きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
090818.JPG
2009.8.18 佐渡・沢崎鼻にて




2009.9.18(金)


 日本ペンクラブ「国際ペン東京大会2010」の第2回の詩部会会合を持ちました。第1回は30人ほどにお集まりいただき感激しましたが、今回は2回目ですから半分ぐらいに減るだろうと思っていました。しかし、やはり30人ほどがおいでくださり、驚いています。しかも半数はリピーター、半数は初めての人ですから、構成としても申し分ありません。関心の高さが伺われます。

 今日は念願の版型を決めました。A4縦型です。日本語の作品は、縦書きにするか横書きにするかは本人の判断。縦書き2段組にすると、タイトルを含めて30字×32行×2段がおおよその目安です。1段ですと65字×32行程度となります。この範囲で3段にするか4段にするかも本人の自由です。横書きの場合は50字×40行が目安で、この範囲であれば2段にしても構いません。いずれも、電子データと同時にプリントアウト、またはPDFを提出してもらい、ご本人の意図を確認させていただきます。英文訳または仏文訳は横書きですが、日本語の作品に合わせてください。

 作者紹介欄は作品の左上に載せ、5行で130字以内。名前は必須ですが、生年月日・代表詩集・出身・所属詩誌・受賞歴などは、制限字数内であれば自由です。極端な場合、名前だけでも構わないわけです。これも上述のプリントアウト、またはPDFに含めてもらって作者の意図を確認します。

 海外詩人作品の日本語訳は横書きで統一します。掲載は海外詩人を含めてアルファベット順。アルファベット表記で名を先にするか後にするかも本人判断です。たとえば
 Seiji Murayama ならSに、Murayama Seiji ならMになります。大文字・小文字表記も本人の自由です。
 なお、表紙は「国際ペン東京大会2010」のポスターに合わせることになりました。

 P会員以外の参加も認めることになりました。具体的にはEやNで入会していても、詩集を出している会員なら参加できます。入会に際してはP・E・Nのいずれであるかを決めてもらうのですが、主がエッセイストだからEで入会したけど、実は詩集もたくさん出しているという人は意外に多いのです。その方々にもご参加いただいた方が良いという議論の結論です。

 正式には近く事務局から出稿依頼が届きますので、それをご参照に多くの会員に参加していただければと思っています。個別の参加費用はありません。「国際ペン東京大会2010」の運営費の中で賄われます。お待ちしています!




総合文芸誌『うらそえ文藝』14号
urasoe bungei 14.JPG
2009.5.1 沖縄県浦添市
浦添市文化協会事務局・當間タケ子氏発行 1200円

<目次> 題字 豊平峰雲  表紙絵 金城規克
グラビア 浦添の石切場跡…下地安広 1
巻頭エッセイ 薩摩芋…又吉栄喜 5
特別企画 薩摩侵攻400年
大和芸能の受容〜「組踊」を中心に…大城 學 8
薩摩入り後の大和“芸能”の受容…波照間永吉 15
座談会 琉球文化の交流と成熟 薩摩侵攻から琉球処分へ 田名真之・豊見山和行・小野まさ子・星 雅彦 20
短歌とエッセイ
孫ら・パネルに惹かれて…内間芳子 58
.      沖縄そば・牧港川…運天政徳 60
表彰式典・人の情は松の葉に包む…嘉昧日和子 62
. 妻・ポーカーゲーム…久手堅稔 64
青嵐・安和岳散策…木場由美子 66
.        記憶を点す・涙の雨…崎村貞子 68
片割れの月・職業病…仲里博恵 70
.        朱く・還暦すぎて…仲西正子 72
末吉の森・県営軽便鉄道…真栄城有鳥 74
.     紫陽花の玉・あじさい忌…松瀬トヨ子 76
朱の樹冠・親子リレー…与那覇久美子 78
.     ジュゴンの海…中下登喜子 80
燕千鳥…隈元芙美子 81
俳句とエッセイ
惜別・只一筋に…新垣紫香 82
.          迢空忌・津堅島めぐり…いなみ悦 84
蝉時雨・追憶…大湾美智子 86
.          初東雲・無題…久田幽明 88
雁渡る・琵琶湖・奈良の旅…桃原美佐子 90
.    豊の秋・みちのく岩手への旅…當間タケ子 92
四温光・首里探訪…野原すが子 94
.        政瑰・六月の薔薇を訪ねて…宮城泰子 96
虫籠窓・きっかけ…与儀啓子 98
.         水・水 雑感…与那嶺和子 100
朝凪…上間芳子 103               捏察の花…高良亀友 103
琉歌とエッセイ
丑年の世果報・石蕗の花…玉城優子 104      ノーガ・ちゅくとぅばあれこれ…西原幸子 106
親国ぬくとぅば・「ゆぅーどうり」の由来記…玉城 弘 108
展望…野村朝常 111
随筆
還暦の一年…垣花譲二 112            みいつけた…神里英和子 115
浦添伝説と歴史散歩=…貴島シズ子 118      城島高原と由布院 董…真栄城有鳥 120
楽しかった史跡めぐり…与那嶺智哉 122      夢見る…海老坂武 124
ある男の半生…吉場申一 127           その時はその時…普久原八重子 130
紀行文…山城興勝 132
沖縄・詩のアンソロジー(詩とエッセイ)
狭間にて・いつも狭間に生きる…島木綿子 138   指紋・韻律について…中里友豪 142
ガザに盲いて・エジプトから始まる…水口義朗 144 ことばの付け・詩に関するエスキス…与那覇幹夫 146
浸食・世界に向かって放たれた矢…網谷厚子 149  時の家・初詣…桐野 繁 152
びんぬとぅるぬすでいりば・無題…後田多敦 155  樹の宿題・詩を書くということ…石川為丸 157
言葉の解放・韻律について…上原紀善 160     ぬーそーが・なんくるないさ!…宮城隆尋 163
ウィズゼロ・ユンタク断片略集から…松原敏夫 166 呼んでいる・「通過」してダリの時計になるまで…市原千住子 170
お釈迦様の寝言・古美術 宝永堂…湧稲国安弘 174 時は春・ナショナル・トラスト…うえじょう晶 176
乳母車・詩集の贈りもの…中村田恵子 181     私を泣かせてください・無題…河合民子 183
いっそ、切り落とせたら、と。始末記…仲村渠芳江
.187 蘇生する声…新城兵一 190
揺れる神々…伊良波盛男 193           波乗りの時代・死ぬモノローグ…星 雅彦 198
論文
池上永一作『テンペスト』をめぐるテンペスト…大城宣武 201
川満信一の「民衆」概念について…浜川 仁 208
戦後社会の点検を−佐野眞一「沖縄だれにも書かれたくなかった戦後史」を読んで…宮里昭也 220
佐野眞一「沖縄〜戦後史」から…福地曠昭 223
おでこをくっつけることで見えてくるもの 〜「自分を信じる力」を育てる〜…新垣 俊 226
オセアニア戦跡の旅U パプア・ニューギニア…久高友明 232
特集 集団自決
集団自決の断層…星 雅彦 237
人間の尊厳を取り戻す時−誰も語れない“集団自殺”の真実−…上原正稔 243
特集対談 上原正稔との一間一答−集団自決をめぐって−…上原正稔・星 雅彦 252
追悼 桜井滋人
年譜と写真アルバム…271             桜井滋人のこと…桜井道子 273
金子光晴と桜井滋人…竹川弘太郎 276       好漢 桜井滋人…金子秀夫 282
金子光晴の周辺…天彦五男 285          出会いと別れ…星 雅彦 288
短編小説
かかりつけのスターバックス…渡久地未樹子 292  これからの町へ…垣花咲子 294
真理までの道のり…儀保佑輔 306
平成二十年度 浦添市文化協会・文化祭高校生俳句入賞作品
天賞 銘苅 謙勇(浦添高校二年)
地賞 入米蔵小夜(浦添高校二年)        地賞 当銘 愛季(浦添高校二年)
人賞 桑江 彩香(浦添高校二年)        人賞 宮城 里保(浦添高校一年)
会員名簿…321 編集後記(大城&吹E浜川仁・星雅彦)…323 表紙絵のことば(目次裏)…金城規克




 
狭間にて/島 木綿子

とても秩序正しい形状の風紋・水紋に似ているそれには
十二紋とか表す文字があるのだろうけれど知らない

陽光・月かげが水面に編む光の網目の下にそっと浅く
沈めればそこから浮かび漂う髑髏の内側の紋様

生かされてどう生きたか 記憶や思惟思考がきざまれて
層をなしている生命の証しの紋様を読み解く技はすでに
いつかどこかで研究され発表されているかも知れない

JR赤羽駅構内のレストラン「タパタパ」の中二階
入口がよく見える席で待っている間に毛髪全てを失った
頭をテーブルに肘ついた手のひらで支え空想を楽しむ

と 入口のドアを開け五月生まれの友だちが手をふった
かつらって高価で買えないし 帽子をあげて見せて笑う
「幽霊の髪ほしく候どくろ夏」
(1)だわ もうすぐ

数か月ぶりにバークレーから帰国したメイは明日北海道
ナナオがあっちへ旅たったのでお別れの会だという
それから鹿児島の母親の所へ行ってもどってくるそうだ

ナナオ・サカキは出発したんだ 私も最近パスポートを
手に入れたと言うとメイは 私も手に入れたわよと
そのパスポートを直ぐに使う予定は私たちには無いのだ

顔写真がはってある何年か有効の物は夢のパスポート
現実のパスポートには写真も形も無いが失いようも無い
いずれ乗物も速度もえらびながらゆっくり旅の仕度する

メイとふたりしばし髑髏談義する席の隣の席には
百日ほど前に同じように待っておむかえした二人の人物
と 昼食をとった時間がそっくりそのまま在るのだった

会えた時間 聞けた声 見えた笑顔はいつも身近にあり
メールしない手紙も書かない 勘と念にたよって生きて
「悔むこと多しどくろの風を咬む」
(2)だったりするかも

きっと時間がどれもこれも秩序の中に均らして形よく
つじつま合せてすべて良しとしてくれるにちがいない
「木の根っこどくろをほどくまた死ぬか」
(3)なんて ネ

 註(1)(2)(3)=詩誌「青焔」同人・中野朱玖子著「髑髏百句」より引用

 上述の詩部会で拝受しました。拙HPでは初めての紹介になります。320頁を超える大冊で、特に「特集 集団自決」を興味深く読ませていただきました。裁判にまでなった“軍の命令”があったか否かは簡単に言えないことがよく分かりました。
 紹介した詩は作者の〈狭間〉についての感覚が表出しているようです。
中野朱玖子氏の句が緊張感をもたらしていると感じました。なお、第1連の〈十二〉には傍点が振られていますが、きれいに表現できないので割愛してあります。ご了承ください。




詩とエッセイ『青焔』66号
seien 66.JPG
2008.1.15 東京都北区
青焔の会・島木綿子氏発行 600円

<目次>
扉…詩 
John Solt/構成 高橋昭八郎 1
VOUとその周辺〜連載・29 清水俊彦往く 初夏の緑の奥に…白石かずこ 2
『意味のタペストリーを細断
(シュレッド)する・北園克衛の詩と詩学』第3章…ジョン・ソルト 訳・田口哲也・ヤリタミサコ・小川正浩 19

ケネス・レックスロス生誕百年を祝し…白石かずこ 20
誘拐
(かどわかし)…中野朱玖子 26.         真昼の湿地帯で…竹井邦夫 27
散りゆく秋…照井良平 30            伝言…山口眞理子 32
まけ…佐藤幸雄 34               蛍・来るべきもののかすかな予兆…稲葉真弓 36
無題…yoshi 39              ディープ・サマー(3)−コザ*という街があった−1965・沖縄…佐々木薫 40
佐々木桔梗さんのこと…鳥居房子 45       夕暮れに立つ…日野 零 46
ヤリタミサコんのヴィジュアル詩について…ヤリタ ミサコ 48
白雨…堤 恭一 50               或る風…寒川靖子 54
エルダベリー・フルートの歌15…経田佑介 56   精神における品格と伝統と想像力について…Vau・Pou 60
編集室だより…島木綿子 61
待ちわびて…島木蹄子 62            表紙 武藤美智子




詩とエッセイ『青焔』67号
seien 67.JPG
2008.8.20 東京都北区
青焔の会・島木綿子氏発行 600円

<目次>
扉…詩/構成 高橋昭八郎 1
VOUとその周辺〜連載・30「詩の風景・詩人の肖像」に現れた十五人の詩人たち…白石かずこ 2
遠い道からの祈り36…竹井邦夫 5        〔    〕…佐藤幸雄 10
ピカソの唄…照井良平 12            散歩道で…日野 零 14
月・ナナカマド…堤 恭一 16          北園克衛雑記帳(6)−8ミリ映画について−…小川正浩 20
どっかのあちら側 1…経田佑介 23       存在と無と詩 宇宙を座標軸として…竹井邦夫 26
R=残酷な食卓…稲葉真弓 28          健全…中野朱玖子 32
人形の海・影踏み…寒川靖子 34         無題…Yoshi 38
鶴岡さんの美…山口眞理子 39          「ただいま」の装置1・「ただいま」の装置2…ヤリタミサコ 44
ディープ・サマー(4)コザという街があった−1965・沖縄…佐々木薫 50
ヒヌカンと私の神様の居場所…金原教子 56    ブレーク・タイム…島木蹄子 59
編集室だより…経田佑介・山口眞理子 60     表紙 武藤美智子




DVD『儚 十九夜物語
hakana.JPG
2008 California, highmoonoon発売 4000円

<演目> 唄と三味線 西松布咏
解説 おもしろの『儚』 田中優子
1.小唄   初雪     作詞・曲−初代清元菊寿太夫  映像−米沢隆一+鈴城雅文+田村洋
2.小唄   嘘のかたまり 作詞・曲−不詳  映像−小野原度数子+田村洋
3.小唄   吉三節分   作詞−田島断+岡野知十  作曲−吉田草紙庵  映像−ながたはるみ+田村洋
4.新内小唄 櫓のお七   作詞−金子千草  作曲−富士松亀三郎  映像−ジョン・ソルト+レイ・ウルフ
5.新内小唄 籠つるベ   作詞−横山花生  作曲−富士松亀三郎  映像−河村悟+香月人美+佐藤憲一
6.端唄   玉川     作詞・曲−不詳  映像−藤富保男+田村洋
7.小唄   この先に   作詞・曲−永井ひろ  映像−和泉昇
8.小唄   晴れて雲間  作詞・曲−不詳  映像−ヤリタミサコ+田村洋
9.小唄   浦漕ぐ舟   作詞−岡野知十  作曲−吉田草紙庵  映像−田口哲也
10.小唄   一声は    作詞・曲−不詳  映像−HOLON
11.新内小唄 蘭蝶     作詞−室町京之介  作曲−富士松亀三郎  映像−ジェシー・グラス+田村洋
12.新内小唄 仇名草    作詞−横山花生  作曲−富士松亀三郎  映像−ウィリアム・ジョンストン
13.小唄   待ちわびて  作詞−河竹黙阿弥  作曲−六世富本豊前  映像−島木綿子+鈴城雅文+田村洋
14.端唄   伽羅の香り  作詞・曲−不詳  映像−高橋昭八郎+田村洋
15.歌沢   身はひとつ  作詞・曲−不詳  映像−中村恵一+田村洋
16.歌沢   お月さん   作詞−半井桃水  作曲−四世歌沢芝金  映像−金津一志
17.新内小唄 にごりえ   作詞−山浦慎吉  作曲−富士松亀三郎  映像−ティラー・ミニョン+デビッド・ケネディ+モニカ・ケーコフ(ダンス)
18.端唄   海晏寺    作詞・曲−不詳  映像−四釜裕子+江野耕治
19.小唄   さび鮎    作詞−薗千桂  作曲−吉田草紙庵  映像−鈴城雅文+田村洋
【ボーナス・トラック】
大野慶人とのコラボレーション  唄と三味線 西松布咏  舞踏 大野慶人
黒い肖像  詩−北園克衛  作曲−西松布咏  英訳−ジョン・ソルト (C)橋本明夫
BLUE  詩−北園克衛  作曲−西松布咏  英訳−ジョン・ソルト (C)橋本明夫






   
前の頁  次の頁

   back(9月の部屋へ戻る)

   
home