きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2009.9.4 筑波山・ガマ石




2009.10.5(月)


  その1

 ようやくHPの日付が現実の日と重なってきました。1年ぶりぐらいですかね。まあ、今日の日記を今日書いても、アップできるのは1日2日あとになるでしょうが、その日のうちにその日のことを書けるというのは精神衛生上まことに結構なことです。もっとも、初紹介以外は作品に触れないという、まことに姑息な手段で忸怩たるものがありますが…。もう少し軌道に乗ったら1誌1編紹介という従来のスタイルに戻したいなと思っています。

 で、記念すべき10月5日は、午後から小田原の喫茶店「銀の椅子」で西さがみ文芸愛好会の<文芸を楽しむ会 −朗読とピアノ演奏−>を行いました。毎年、市民会館の会議室で50人ほどを集めてやっている会ですが、今年は趣向を変えて喫茶店で、となったものです。主催者側の私が言うのもヘンですけど、なかなか雰囲気のある会になったなと思っています。

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 こんな感じで詩とエッセイの朗読、合間にピアノ演奏。ピアノは私の姪に薄謝で頼みました(^^; 30分ほどのティータイムもあって、これは好評でしたね。7人の朗読を1時間ほどじっと聞いていましたから、コーヒーや紅茶などとケーキのセットが出てきて、皆さんもホッとしたことでしょう。

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 こちらがティータイムの様子です。予定していた30名を軽く超える皆さんにおいでいただきました。ティータイムのあとは第二部として、櫻井千恵さんの朗読・松本清張作「箱根心中」を30分ほど聞かせてもらいました。原作を読んでいる人には結末が分かって面白くないでしょうが、意外な結末におぉーという声も出ていました。

 まあ、そんな感じでしたけど、またこの喫茶店でやりたいねという人も何人かいましたので、しばらく続くかもしれません。ただ、50人が限度でしょう。35〜40人ぐらいが適切な人数だと思います。それも加味してどうなるか…。いずれにしろ第1回は大成功。おいでいただいた皆さま、ありがとうございました!




松田達男氏詩集Home 私の好きな家』
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2009.10.6 山形県山形市 一粒社刊 1000円(税込)

<目次>
らせん…6       階段…8        グッド・モーニング…10
光と影…12       ラーメン…14      仁王立ち…16
さびしい食卓…18    教会…20        とまどい…22
角…24         近況…26        継承…28
○○の館…30      歌枕…32        紳士協定…34
ひんやり…36      テトラポッド…40    映画館…42
遊廓…44        絵の中へ…46      雑貨屋の嘆き…48
眠る家…50       セピアカラー…52    すっきり…54
モボ・モガ…56     写真館…58       消していく…60
ドラマたち…62     鋼…64         すずらん商店街…66
丸太の夢…68      硝子と鏡…72      雪マント…74
証言者…76       駅舎…78        山寺…80
僕の小父さん…82
建物名称及び所在…85  あとがき…86




 
ラーメン

飲み歩かなくなったのはいつからだろう
若い頃は……と言えるほど
飲み回った訳ではないが
馴染みのつもりだった店はあらかた潰れている
高卒の未成年が社会人のレッテルを盾に
親父臭い徳利を立てデビューした頃
巷で流れていた「小さなスナック」
好奇心は早速
歌詞の中の白い扉を押していた
バーから鞍替えした雰囲気の中
初めては「角瓶」のシングル
粋がってハイボール
しかし
サラリーマンに成り立ての安月給には
「サントリーレッド」が分相応だった
飲み終わって帰るのは友人の下宿先
一人暮らしが羨ましく
土曜日の夜はほとんど入り浸り
――飲み終わった後のラーメンは旨いねぇ
若い食欲は財布を空にするまで使った
飲み屋街に開かれた夜間営業の店
界隈をあんなに飲み回ったのに
何故かいつも素通りしていた
他の店の暖簾をかき分けていた
家へと帰る朝
二日酔いの頭をふらつかせながら
また立ち寄らなかった と
何度 後悔を吐き出しただろう
戦前から続く小粋な店構えは
どこか大人の居場所を漂わせ
大人になれきれぬ若者をたしなめ
暗黙のうちに自らを遠ざけていた
――そのうちに
幼い頃から変わらない店構えに甘え
遠のいていく 足と記憶
どちらが先に と
不遜な考えを巡らせながら
寝起きの悪い歓楽街を抜ける

 山形市在住の建築士という著者の、市内37ヵ所の建築物写真と詩を組み合わせた詩集です。私も新庄の出張帰りに一度だけ、山形市に1泊して市内見物をしたことがあり、その時に記憶していた建物が何軒か載っていました。懐かしい思いに捉われました。
 紹介した詩には、昭和の初期にでも建てられたのではないかと思える、古いラーメン屋さんの写真が添えられています。作品の内容から、著者は私と同年代と感じました。「小さなスナック」や「サントリーレッド」を思い出しながら拝読しました。




詩誌『回游』35集
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2009.10.1 神奈川県相模原市
南川氏方・回游詩人会発行 非売品

<目次>
◆詩作品
幸せ物語           鈴木 珠子 2   消えたスイカ        中村 節子 4
足              伊藤 冬留 6   いまどき          富田 庸子 8
草取り            市川 つた 10   アホウドリが鳴く島     牧  豊子 12
お婆さんはうたう       吉原 君枝 14   北の海に発つ日       臼田登尾留 16
四季             松本秀三郎 18   白想            折山 正武 20
他人             横山 宏子 22   祈願地蔵          江田 重信 24
証言             大館 光子 26   お父さんは偉い       柳原 省三 28
叔母の行方(他)       南川 隆雄 30   四季(十九)・(二十)     多田 f三 34
夏の夕暮れ 海のこと     植木 信子 38
◆臼田登尾留さんの長逝を悼む 南川 隆雄 41
◆私に詩が芽生えたころ
 詩は私の最初の友だち    植木 信子 42
◆詩集を読む
坂多瑩子詩集『お母さんご飯が』横山 宏子 43   植木信子詩集『フリアの庭で』中島  登 44
◆受贈詩誌・詩集             45
◆あとがき                46
          ◆表紙絵 露木 惠子




個人詩誌『胚』28号
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2009.10.10 神奈川県相模原市
南川隆雄氏発行 非売品

<目次>
●連載 戦後現代詩の伏流『新詩人』−初期の足跡−(8) 8.補遺 2−13
●詩  祭 14−16
    夜更けの窓 16−18
●ずいひつ スープのすくい方 19
●あとがき(用語の言い換え) 20






   
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