きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2010.2.25 神奈川県南足柄市・枝垂れ梅




2010.3.6(土)


 西さがみ文芸愛好会「第14回西さがみ文芸展覧会」も4日目。今日は受付当番ではなかったので行きませんでしたけど、今日も60名を超える来場者があったそうです。ありがたいことです。
 愛好会をサボって、夕方から自治会の組総会・懇親会に出席してきました。戸数9軒という小さな組ですが、もちろん全軒出席。ささやかな総会は特に問題もなく、すぐに懇親会。私と年齢が近い人も多いので、進められるままに「土佐鶴」をあおりました。しかし、ずいぶん酒量が減ったなと我ながら思いました。2合を呑んだら、だいぶ酔ってきたのです。無理をしないようにしましたけれど、この、無理をしないという殊勝な気持ちがいけませんね。ムカシは腰が抜けるまで呑んだのになあ。寄る年波には勝てないということのようです。




詩誌BLACKPAN98号
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2010.1.30 奈良県大和高田市 日高てる氏発行
1000円

<目次>
■特集 加納由将詩集「未来の散歩」
詩 雨の足跡/加納由将 2         書評 絶望と希望が交錯する息づかいを聞く/武内健二郎 4
加納由将インタビュー  7
■詩
街の風景−秋/遠木順子 8         採寸/武内健二郎 12
遥かなる 手/西きくこ 14         女/信定和美 16
マーク・ロスコ(青の中の白と緑)/谷部良一
.18 秋の狂躁/小池栄子 20
廻る fandango/吉田 緑 22
.        第十三階段/森山和雄 24
おやつ/嶺月耀平 26            傾かない空/亀井眞知子 28
蛹田 sanagi-da/岩谷まり 30        水葬/竹島浩一 32
波形/北原千代 34             新 夢十一夜 その四/日高てる 36
■epiphany ――器 38
森山和雄 加納由将 吉田 緑 嶺月耀平 谷部良一 西きくこ 信定和美 遠木順子
亀井眞知子 北原千代 小池栄子 武内健二郎 竹島浩一 岩谷まり 日高てる
■行動する仲間 詩人の余戯 寸感あれこれ/谷部良一 42
あとがき/岩谷まり・日高てる




 
採寸/武内健二郎

マエミゴロ
ウシロミゴロ
ソデタケ
キタケ

呪文のように
祖母は呟きながら

幼いからだの
縦横に
物差しをあてていった

一枚の布の上に
わたしは
四角くかたどられる

布は身を孕む

まえみごろ
うしろみごろ
そでたけ
きたけ

わたしはまだ
四角い
まま

 私には〈採寸〉された記憶がないのですが、そうされればきっと〈一枚の布の上に/わたしは/四角くかたどられる〉と感じたことでしょう。しかし、〈布は身を孕む〉と思えたかどうか…。このフレーズは良いですね。最終連の〈わたしはまだ/四角い/まま〉もおもしろいフレーズだと思いました。




詩とエッセイ『流』32号
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2010.3.3 川崎市宮前区   非売品
西村啓子氏ほか編集・宮前詩の会発行

<目次>
詩作品
島田万里子 刺す 二〇〇Q年の残暑見舞い 研ぐ      2
杉森 ミチ お伊勢参り 鳥取砂丘 紫陽花の咲く庭     8
竹野 京子 ざるの効用 宵の口の失踪 半島I       14
中田 紀子 皺にならないシーツ 遠い道          20
西村 啓子 馬鈴薯 怪我一代 シャワーを浴びても     24
ばばゆきこ 食べたい テン
.てん.点 秋晴れ        30
林  洋子 新宿中央公園の小楢              36
山本 聖子 Road
.to.HAKONE 鎮座             39
福島 純子 長い昼寝 夕食時
.異状あり じゃんけん世代.  44
山崎 夏代 奴凧 重力に関する二編            50
吉田 和古 border いたみ                56
麻生 直子 ハットトリック 雪鳥に−チカップ美恵子さんへ 62
エッセイ
山本 聖子 奔流 −現代詩の行方(13) 確かな喪失     66
西村 啓子 林 洋子 最新の詩集から           68
福島 純子 最近の詩誌から                70
会員住所録 編集後記




 
刺す/島田万里子

100円ショップで買ったコルクのボードにメモを
画鋲でとめる
短期記憶をつかさどる海馬の補助
念のための一刺し

ベランダの手すりに自前のハトよけを作った
つがいの二羽の声に安眠が妨げられ
糞害に憤慨し断固阻止
手すりに両面テープを貼り
五センチほどの間隔で画鋲を逆さに置いた
間接的に 刺す のだ
拒絶を記憶するというハトは来なくなった

手すりの下のフェンスには蔓がからまり
夏の花がぐんと花芯をみせて咲いている
ぼんやり見ていたわたしの目にひかりが刺し
慌てた
部屋は昼間なのに暗く金色の折り紙のようなひかりが舞っている

なかに一枚の白い紙

あれはたしか今朝
書けない昨夜の闇の記憶のために
ぐいっと止めた何も書かれていないメモ用紙

画鋲を刺す
その瞬間のわたしの感覚は
なにを投影しているのだろうか

答えがでたらまた刺す

 〈刺す〉ことについての作品ですが、もう一つのテーマが〈記憶〉にあるように思います。詩語としては〈短期記憶〉、〈拒絶を記憶する〉、〈昨夜の闇の記憶〉などが当てはまるでしょう。その〈刺す〉と〈記憶〉が縦糸・横糸になって編まれていると云えるでしょう。最終連の〈答えがでたらまた刺す〉というフレーズも強くて、意思を感じさせる言葉だと思いました。




個人詩紙『おい、おい』75号
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2010.3.8 東京都武蔵野市 岩本勇氏発行 非売品

<目次>
詩 某日
岩ちゃんのおい、おい日記(一)




 
某日

詩とは
詩人だけが
読むのかもしれない
そう思った日から
私に寂しさが
また一つ加わった

 短い詩ですが現在の詩界を端的に述べていると思います。たしかに〈詩人だけが/読む〉詩って、いったい何だろうと考えてしまいますね。その一方で明治初期の新体詩は誰が読んだだろうかとも考えます。おそらく100人にも満たない人しか読まなかったのではないでしょうか。その後の歴史に名を遺している詩人も、せいぜい500部の自費出版詩集しか発刊していません。現在の私たちと差がないのです。北原白秋以降の童謡詩や1970年代の詩のブームは、日本の近代・現代詩の中では特殊だったのかもしれません。しかし、それでも詩人は〈私に寂しさが/また一つ加わった〉のです。この感慨は大事にしたいものです。
 今号の「岩ちゃんのおい、おい日記(一)」では拙HPを採り上げていただきました。御礼申し上げます。






   
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