きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
2009.9.4 筑波山・ガマ石 |
2009.10.5(月)
その2
○詩とエッセイ『想像』126号 |
2009.10.1 神奈川県鎌倉市 羽生氏方・想像発行所 100円 |
<目次>
ごくらくとんぼ…………………………………………… l
わたしの村の小さな小さな夜伽噺…=おくむらすみこ 2
幌尻岳単独日帰行−旅日記抄(9)−…………井上通泰 4
野山の植物・写真はがき(7)…………撮影 菅 泰正 6
本・『ノモンハン戦争」田中克彦著を読む…羽生康二 7
詩・カボスほか5編……………………………羽生槙子 9
花・野菜日記09年8月…………………………………… 13
羊が一匹
羊が二匹……/羽生槙子
年をとって
夜中に ぱっちり目ざめている時があります
では 娘たちが子どもだった時のように
眠りのためのおまじない
羊が一匹 羊が二匹……
……ねこが八十匹 アレッ?
そう 娘が遺跡の発掘調査現場で
ダンボールに入れて捨てられていた子ねこを
拾って来て
それが今うちにいるものですから つい
眠くなったのでしょう
羊が八十一匹 羊が八十二匹……
……四人で300g……
エッ? 何のこと?
それは ゆうべ娘たちと家族四人で食べた晩ごはんの
とり肉の重量でした
なんておかしいんでしょ
わたしは 眠りの夢の中へまっしぐらです
〈羊〉が〈ねこ〉に、そして〈とり肉の重量〉に変わっていくところがおもしろい作品です。おだやかな家族の生活を垣間見せてくれた詩だと思いました。
○詩誌『二行詩』29号 |
2009.9.29
埼玉県所沢市 非売品 伊藤雄一郎氏連絡先・二行詩の会発行 |
<目次>
武州風景/大瀬孝和 たぶん夏/高木秋尾
都会・夏 他/布谷 裕 湖をめぐる伝説(U)/伊藤雄一郎
窓の向こう/渡辺 洋 蜩/岡田美恵子
残暑/濱條智里 「秋」/小沢千恵
ハングル・イン・ザ・ネックレス/全 美恵
木陰集/青柳 悠・安部慶悦・永野健二
先人の二行詩を訪ねて 第十二回 山村暮鳥/伊藤雄一郎
あとがき
窓の向こう/渡辺 洋
三十年前
夜 北側の窓を開けると暗い湖
対岸にはゆるく弧を描く光の帯
二十年前
移築された古民家 手入れされた庭
季節を違えずに 董 向日葵 秋桜 石蕗
十五年前
古民家の向こう 二世帯住宅からピアノの音
いつも同じ所でつかえるバイエル七十五番
十年前
二世帯住宅にかぶさるように建つマンション
窓の中 僅かに残る空を雲が流れ鳥が飛ぶ
現在
開けることの少なくなった北側の窓
外を 今日も静かに流れてゆくものの気配
〈窓の向こう〉の〈三十年〉間がコンパクトにまとめられた作品だと思います。〈開けることの少なくなった北側の窓〉というフレーズに、私たちが得たものと失ったものを考えさせられました。
○詩誌『韻』17号 |
2009.10.1
北海道岩見沢市 グループ韻・菅原みえ子氏発行 非売品 |
<目次>
ふじさわあい 蛭…1 荒城の月…2 巨象…3
齋藤 たえ 口内炎…4 冷蔵庫…5 藤…7
菅原みえ子 雨男は誰…9 杳…11 レイト…15
会員名簿
あとがき ●表紙題字 平田愛子
荒城の月/ふじさわ
あい
お経よりも歌を唄ってほしい
そう約束したからと
八十五歳のいとこは
<荒城の月>.を
うたう
少女が唄っている
のかも と
まるめた背をみつめる
荒城の月は
香のケムリを巻いて
九十一年の人生を閉じた
ひとの 静寂に
語りかける
いっしゅん
ウスバカゲロウの 飛翔
〈お経よりも歌を唄ってほしい〉と言う〈九十一年の人生を閉じた/ひと〉の、これまでの人生を考えさせられた詩です。〈荒城の月〉のような人生だったのでしょうね。