きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2010.1.13 静岡県函南町・丹那断層




2010.2.27(土)


  その2




会報『かわさき詩人会議通信』54号
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2010.3.1 非売品

<目次>
「読むことにも、想像力を」 ある詩人の文章から学ぶ/河津みのる
希望という花/山口洋子           髪カット/寺尾知紗
春隣/さがの真紀              漂う/寺尾知紗
自己責任/枕木一平             沖縄を農業県、観光県に/小杉知也
昨日という時/山口洋子           青い風/さがの真紀
「足利事件」・再審法定/小杉知也       リュックサックを背負って/寺尾知紗




 
髪カット/寺尾知紗

白髪まじりのオカッパ頭
年寄りでも髪は伸び爪も伸びる
不精をきめこむと
みじめな姿になるばかり

髪カットに出掛ければ
気分は少々晴れやかに
帰りはスーパーで
つい好物のリンゴ二つ

少々の気晴しに
あんまりどうでもいい身だしなみの暮し
ただ髪のカットだけで
こんなばあさんでも
服まで替えてみる今日がある

 〈年寄りでも髪は伸び爪も伸びる〉というのは、私も実感しています。〈不精をきめこむと/みじめな姿になるばかり〉というのもよく分かりますね。外出しない日は本当にひどい格好をしているなあと我ながら思います。それに対して〈ただ髪のカットだけで〉も〈服まで替えてみる今日がある〉んですね。人間は社会的な動物だということを改めて感じさせられました。




隔月刊会報『新・原詩人』28号
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2010.2 東京都多摩市 江原氏方事務所 200円

<目次>
《この詩 16》黒田三郎の詩二篇 1     いんげん/羽生槙子『花・野菜詩画集U』より 2
読者の声 2                哀しみのたま/神 信子 3
貨物船/佐相憲一 3            終焉/長谷川修児
踊るなりけり
.裁判員/raipati 3      冗句/乱鬼龍 3
千葉龍に/大井康暢 4           詩 イタチ/山田塊也 4
養老貯金口座/江 素瑛 4         あーす農場だより 5
「詩人回廊」:伊藤昭一の庭番小屋-livedoor Blog
.
事務局より 6




 
冗句/乱鬼龍

正月     もう、いくつ寝ると‥‥ ――連立解消
お年玉    今年はいりません! 母へ ――鳩山首相
とら年    転職だった! ――とらばーゆ
2010年を占う あまりの怖ろしさに、公表をひかえます ――占い師一同
仕事始め   会社がなかった! ――大倒産時代
初夢     退陣だった! ――鳩山首相
初仕事    離党だった! ――自民党議員
年始     貧乏ひまなしです ――貧乏神
成人の日   老後のことが心配で‥‥ ――新成人一同

 今号では乱鬼龍氏の「冗句」を紹介してみました。“冗談の句”と採ってよいかと思います。〈鳩山首相〉が二度も出てくるところに時代を感じますね。〈仕事始め〉〈年始〉〈成人の日〉などには、庶民の笑うに笑えない気持ちがよく出ていると思います。




詩誌『ニンゲン』2号
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2010.3.15 岡山県瀬戸内市
現在実験箱・森崎昭生氏発行 400円

<目次>
副葬花束(二)  K,いずま 1      断章        森崎昭生 3
齋藤國雄ノート(二)平 博志 6      桜の見えるホテル  山本治彦 10
沈下橋       森崎昭生 11      変容−2      黒住泰子 13
白椿        浅木母里 14      現代詩の鑑賞    汐見哲夫 18
万葉集拾遺(二)  森崎昭生 22      切り抜き帳          12




 高知、幡多の記憶 
『沈下橋』 森崎昭生

 四万十川の観光パンフレットや絵葉書でよく見る『沈下橋』は、沈み橋・潜水(潜流・潜没)橋とも呼ばれている。これは四万十川に限ったものではなく全国どこにでもあるものだが、高知は全国の一〇%強の四七橋があるという。この橋は橋脚が短く欄干がない。増水時には橋が水中に沈んでしまうので、表層を流れる障害物が引っかからず水流を妨げることはない。建設費が少なくて済むことから、必要であるが交通量が少ない地域に一九五〇年代半ばに数多く架けられた。人が歩けるだけの幅から一台のクルマが通れるほどのものまで、大きさも長さもさまざまである。増水時の〈通る・通らない〉の判断は、その場で個人がすることになる。その川の特徴を知らない旅行者は、橋道を水が流れていたら渡らないにこしたことはない。それでなくとも、欄干がないので慣れていないと怖く感じる橋である。

 この沈下橋の原形と考えられているのが、『流れ橋』だ。『早瀬橋』ともいう。この橋は、板を幾枚か並べて固定し、水面から顔を出したような石積みの上に乗せただけの橋である。川が増水すると、橋は流される−という表現は適切ではない。流されることを前提に架けられているからだ。それぞれの板の端に開けられた穴にロープが結わえられている。その先は岸の立木や大きな石に固定されている。水量が元に戻ると、ロープを引っ張り橋を手繰り寄せ、石積みの上に乗せる。これで復旧完了となる。こんな素朴な橋は、もう架けられることはないだろうし残っていることはないだろうと思っていたが、四万十川の源流域、檮原町の東津野村にあり、現役と聞く。一度は訪れたいものだ。 (二〇〇二年九月)

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 今号では貴重なエッセイを紹介してみました。私の住む神奈川県にも、厚木市だったと思いますが〈一台のクルマが通れるほどの〉沈下橋がありましたけど、今はたぶん無いでしょう。一度も渡ったことがなく、残念な思いをしています。
 このエッセイで驚いたのは、『流れ橋』という存在です。たしかに〈板を幾枚か並べて固定し〉〈川が増水すると、橋は流される〉ものは目にしていますが、〈それぞれの板の端に開けられた穴にロープが結わえられている〉とは思いもしませんでした。先人の智恵に感激するとともに、民俗史としてもおもしろいものだと感じました。






   
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