きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2008.9.27 栃木・和紙の里




2008.10.3(金)


 好天に誘われて、伊豆の「熱川バナナワニ園」まで足を延ばしてみました。伊豆半島は昔から好きな処で、数え切れないほど行っています。近いということもありますが、20歳頃は50ccのバイクで1泊しながら1周、なんてことを何度もやっていました。もちろん宿は取らずにバス停のベンチで仮眠です。もう少しトシをとってからはクルマでキャンプしながらに変わりましたけど。
 道路の傷んでいる箇所を覚えているほど通った伊豆半島ですが、
「熱川バナナワニ園」という処には初めて行きました。で、どういう処かと言うと、バナナを始めとした熱帯植物があってワニが飼育されている処です(^^; それだけでは身も蓋もありませんから、無断でリンクを張っておきました。覗いてみてください。

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 私の興味はもっぱら大島。写真はバナナワニ園から見た大島です。利島、新島あたりまで見えていましたが、残念ながら携帯のカメラでは写りませんでした。
 それにしても、海に浮かぶ島を見ていることは楽しいことです。なぜ楽しく感じるのかは分かりませんけど、おそらく海の水平線に安定を感じ、そこに島があることによって変化を感じ、その双方の作用だろうと思います。なぜ水平線を安定と感じるかは、眼の構造に起因しているという持論がありますが、ここでは述べません。どこかの雑誌に書いています。

 バナナワニ園という施設や風景を素直に愉しめばいいのに、いつもの癖で、そんな屁理屈を考えながら眺めていましたけど、これはこれで私にとっては楽しいことのようです(^^;



個人通信『萌』25号
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2008.秋 山形県山形市 伊藤啓子氏発行
非売品

<目次>
湯治場に行くまで    湯治場にて
相部屋         彼岸道



 湯治場に行くまで

電車をみっつ乗り継いで
新幹線の終点の街までやってきたという
宿が同じと知った時から
双子のように似たおばあさんたちが
人なつこく話しかけてくる
そのしゃべりかたがおもしろい
輪唱のようなのである
  どこからきたの? どこから?
  いつもひとりで? ひとりで?
どちらに答えればいいのかわからない
風がうまい具合に
細くあけたバスの窓から入ってくる
問いに答える代わりに
涼しいですね 取ってつけたように言ったが
そのあとが続かない
「ゆ」の暖簾をくぐったら
輪唱で挨拶されそうなおばあさんたちである

 「湯治場に行くまで」と「湯治場にて」は連作と採ってよいでしょう。ここでは前者を紹介してみました。〈輪唱のような〉〈しゃべりかた〉を具体化しているところが面白いと思いました。〈双子のように似たおばあさんたち〉の日頃の生活まで眼に浮かんでくるようです。個人的には現職の頃、〈新幹線の終点の街まで〉年に何度か出張してましたが、〈人なつこく話しかけてくる〉人はほとんどいませんでした。しかし、話をしなくてもあたたかい人柄が伝わってくるのが不思議でした。そんな土地柄を思い出させてくれた作品です。



詩誌Parabole9号
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2008.10.1 東京都杉並区
勝野郁子氏発行 非売品

<目次>
擦過         T寺にて       無題
暑熱の雲と……(1)  
Effleurement



 擦過/勝野郁子

擦過
は 由来を曳かない
ひと刷毛の雪
凍える路面
高層の窓窓の灯り
一夕の夕餉
一閃のまばたき
はばたいて
 称号 なく
 なすこと もたず
ショッピングモールに
獣躯 掠めて
闇から 同色の
カートが
跳ねる。

 拙HPでは初めての紹介になりますが、個人詩誌のようです。ここでは冒頭の作品を紹介してみました。広辞苑によれば〈擦過〉とはかすること≠セそうですが、それを〈擦過/は 由来を曳かない〉としたことは見事です。広辞苑以上!と讃えてよいでしょうね。これが辞書とは違う詩人の仕事だと思います。その〈由来を曳かない〉事例として〈ひと刷毛の雪〉や〈凍える路面〉を挙げたことも奏功しています。終わりの〈闇から 同色の/カート〉も〈擦過〉の良い例だと感じました。



『関西詩人協会会報』51号
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2008.10.1 大阪府交野市
金堀則夫氏方事務局・杉山平一氏発行 非売品

<本号の主な記事>
1面 第15回総会のご案内
2面 選挙管理委員会より投票結果報告・第四回関西詩人協会賞第一次選考結果報告・詩で遊ぼう会・詩画展
3面 規約改正案・運営委員会の模様・日本詩人クラブ報告
4面 ポエム・セミナー「自作を語る\」・ホームページ情報
5面 追悼中岡淳一氏・源氏物語と現在
6面 会員活動・イベント



 第十六回日本詩人クラブ関西大会/横田英子

 二〇〇八年六月一四日、関西詩人協会共催

 日本詩人クラブ関西大会十六回目が、トーコーシティーホテルで開かれました。関西詩人協会事務局長金堀則夫氏から始まり、日本詩人クラブ会長佐久間隆史氏、及び理事長北岡淳子氏の挨拶、並びに新役員の紹介と続いた後、薬師川虹一氏の司会で第一部の開始。その始めは、日本詩人クラブ賞受賞の大掛史子氏、及び新人賞の肌勢とみ子氏(欠席のため田中眞由美氏代読)お二人の詩朗読。ついで講演は島田陽子氏による「金子みすゞの世界」金子みすゞの詩の背景、その人生と関わる詩の味わい等について、島田陽子氏の深い洞察と説得のある熱い巧みな話術に聴き入る人たち。ちなみに参加者百二十七名でした。

 第二部は、佐藤勝太氏の司会で「日本詩人クラブの関西の詩人をしのぶ」からで『天野忠』は下村和子氏、『能登秀夫』は蔭山辰子氏と、それぞれ解説とその詩の朗読で、在りし日の詩人たちを偲ぶひとときでした。続いて「自作詩朗読」北は千葉から南は長崎まで九名の方たちの心こもった詩作品をそれぞれ個性を生かしての朗読。楽しく心癒されたことです。岡耕秋、岡隆夫、富田和夫、伊藤ふみ、岩崎和子、佐相憲一、津坂治男、村田辰夫、水野ひかるの皆さんでした。その進行は名古きよえ氏。そしてフォークソング歌手の野田淳子さんの登場。先ほどの島田陽子さんのお話が身にしみて、金子みすゞの世界が一層深くなった思いです、と語る野田さん。ギターを奏でながらの、みすゞの詩を幾つか歌うその澄んだ歌声はろうろうと会場に響き渡りました。その余韻のなか来年六月の開催地岡山の詩人たち、井奥行彦氏を先頭に勢揃いしての誘いの言葉、拍手する人たち、それら暖かい雰囲気のなか、横田英子の閉会の言葉とともに午後の部が終わりました。懇親会もまた司会原圭治氏、諫川正臣氏の開会の言葉、千葉龍氏の乾杯と賑やかに楽しく、スピーチも懇談も志賀英夫氏の閉会の言葉まで続きました。

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 今号では6月14日に開催された関西大会の報告が載っていましたので、転載させていただきました。報告者の横田英子氏は日本詩人クラブの関西大会担当理事でもあります。私ももちろん参加して、夜中まで楽しく過ごさせていただきました。準備から当日の運営、後片付けまで、関西詩人協会の皆様には大変お世話になりました。改めて御礼申し上げます。
 なお、当日の様子は
日本詩人クラブHP、ならびに拙HPの6月14日の部屋に載せてあります。ハイパーリンクを張っておきましたので、よろしかったらご覧ください。



   
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