きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
090611.JPG
2009.6.11 掛川・加茂花菖蒲園




2009.7.28(火)


 NPO法人 日本子守唄協会相模支部の幹事会が秦野市で開かれました。支部としては第1回目になるシンポジュウムとコンサートの詳細が決まりました。タイトルは「子守唄は契りうた 〜親学を考える〜」。ちなみに前回私が提案したものが採用されました。

日 時 2009年10月16日(金) 午後4時開場 4時30分開演 7時終了予定
場 所 厚木市文化会館 小ホール(定員380席)
入場料 1,000円(全席自由)

第1部 親学を考えるシンポジュウム
 出演:西舘好子(日本子守唄協会理事長)
    高橋史朗(明星大学教授)
    都高真道(曹洞宗僧侶宝泉寺住職)

第2部 子守唄コンサート
 出演:稲村なおこ(歌手)・久保祐子(ピアノ)
    生沼美香(ソプラノ)・宮崎滋(ピアノ)
    奥田憲弘(口笛)・藤木玲子(ピアノ)
    斎藤寿孝(全日本ハーモニカ連盟理事長)
    ハーモニカ・カルテット 
The Who-hoo(ザ・フーフー)
    (石井裕香・岡本吉生・小沼美枝子・前川紀子)

 会場が380席と限定されていますので、皆さんどんどんおいでください、と言えないところが辛いのですが、お時間のある方はどうぞおいでください。リーフレットもそのうち出来るでしょうから、お会いできる皆さまにはお配りしたいと思っています。




松岡政則氏詩集『ちかしい喉』
chikashii nodo.JPG
2009.7.15 東京都新宿区 思潮社刊 2400円+税

<目次>
どうよ。 8      餅なし正月 12     蠢動 16
古郷
(ふるごう)の月 20.  橋がくる 24      島の宝 26
ミツイシ 30      習作ノオト 34     ひと意地 38
 *
行方知れず 42     ひかる石 44      夜の公園 46
山犬 50        名のるひと 54     わたしではありません 56
背後の空から降ってくる 60
 *
山地口琴舞 64     那魯灣渡暇飯店筆記
(ナロワンリゾートホテルメモ) 66
辺地
(へち)の夕まぐれ.70 平渓線老街散歩(ピンシーシエンラオヂエサンプー) 74
花蓮
(ホワリエン)で雨、、、 78
我的「九」 82    笑う台灣 86
あとがき 91
装幀=思潮社装幀室




 
どうよ。

年になんどか
お山に入ってアソブ
(習わしにしたがって
声をかけながらやぶを漕ぎ
さわを跳び
おねを走り
テンバ者になって歩き回る
(お山では捷いよ、悪いけど
くたびれたら菓子パン食ってそこいらで、寝る
どくん、どくんと
母胎に還っていくように、寝る
もう何代も前から受け継いでいることのような気がするし
そうしないと躰が自分のものではなくなってしまうような気がするし
うごっ、ぐわっ、ごぼっ、
夜にはそちこちから音がもれてきて
六千の星星からもいろんなものが降りてきて
(くさ)も押し寄せてくるわ、樹木も寄ってくるわ、
そうやってにぎやかないのちの闇に
一晩中さわられながら寝るのだし
時々ぶつかって行くものもあるし
お山の朝が甘いことも知っている
(禁足地だけは注意深く避け
また尾根をはしり
沢をとび
藪をこぎ
そうやってこすられたり散ったりしたアソブで
繁華な街なかに帰っていくのだ
ついさっきまで
お山の一部であったものに気づくのはおらんのか
あんたらどうよ。
おらおらどうよ。

 拙HPでは初めての紹介になります。3年ぶりの第5詩集のようです。ここでは巻頭作品を紹介してみました。私も子どもの頃や若い頃の〈テンバ者になって歩き回〉ったことを思い出しながら拝読しましたが、たしかに〈そうやってにぎやかないのちの闇に/一晩中さわられながら寝〉たものでしたね。作品はそこに留まらずに、あくまでも〈繁華な街なかに帰っていく〉ことが前提になっています。それを〈ついさっきまで/お山の一部であったものに気づくのはおらんのか〉と問うところにこの詩の眼目があるわけですけど、都市生活者への警鐘と採ってよいかと思います。少なくても気づいてくれ、本当は〈あんたら〉もたまには〈藪をこ〉いでくれ、そうすれば世の中が少しは見えるようになるんじゃないか、そんな問いかけの作品と受け止めています。




詩誌Violeta16号
violeta 16.JPG
2009.7.31 群馬県渋川市 須田芳枝氏発行 非売品

<目次>
長谷川安衛 五つの湖…4        地の涯への思い…7
新井 隆人 コンポストの中身…12    小町まつり…15
堤  美代 捧げる…20         何処から…22
斉藤 芳枝 野良猫…26
小野 啓子 訪問 須田さん宅にて…30  心待ちにしていること…32
須田 芳枝 梅雨空バランス…36     勇敢な樹…38
関根由美子 食う…40
後記…42                表紙 新津廣子




 
梅雨空バランス/須田芳枝

屋根に架けたはしごに乗って
「おっこちないように足首を掴んでいてくれ」
と夫が言う

恐る恐るフェンスをまたいだ私は
右手ではしごを
左手で男の素足を掴んで…は
いるけれど

思えば日々の平凡さも
こんな姿で
押さえている
押さえつけられている
添えている
添えられている

傍にいる それだけの
微妙なバランスなのかも知れない
それがどれほどの効果があるのか
量りもせず 知ろうとも 気づきもせずに

雨樋にぐっと背伸びして手を伸ばし
詰まった枯葉を除けば

どちらともなく
ふっと安堵

今にも降り出しそうな分厚い雲間から
一条のひかりさして
天気予報の予想通りの
大粒の
梅雨空バランス

 こちらも初めて紹介する詩誌です。手作りだそうですが、丁寧な作りになっていました。紹介した作品は〈雨樋〉に〈詰まった枯葉〉を取り除くという作業を通して、夫婦の〈微妙なバランス〉を書いた秀作だと思いました。さらにそれを〈梅雨空〉と対比させたことで作品の深みが増しています。第6連の〈どちらともなく/ふっと安堵〉もよく効いているなと思いました。




詩誌『詩遊』23号
shiyu 23.JPG
2009.7.31 大阪市都島区 冨上芳秀氏発行 1000円

<目次>
最後のこと・仲村渠芳江 P.1上         避暑地の観覧車・林美佐子 P.2上
忙しい主席の虫干し指令・楡久子 P.3上     饂飩・井宮陽子 P.5上
線香花火の独りごと・吉岡尚美 P.6上      ふわふわ・中村瑞奈 P.7上
あらそい・宮沢さえ P.8上           ベーコンレタスバーガー・辻井啓文 P.9上
彼岸も過ぎて・福山てるよ P.10上        星回り・松山由美子 P.12上
習慣は人生 坂本久刀 P.13上          祭 ほしのしほ P.15上
はるかな島へ・冨上芳秀 P.17上         サムライ・ジャパン 冨上芳秀 P.18上
腕枕・森砂雫 P.1下              世界で一番小さな放送局・辻井啓文 P.1下
鼻・立花咲也 P.2下              脱衣場・ほしのしほ P.3下
花吹雪・白澤久美子 P.5下           バス停・坂本久刀 P.6下
授業中・ささき颯 P.6下            バトンタッチ・福山てるよ P.7下
雪の夜・みやさかとう子 P.9下         寝床でファイト・吉岡尚美 P.下
ヒマワリの見える部屋 P.11下          五月の踏切・坂本圭 P.11下
山の音・宮沢さえ P.12下            人徳・茶木敏行 P.13下
ツキイグ・仲村渠芳江 P.15下          愛妻弁当・井宮陽子 P.16下
霧の街・松山由美子 P.16下           小太郎おきよ天狗村縁起・楡久子 P.17下
旅・中村瑞奈 P.19下              灸・中村国男 P.19下
異邦人・小坂美緒 P.20下            貪婪・松井孝典 P.20下
麦秋・大月みや P.21下
喫茶室・P.22下                 対馬・韓国韓国紀行・冨上芳秀 P.20上
表紙デザイン・上田寛子






   
前の頁  次の頁

   back(7月の部屋へ戻る)

   
home