きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2009.7.30 伊豆・旧天城トンネル




2009.8.30(日)


 朝のうちに裏の畑の稲藁を片付けました。この夏も義母がスイカを作って、畑一面に稲藁を敷き詰めていたのです。もう収穫も終わりましたから、不要になった藁は燃やす…。地球温暖化を考えるとできるだけ燃やしたくはないんですが、処置の方法がありません。法律でも歴史的な行事などではモノを燃やすことが認められていますから、まあ、それに準じているかなと思います。

 そのあとは衆議院議員選挙に行ってきました。小選挙区は民主党の候補に投票しましたが、大丈夫なんだろうなあ、というのが偽りのない気持ちです。政権交代は必要だと思いますし、いまのところ民主党に任せるのがベターですから投票しましたけど、マニュフェストの全てに賛成しているわけではありません。特に高速道路の無料化は考えもの。たまに利用する東京湾カーフェリーの凋落は可哀想なぐらいです。一つの政策を実行したら、それで利益を得る人も出れば被害を蒙る人が出るのは世の常。双方が納得できる点を探ってきたのが戦後の日本だったと思います。それをやらないで高速道路無料化!と叫ばれても、あとのしっぺ返しが怖いです。無料にしなくていいよ、半額でもいいんだよと思うのですが…。

 衆議院議員選挙では最高裁判事の審判も行うわけですが、私は今まで投票用紙の受け取り拒否をやってきました。該当判事について可否を判断する材料がほとんどないのに、×を書かないと信認という制度が気に入らないのです。それで受け取り拒否して、有権者としての意思表示をしてきたつもりです。
 そのたびに立会人がギョッとした顔をしていましたので、今回は方法を少し変えました。「辞退します」と言って投票用紙を受け取りませんでした。相変わらずギョッとした顔でしたけど、以前よりはにこやかだったかな。結果的には同じことなんですが、拒否よりは辞退の方がいいかなと…。まあ、法律に問題があると思えばそれなりに動くべきという意見もあるでしょうが、そんなことをやっていては短い人生がより短くなってしまいます。私は私のやり方で、これからも意思表示していこうと思っています。




館林明子氏詩写真集『うみ ふーらり』
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2009.8.1 東京都中央区 OFFICE KON刊 1200円(税込)

<目次>
何処 8        あこがれ 10      ケムリ 12
シュリンプのかくれんぼ 14           行進 16
ダイブ 18       地球のかたち 20    砂を造る 22
カミソリ 24      婆さま 26       夢の 28
捕食 30        聞こえる 32      流れのままに 34
クレナイ 36      ハタ 38        ウミテング 40
フウラリ 42      アザハタ 44      西の浜 46
白保 48        根 50         挨拶 52
メモリアル 54
エッセイ 58      著者略歴 62




 
 ――屋久島にて

ウェイトオーバーで潜る
海底に沈んだゼロ戦の
片翼と機関部だけが残る機体に
ハナゴイやスカシテンジク群がる場所
ゼロ戦ポイント

撃ち落とされ
キリキリ沈んで行ったであろう特攻の
兵士は引き上げられたのか
砂と化したか
六十年のときを経て 立ち上がる
数万匹のスカシテンジク乱舞する残骸に
過酷な戦闘の陰はなく
ただ ひかりを受けてかがやく根のように
そこに ある

ダイビング ダイビング ビバ
敗戦の上に築かれた平和な朝だ
喜びも苦しみも 沈められたまま
ただそこにあったかと
そうであったのかとカメラを向ける

 12年ぶりの第7詩集です。ダイビングもやるという著者自身の写真と詩が組み合わされています。しかし、浮かれて写真を撮って詩を添えて、という本ではありません。紹介した作品のように〈敗戦の上に築かれた平和〉を噛み締めながらのダイビングです。この詩にはスカシテンジクダイの写真が添えられていました。美しい海中写真に魅せられながらも、著者の平和への希求が伝わってくる詩集だと思いました。




詩誌『COAL SACK』64号
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2009.8.31 東京都板橋区 コールサック社刊 1000円(税込)

<目次>
〈扉詩〉滅紫
(けしむらさき) 大掛史子 1
〈詩〉
甘野老
(あまどころ)考/五加木(うこぎ)考 山本十四尾 5 軍人墓地 −マッコリを呑む− 御庄博実 6
さよならロシナンテ 崔 龍源 8         使徒ペテロ 徳沢愛子 10
五百円 朝倉宏哉 12
.              花々の変身 上田由美子 14
マイペース 山本倫子 15
.            夏の後足 宇宿一成 16
Yからの返信 山本聖子 17
.           闇の現(うつつ) くにさだきみ 18
オフィス 佐相憲一 20
.             静謐な居場所 〜みっちゃん家〜 こまつかん 22
新しい家族 下村和子 23
.            ちいさな怒る手 山本泰生 24
陰画の夏 淺山泰美 26
.             認知症 その5 皆木信昭 27
愛の引力 石村柳三 28
.             広島平和記念資料館にて 水崎野里子 30
声の無い会話 杉本知政 31
.           灰皿の混沌(カオス) 結城 文 32
水引草が/色濃い影を 鳥巣郁美 33
.       像 山佐木進 34
金 銀/夾竹桃 村永美和子 35
.         天沼に咲いている 永井孝史 36
紫陽花 青柳俊哉 37
.              今夜は月が泣いている/箱根駅伝初優勝讃歌 郡山 直 38
川の子 平原比呂子 40
.                   生 金(キム) 水善(スソン) 41
ビルケナウのタンポポ 楊原泰子 42
.       山の音 酒井 力 44
体温 石川早苗 46
.               晩夏/少年の夏 宇都宮英子 47
夏休み 森田海径子 48
.             鍵 豊福みどり 49
雀の話/真夏の雉 横田英子 50
.         ジョン 吉田博子 52
悲しみの目で見つめないで/ボロボロに老いた体 貝塚津音魚 53
米研ぎ 石川早苗氏から恵投された詩集『蔵人の妻』への返礼コーラスとして 森 常治 54
八月の精霊 黛元男氏より悪投された詩集『地鳴り』への返礼コーラスとして 森 常治 55
夾竹桃とフライパン 李 美子 56
.        秋/島 林 木林 58
被爆手水鉢の面影 鈴木比佐雄 60
.        唐変木 尾内達也 61
旅の道づれ パウル・ツェラン/尾内達也訳 62  『戦争のない世界』 シュレヤ パンディ/結城 文訳 63
草 鳴海英吉/水崎野里子訳 66
.         最後の晩餐 デイヴィッド・クリーガー/水崎野里子訳 68
愛のための時間 テレシンカ・ペレイラ/水崎野里子訳 69
アジア詩行 高 炯烈/李 美子訳 70
〈特集1 四詩人・小特集〉
小詩集『帯の川』六篇 末津きみ 73
.       小詩集『ナノカ。』七篇 亜久津歩 80
小詩集『水に咲く火の花』九篇 堀内利美 85
.   小詩集『カイロウドウケツ』八篇  吉村伊紅美(いくみ) 101
〈エッセイ・詩論〉
平和への祈りの輪 ひろしま2009を終えて 港 敦子 108
宮島の記 八丈太鼓まごめ会 水野五十子 116
銀月アパートの桜 淺山泰美 121
観音さま日和 淺山泰美 123
語り継ぐ平和への思い 早乙女勝元さんの講演会から 安永圭子 125
詩人論 詩人佐藤文夫の反骨精神のやさしさ−佐藤文夫『詩集 津田沼』を繙いて 石村柳三 127
『雪とパイナップル』を読む 中津俊子 139
盲目の日に 霧雨の朝 うおずみ千尋 143
詩と文の絶妙な二重奏 −新川和江著『詩が生まれるとき』 大掛史子 145
宮沢賢治と同人雑誌(第一回) −「アザリア」「反情」「女性岩手」− 森 三紗 148
〈書評〉
「地鳴り」の底から聞こえてくるもの 黛元男詩集『地鳴り』のことなど 長津功三良 154
黛元男詩集『地鳴り』 −生まれた場所の地熱のような− ホンモノのことば・ホンモノの詩 くにさだきみ 157
表現へと駆り立てるもの −上田由美子詩集『八月の夕凪』を読んで− 江口 節 160
「ただ風景を眺めているだけの人」に警鐘を鳴らす 上田由美子詩集『八月の夕凪』 野仲美弥子 163
宇都宮英子詩集『母の手』の抒情 酒井 力 167
「母」という至高の愛 小島きみ子 171
山峡の村に残響となり翔ぶ追慕の詩魂 −長津功三良詩集『飛ぶ』に寄せて− 高山利三郎 173
長津功三良詩集『飛ぶ』 身体をはった平和学習を肴に、一献 原田道子 176
『蔵人の妻』を書かれた石川早苗さんへ 上田由美子 179
石川早苗詩集『蔵人の妻』 −作者と共読鑑賞したつもり 川原よしひさ 182
山本衞エッセイ集『人が人らしく』 地球人としての思想 伊藤芳博 184
四万十川の清流の如くに 山本衞氏「人が人らしく−人権一〇八話」を読む 星 清彦 186
吉田博子詩集『いのち』を読む 田村のり子 189
長靴の天使たち 吉田博子詩集『いのち』 都月次郎 192
貝塚津音魚詩集『魂の緒』 魂をふるわせる二つの故郷が詩と響き合う 五島節子 194
魂といのちへの讃歌 −貝塚津音魚詩集『魂の緒』を味わう− 岡山晴彦 197
書評 中津攸子著『戦跡巡礼』 郡山 直 200
中津攸子著『戦跡巡礼』を読んで 安宅夏夫 202
〈特集2 『大空襲三一〇人詩集』出版記念会全記録〉 206
『鎮魂詩
(レクイエム)四〇〇人集』刊行趣意書 死者を悼む鎮魂詩の歴史を後世に伝えるために 248
執筆者住所一覧 251
後記 253




詩誌『ひょうたん』38号
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2009.6.5 東京都板橋区
相沢氏方・ひょうたん倶楽部発行 400円

<目次>
小原宏延   旅する幻……2
水嶋きょうこ 夕暮れのニュータウン……4
水野るりこ  なぜ……8
中口秀樹   巣ではない……10
長田典子   ルピナス……13
柏木義高   としくん……14
森ミキエ   ハトの庭……16
村野美優   春のスタンド……21 つくしのポーーズ……22
阿蘇豊    スイートスポット……24
岡島弘子   地球一滴……26
大園由美子  びっくり箱……28
小林弘明   オクラホマ劇場……30
絹川早苗   さようなら ブルーレイン……32
相沢育男   よみがえる……37
田中美千代  おもしろうて やがて悲しき……。――柏木義高詩集『日常の匙』評……38
水嶋きょうこ 羽根の軌跡 ――長田典子詩集『翅音』を読む……40
柏木義高   こもれび日記(31) 映画「おくりびと」を観る 併せて『納棺夫日記』再読……42
装画−相沢律子






   
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