃいけないなと思っていたところですから、それなりに書けたかなと思います。10月号に載るようですから、購読者には9月末にお手元に届くでしょう。よろしかったらご覧になってください。大きな書店では市販もされています。




比留間美代子氏詩集
『育みの地はフィナーレを』
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2009.9.15 東京都新宿区 文芸社刊 1000円+税

<目次>
T 竹杯の葉ずれの音
手を振る幼な子 8   故里は遙か 10     父の姿 12
挽歌 I 14      挽歌 U 18      生と死の境界線で 20
父よ 22        夢幻に烟る 24     彩色された西の空 26
しんしんと広がる闇の音 28           一方通行の風の音 30
人の歴史が流れて 32
U 育みの地はフィナーレを
紡ぐ 36        霧雨の中の幽玄 38   襞が深まれば 40
山辺の小道 44     育みの地はフィナーレを 48
波頭 52        野火の焔 54      さんざめきの声は遠く 56
草の語らい 58     木漏れ日が光る 60   無言の握手 64
鐘の音 66       秋の陽の中で 68    湖は澄みきる 70
V 春雷
兄弟の絆 74      巣作り 76       夕映え 78
百花繚乱 80      緑色の空気 82     空の色に魅せられて 84
茜絵巻 86       大王松 90       滴 94
春雷 96        泣き笑い 98      青菜を摘むひと
.100
なみだきらめく
.104
W 流れの叫び
早朝の山の町
.108    流れの叫び.110     ゴールドコーストの砂浜(オーストラリア)112
モンゴルとの別れ
.114  モンゴルを後に.116   樹下の想い.120
風が吹く
.122      古代ローマの霊気.124  白い流れの遠い音.126
風鈴
.128        残照.130        早朝の湖.132
トルコの町角で
.134
あとがき 138




 
育みの地はフィナーレを

緑一面の草原の小道
山辺を駆け抜ける風の音
線雲がのどかに浮かぶ空
どれもが通り過ぎていった日々
故郷に待つ
父母も今は世になく
年月は巡り過ぎていった

友よいま一度
あの萌える草原の
仄かな草いきれの中で
妖女となって野舞を舞い歌おう
友よ再び戻らない
遥かな昔の佳い日を
懐しの平井の野辺に乾杯

幾たび舞い歌い盃を交わしても
葉ずれのさやかな地に
父母はもう戻らない
過ぎた帰らない日々は
ひそかに
胸の奥に閉じ込めおこう

山里の日溜りの中
清く澄んだ空気が流れ
穏やかな気が満ちていた
かの地は育みの地としての
フィナーレを迎えた
忘れ難い日々は
篤く封印して胸に収めよう

 第7詩集になるようですが、3年前に出した同名の詩集を出版社を代えて再版したようです。ここではタイトルポエムを紹介してみました。第2連の〈平井〉とは、著者プロフィールから著者が生まれた東京都西多摩郡日の出町平井のことと受け止めました。〈過ぎた帰らない日々〉に対する抒情が豊かに表出した作品だと思いました。




眞神博氏著『姿としての言葉』
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2009.9.1 東京都大田区 ダニエル社刊 1000円+税

<目次>
姿としての言葉 8   理想 9        距離 11
感覚 13        面前 14        夢の目的 15
物語のはじまり 16   複製 17        釘 18
多様な現実と固有の現在 19           人の形 20
人間ともう一人 21   心と言葉 22      心の匂い 23
心の視線 24      失われた息吹 25    告知 27
行為者 29       語 30         言葉の水分 31
言葉という条件 32   言葉が声を出す 33   引き出される言葉 35
安息 36        空の性格 37      過ぎ越す言葉 38
一人という絶対 39   霊的市民権 40     ロゴス 41
瞬間の意味 43     後れ 44




詩誌『ネビューラ』8号
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2009.8.15 岡山市北区 壷阪輝代氏代表 非売品

<目次>
僕と猫と一人の女…中尾一郎 2
初めてのキスで別れましょう…武田章利 3    土のちから…谷口よしと 4
謎…西ア綾美 5                胡瓜封じ…三村洋子 6
越しかたの記…香西美恵子 7          けやきの並木の下で…下田チマリ 10
そよいでいるもの…田尻文子 11         いのちの鍵…武田理恵 12
未必の故意…吉形みさこ 13           おかやまのうた・路面電車…行吉正一 14
懸命…荒木忠男 16               蛍…日笠芙美子 17
(ふ)号風船再現出来るかしら…川内久栄 18    吉備野の花詞(XU)−かほばな(ひるがお)−…中川貴夫 20
柊…岩アゆきひろ 21              桜を炊く日々…今井文世 22
毒箸…壷阪輝代 23
エッセイの窓
太古の匂い…今井文世 8            俳句と詩・その類似点…岩アゆきひろ 9
装幀・尾崎博志






   
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