きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2010.3.18 早稲田大学・演劇博物館




2010.4.17(土)


 御茶ノ水のクリスチャンセンターに行って、少しお話しをさせていただきました。無頼・無神論のお前がなぜ? という声が聞こえそうですが、私もそう思います(^^;
 日本クリスチャンペンクラブというキリスト者の文芸団体があります。そこで朗読会をやっているのですが、呼ばれて私も何度か伺いました。その縁で、何か話をしろ、となったものです。私がまとまって話せるのは高村光太郎のことしかありませんけど、それでもよろしいということになりました。レジュメを事前に送って、今日の開催となった次第です。

 小さな勉強会ですから、聴衆は10人ほどと少なかったものの、皆さま熱心に聞いてくださいました。最初は15分ほどで、という約束だったのですが、途中から延長して構わないということで、結局1時間ほどお話しさせてもらいました。高村光太郎の戦争賛美詩についてという演題は事前に知らされていたようで、なかには参考文献を教えてくれる人もありました。亡くなった井之川巨さんに『君は反戦詩を知ってるか』という著作があるそうで、その中で光太郎を採り上げているとのこと。これは私も知らなかったので、早速注文しようと思っています。

 良い意味でも悪い意味でも、やはり高村光太郎は著名なんだなと思います。これで光太郎の戦争賛美詩については3回お話しさせてもらったことになりますが、毎回、聴衆の皆さまから教わることが出てきます。私の不勉強と言ってしまえばそれまでですけど、多くの人がいまだに光太郎に関心を持っていることが分かります。先達の業績をもっと調べたいと思っています。
 お呼びいただき、ありがとうございました!




駒田隆氏詩集『神さま』
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2010.1.26 茨城県石岡市 私家版 非売品

<目次>
あしたは………………1  おやすみなさい………1  恵み……………………2  献げ物…………………2
導き……………………3  質問……………………3  時………………………4  うぐいす………………4
マナを…………………5  何が……………………5  話………………………6  小さな虫………………6
イエスの顔……………7  ヨブの妻………………7  雨………………………8  うそ……………………8
あなたと………………9  歩く……………………9  神………………………10  電車……………………10
聖戦……………………11  小さい花………………11  責めないでください…12  空襲……………………12
信仰告白………………13  わたしの心……………13  泣き虫…………………14  福音書…………………14
遅い歩み………………15  明日は…………………15  シロアムの塔…………16  足………………………16
どうして………………17  NO!…………………17  目の梁を………………18  平安……………………18
導き……………………19  マグダレーナ…………19  祈ります………………20  脳………………………20
野菊……………………21  老いる…………………21  祈ること………………22  伝えたい………………22
あの花…………………23  言葉……………………23  暑い日…………………24  わがまま………………24
とげ……………………25  狂っている……………25  聖絶……………………26  あなたの子が…………26
ありがとう……………22  前に……………………27  愚者……………………28  クリスチャン…………28
理性……………………29  可能性…………………29  盾………………………30  ごめんなさい…………30
おしゃべり……………31  十字架…………………31  殺人者…………………32  戦い……………………32
種蒔き…………………33  神の名…………………33  自然……………………34  悪魔……………………34
死ぬために……………35  同じ口…………………35  見たい…………………36  無理です………………36
結果……………………37  少しの水………………37  おはようございます…38  福音の手紙……………38
聖霊……………………39  復活……………………39  迷い……………………40  そこに…………………40
話したい………………41  食事……………………41  朝………………………42  答え……………………42
歩く……………………43  第六戒…………………43  心配……………………44  血の白衣………………44
今………………………45  ゆっくりと……………45  黒のサンタ……………46  教会……………………46
道………………………47  信じる…………………47  瞬間……………………48  かぜ……………………48
エマオヘ………………49  すみません……………49  重い十字架……………50  燔祭……………………50
目線……………………51  大嫌い…………………51  歩く……………………52  わたしはだれを………52
長い手紙………………53  絵になる人……………53  見ないでください……54  わたしは………………54
こんなわたしでも……55  しわくちゃな手………55  おしえて………………56  平和の礎………………56
愛………………………57  朝が来ます……………57  裁き……………………58  見えません……………58
大愚……………………59  その道は………………59  あしたへの夢…………60  故郷……………………60
低くする………………61  愚か者…………………61  地裁門…………………62  愛する女性……………62
わたしの信仰…………63  見えていますか………63  同じ道…………………64  あなたなら……………64
真実……………………65  ハイ・ヤハウェ………65  呼ばないで……………66  ヨナ……………………66
足あと…………………67  愛されて………………67  赦し……………………68  すがりつきたい………68
疲れました……………69  朝です…………………69  雅歌……………………70  泣ける人………………70
上を見る………………71  鉄の雨…………………71  種蒔き…………………72  眠り……………………72
当たり前のこと………73  ヨブの心………………73  天国の門………………74  嫌いな人………………74
信じます………………75  燃える地球……………75  紅葉……………………76  あなたはある…………76
出会い…………………77  道があるから…………77  苦しみ…………………78  男………………………78
過去の光………………79  わたしの罪……………79  十字架のイエス………80  青葉の下を……………80
愛すること……………81  知ること………………81  恵みと…………………82  ある一日………………82
与えられしもの………83  訥弁……………………83  あの人は今……………84  小さな声………………84
左の頬…………………85  復活の証人……………85  水に……………………86  母なる神………………86
記憶……………………87  愛する…………………88  自分の心で……………90  耐える…………………90
人生……………………91  進む……………………91  自我……………………92  ただそこに……………92
またですか……………93  お留守でも……………93  罪人……………………94  太宰治…………………94
道端……………………95  道を説く人……………95  死んだあなた…………96  神さま…………………96
弱くなったわたし……97  不安……………………97  森の中…………………98  信仰……………………98
ゆっくりと……………99  妻召天…………………99  言葉では………………100
. 柿………………………100
見えますか……………101
. 一人で…………………101. あの鳥…………………102. 冬木立…………………102




 
老いる

神さま
 老いとは
 すばらしいものです
 いつも新しさを
 求められます

 上述の勉強会で頂戴しました。第1詩集のようです。〈神さま〉と呼びかける5行詩が200編、この10年の歩みとのことでした。紹介した詩はまさに〈すばらしい〉作品だと思います。〈求められます〉には2つの意味があって、一つは自分が求めることができるという自動詞、もう一つは誰かから求められるという他動詞ですが、この場合は両方に採ってもよいかと思います。日々新た、を感じさせる詩だと思いました。




詩誌ONL107号
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2010.3.30 高知県四万十市 山本衞氏発行 350円

<目次>
詩作品
西森 茂  タウンミーティングされて 2   浜田 啓  世の中/母       4
福本明美  秘密           6   文月奈津  タトウ         8
藤田恵美  友            10   丸山全友  夏休みの午後      11
水口里子  みかんの木        12   芝野晴男  行くよ         13
森崎昭生  秋水残影         14   大森ちさと 過疎          18
森田貞男  サクラさくら桜      19   柳原省三  夜の海         20
山本 衞  ここにこうして      22   山本清水  心/他         24
ウカイヒロシ 夢(大坂侍)      28   大山喬二  橡の木の森へ(21)/他  32
岡村久泰  名器と名奏者       36   河内良澄  ワラベウタ       38
北代佳子  思い出して        40   小松二三子 年相応         42
土志田英介 デコイの夫婦は待つ    44   徳廣早苗  ぎゃくたい       46
土居廣之  伝えること        48   山本清水  何か足りないものが   49
英訳作品 山本歳巳 闇の中/大崎二郎(沖縄島より)50
短歌作品 政岡満子 初曾孫を抱く  56   岩合 秋 桜がすみ         57
評論作品 谷口平八郎 詩情・私情  58
エッセイ作品
      秋山田鶴子 ワンワン   59   山本 衞  人が人らしく(6)    60
後書き 61
執筆者名簿                  表紙絵 田辺陶豊《交錯する思考》




 
ここにこうして −モグラの独白−/山本

ここにこうして生きることになった
どこへもいかぬと決めた
ここで十分だから
これ以上のものは要らない
(おや)たちの意志と血を継いで
だれにもわずらわされることなく
命ぜられたり
選り分けられたり
身につくはずのないわけまえをねだったり
したことはない
大地だけがあればいい

いつの時代も
大地の表面は区分されてきた
一木一草
名付けられないでいるものなどはなく
所有者の決められてないものは
どこにもない

地の中だけは奪い合わないでいいかと
一族こぞって
地底に棲むと決めてきた
それさえも迫害を受け
血塗られて逃げ惑った日もあった
暗がりに慣れた身は
見る目を失ってしまったが
そのかわり鼻先をとぎすませてきた
腹は満たされるだけでよかった
蓄えは持たず
纏うものは毛皮一枚

泥の中で愛を語り
子をつくり
子をそだて
親を見送り
おのれのよごした泥に塗れ
ほりあげた道を跳ねとばして
走りつづける

 たしかに〈いつの時代も/大地の表面は区分されてき〉ましたね。しかし、〈地の中だけは奪い合わないでいい〉場所だったのです。しかも〈モグラ〉は〈命ぜられたり/選り分けられたり/身につくはずのないわけまえをねだったり〉しません。〈蓄えは持たず/纏うものは毛皮一枚〉だけで過ごせます。そう考えると、人間と土竜と、どちらが幸せなのか、考えてしまいました。




文芸誌『海嶺』17号
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2010.4.11 千葉県銚子市        600円
蜂須賀和子氏編集・NPO法人グループあたごやま発行

<目次>
可視光の外へ(10) 鹿眠 2               多恵 児嶋育子 10
     月見草 桶谷清子 14           玉川学園 後沢文子 17
    砂上の海 みやうちさとるこ 20       優しい光 山口加奈子 22
  君ヶ浜だより 戸石四郎 24         フェニックス 高安きよ 27
 電飾のトナカイ 桶谷清子 28            山百合 坂江雅史 29
 私のノートから 児嶋育子 30          傷痕(十九) ブルース・ローリー/高瀬博史訳 31
地球展望館からU 蜂須賀和子 36
カット 八島サツ子




 
砂上の海/みやうちさとるこ

あくず もくずを放した泡は生きものだ
放しては集まりのくり返し
海が砂の上をなめる様に浄める 海の精霊に導かれた君と俺
桂冠を乗せ陽のあたる君がいる
深淵なるブルーのひとみ
彼は鎌で射とめた
命の鼓動がつながった
今でもサーフィンボードで桃割れの腰をくねらせ
波に遊ばれている
風波のごとく息づいていた彼
背徳の妙味の覚醒を
残照の余韻として しばし封印し
そして
海につばをはこうとも
海は、今は笑ってくれてる
幸せを嗣いで つむいでいくのはだーれだ
海鳴りが祝って吠えてる
二分の三以下にならない二人が含羞をみせている
エロスの契りがそこにある
許さざる心は鍵括弧で砂上の泡と消えろ
感じている時は抱きしめた恋が生きている
魂が許す
波濤円舞が昇天の階段をいく
網の中でアバターを演じても
記憶の中のアバターは首すじにまとわりて
闇の音が入らぬように
エゴ・エロもしっかり つかまえておく

海は知っている
ままごと遊びも
きせかえ人形も
嬉しがって泡までがつるつるだ
消しゴムのあとは残るのに
今はみてみぬ振りをする
隣人がいる
何はともあれ「めでたいな」「めでたいな」

 銚子が発行所になっていますから、作品の海は九十九里浜かなと想像しています。「砂上の海」とはおもしろい表現だと思いましたら、〈海が砂の上をなめる様に浄め〉ている状態のことでした。この観察眼は素晴らしいです。恋愛詩と採ってよいと思いますが、健康な肉体を感じさせる作品ですね。






   
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