きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
2009.9.4 筑波山・ガマ石 |
2009.10.24(土)
今日は、来月開催される朗読会の紹介をさせていただきます。私は朗読をしませんが、一聴衆として参加予定です。よろしかったらおいでください。
第9回 自作詩を朗読する会
日時 2009年11月17日(火)PM3:00〜4:00
場所 御茶ノ水クリスチャンセンター B1 アイリーンホール
千代田区神田駿河台2-1 OCCビル 電話
03-3296-1001
入場無料
第一部
須藤あきこ 「赤い海」
堀川きみこ 「お母さん」「叫び」「包丁」
山下 邦雄 「牛に見倣え」
佐藤 一枝 「み翼の下に」
駒田 隆 「道を説く人」
遠藤 幸治 「映画パッションを観て」「聞こえてならなかった」
浅見 鶴蔵 「叫び」「夏の思い出」「みどり」
西山 純子 「あなたとわたし」「Vあなたとわたし」
第二部《海外受賞作品朗読》
水崎野里子 Ode to the sunflower
ひまわりへのオード
Alone at My palace
たった一人の御殿――私は千姫
I am komachi 私は小町
○西村則昭氏詩集『人形液』 |
2009.10.10 東京都新宿区 土曜美術社出版販売刊 2000円+税 |
<目次>
T
チューリップと金魚 8 ひとりになれる場所 10
人形液 14 とりかぶと 18
夜叉ヶ池 22 人形作家 26
地蔵盆 30 輸入食料品店 34
ドナドナ 38 あんぼいな 40
鳥類 44 妹は砂にうめられて 48
傘のように 52 手まり唄 姉(あね) 三(さん) 六角(ろっかく) 蛸(たこ) 錦(にしき) 56
U
お雛さまはなでしこ貝にのって 62 春来る手 66
箱のなかに戻ってくる 70 六道の辻 74
施餓鬼 78 くま鈴 82
バースディプレゼントは黒豹の店で 86 閑雅なカフェランチ 90
空いっぱいのライオン 94 眠れない夜のねじばなの話 98
湖水にとけた音符 102. 舞妓(まいこ)さん 106
あとがき 112
人形液
――はなちゃん、人形液ができたよ。
理科室のうさぎがそういってくれたみどりの小壜
きれいな肌をまもるため ペパーミントのかおりのする
乳白色のうすい膜をはなちゃんは着る
それでもビスケットの塩
はかのじょのあたらしいこちこちの表面にそのままのこっている
ライトのまぶしい虚構空間で たくみに進行していく受難劇
(太陽のうらうらのことは、もうみんなすっかり忘れてしまったようだ
あの笑顔の素敵なうらうらのことは)
海が押してくる力におんなのこたちはだれもあらがえない
氾濫する笑い
みんなもう死んでいることを笑いあっている
はなちゃんも人形の顔で笑っている
声は聞こえない
この音声のないアニメーションはいつまでつづくのか
のびてちぢんでふくらんで 泣き虫玉が炸裂する
はなちゃんはトイレの個室にかけこんで 受難の人形ぬぎすてる
(小学生のみんなには、その人形に出遭ったら、こわがらないで、どうし
て死んだか訊いてほしい)
はなちゃんはふたたび人形液をぬりなおし みんなのいる舞台に戻って
いく、
客席にいる理科室のうさぎの眼をおもいだしながら、
制服の真鍮のボタンのようなそのまなざしを
………………………………
どこもかしこも模倣された月ばかり
(ほんとうの月は九歳のとき隠れてしまった)
真夜中はぽたりぽたりこぼれおち
たんにみんなといっしょにいないだけの時間を数えていく
“Drink me”
みどりの小壜のその文字(うさぎの書いた癖のある)
をはなちゃんの眼はなぞってしまった
一気にのみほす
からだの芯から人形になったはなちゃん
はおかあさんの手で
古い箪笥(たんす)の下から二番目の抽斗(ひきだし)(そこがはなちゃんの場所)にしまわれる、
天空のどこにも嵌(は)めこまれていない星たちといっしょに
1962年生まれという著者の第1詩集のようです。ご出版おめでとうございます。全編が人形にまつわる詩と言ってよく、ここではタイトルポエムを紹介してみました。〈みどりの小壜〉に入った〈人形液〉は、〈ライトのまぶしい虚構空間で たくみに進行していく受難劇〉という現実から防御するためのもののように感じました。今後のご活躍を祈念しています。
○季刊『詩とファンタジー』9号 |
2009.12.1
神奈川県鎌倉市 かまくら春秋社発行 1000円+税 |
<目次> 表紙絵・やなせたかし
[やなせたかしの詩と絵] 数詩…4 ふんコロガ詩…6
特集 永遠の少年 忌野清志郎の詩
絵・植田 真 雨の降る日…8 多摩蘭坂…10
日当りのいい春に…12
絵・寺門孝之 まぼろし…14 うわの空…16
夢…18
「キヨシローの詩とぼく」…20 仲井戸CHABO§[市/町田康/やなせたかし
[ファンタジー]
海のファンタジー 海老男 蜂飼耳 絵・味戸ケイコ…47
風のファンタジー 未来のラブレター 小手鞠るい 絵・中島梨絵…74
[対談]「書きたい詩を書けばいい」 谷川俊太郎×やなせたかし…82
[シリーズ 少女だったとき 少年だったとき]
内向的な少女の夢 中上紀 絵・尾崎仁美…86 ホオズキの家 窪島誠一郎 絵・吉野晃希男…88
詩とイラストレーション 総評
落書き…22 峰りんご 絵・藤本 将 浜辺…24 かにくじら 絵・葉 祥明
気をつけます…26 土岐 薫 絵・矢吹申彦 他人のYシャツ…28 吉田茉莉子 絵・山口はるみ
やまびこ…30 延永治子 絵・大西秀美 くちびる…32 山口理々子 絵・米津祐介
鳩…34 宮近美由紀 絵・小谷智子 涙…36 石井晴子 絵・雨宮尚子
傾き…38 北川拓磨 絵・黒井 健 メール・バッティング…40 流川透明 絵・北見 隆
余白…42 典子 絵・内田新哉
やなせ兎賞
ビューティフル・ドリーマー…44.鳥羽亮子.絵・高田美苗 つけまつげ…52 たなかひとみ 絵・宇野亜喜良
朝の鳥…54 山口あい 絵・松永禎郎 眠れぬ夜のために…56 中島真悠子 絵・スズキコージ
スーパーの駐車場で…58 大下美奈 絵・金沢まりこ クあれば…60 PIECE☆ 絵・倉部今日子
神さま…62 まつおちえこ 絵・下谷二助 引力なんて大嫌い…64 ヒロミズエ 絵・はせがわゆうじ
おとめの歌…66 福田ゆかり 絵・相川葉子
[歯とファンタジー]カチカチ健康法 やなせたかし…68 [こころの交換詩] ゆうきのはな 日下 遥…70
[とおい国からの手紙] 絵・田沼利規、東 千代…72 イラストレーション入選作発表…78
[詩とファンタジー賞 詩部門] 大賞・優秀賞候補作発表…81
[やなせファンタジー・足みじかおじさん] 秋の蛍 やなせたかし…84
[星屑ひろい] 絵・渡辺リリコ…90 [ほんの三行詩] 絵・なみきたけあき…93
[お便りのコーナー]…94 [執筆者・画家プロフィール]…94
[編集室だより]…96 [表詩記/編集後詩] やなせたかし…96
数詩/やなせたかし
一宿一飯 一期一会
二度あることは
三度ある
佛の顔も三度まで
すべってころんで
四苦八苦
七転八倒
九死に一生
桃栗三年 柿八年
石の上にも三年いて
十年一日 つかの間で
一日一善 とても無理
三日坊主で
五里霧中
一潟千里でかけぬけて
老い先みじかい
くだり坂
それでも可憐な
秋草の
百万本の花の道
今号では責任編集者・やなせたかしさんの巻頭詩を紹介してみました。三度笠をかぶって振り分け荷物を担いだ旅人の絵が添えられています。一から千どころか百万まで見事に詠いこみました。特に〈一日一善 とても無理〉というフレーズが佳いですね。もう90歳を過ぎたと思いますが、いつまでもお元気でご活躍ください。
○こやま峰子氏文・絵本『アンジェラのおねがい』 |
2008.10.1 東京都渋谷区 教育画劇刊 1050+税(画・藤本将) |
<帯文より>
大好きなお父さんとはなればなれ。ある日、友だちと遊べなくなくなる。どうして?
戦争がはじまる前、私たちは友だちだった。
サラエボの少女が経験した戦争の現実。少女のお願いとは。
「もう リナと いっしょに あそべなくなってしまったの」
「どうして? リナは わたしの おともだちよ」
「せんそうが はじまって、リナは てきのくにの こどもに なってしまったの」