きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
2009.8.18 佐渡・沢崎鼻にて |
2009.9.14(月)
日本ペンクラブ「国際ペン東京大会2010」の第8回実行委員会が開催されました。今回はポスターの案がだいたい決まりました。記念出版の帯に入れる文は、「国際ペン東京大会2010記念出版」から「国際ペン東京大会2010」のみに変更。〈記念出版〉とまで書くことには複数の出版社から疑問が呈されたそうです。〈出版〉という言葉に反応する意識は判りますね。いずれしろ来年早々からポスターが出、書店には帯に「国際ペン東京大会2010」と書かれた本が出ることになります。日本ペンクラブが何かやるのかな?と注目していただければ嬉しいです。
詩部門としては先月開催された第1回会合の結果を報告しました。まだまだ決まらない、という、何ともシマラナイ報告でしたが、日本ペンクラブ始まって以来の詩人の会合だ、ということは強調しておきました。いかに詩人が冷遇されてきたかということなんですけど、詩人の側の内向きな姿勢にも問題があるんだなあ、これが。まあ、それはそれとして、こういう機会を与えてくれた執行部には感謝しています。
会の参加者は30名以上。一時期は20名ほどまでに減ったことがありますが、最近は30名ほどで推移しています。本来の実行委員該当者は70名ほどですから、まあまあの参加率でしょう。これから回を追うごとに参加者も増えていくものと期待しています。
○林哲也氏詩集『記憶の旋律』 |
2009.9.14 さいたま市南区 風心社刊 1905円+税 |
<目次>
T
舞踊 8 母の時間 12 影 16
道に描いた駅 18 染まる 22 熱い手 26
金木犀 30 道草 34 扇 38
満開 42
U
露天の湯 46 海の灯り 50 ぐい呑 54
流星 58 分水嶺 62 月夜 −愛犬・美貴へ 66
V
神がみの峰 70 紅いバンダナ 74 黒鹿毛 78
蔵の町 82 古代蓮 86 毛筆 88
W
ガラスの箱船 92 きしみ 96 砂に埋めた時計 100
歩幅 104. 舞台 108. 碁石海岸 112
ピエロ 116. 濃い影 120
あとがき 124
表紙画 あさい裕子
流星
仕事の帰り道
凍える夜空に
さえざえと星が張り付いている
流星群を見に行かないかと
深夜息子に誘われる
珍しいこともあるなと
二つ返事で車に毛布を積み込む
屋根に仕切られた狭い空をくぐり抜け
畑地に大きく開いた東の空を探した
七十年周期の未知の出遭いに
寒さを忘れ同じ方角の空を見つめた
息子と同年代の頃
尾根伝いの山小屋で
ふりしきる星明りに立ったことがある
漆黒の壁から
次々と若い光が
無数のピンホールから飛び出してくる
東の空に気まぐれな星が流れた
未来へ飛び散る星たち
想いを込めた光線を曳いて
どこに向かうつもりか
まだ息子に聞いていない
詩作を始めて6年という著者の第1詩集です。ご出版おめでとうございます。著者の、平易な言葉の裏の深い思考には以前から注目していましたが、まったく期待を裏切らない詩集でした。ここでは家族を描いたUから「流星」を紹介してみました。〈未来へ飛び散る星たち〉と〈息子〉が〈どこに向かうつもりか〉を重ねた素晴らしい詩篇です。無駄のない構成も好ましく感じます。
なお、巻頭の「舞踊」は拙HPですでに紹介しています。こちらも母上を描いた佳品です。ハイパーリンクを張っておきましたので、合わせて林哲也詩の世界をお愉しみください。今後のご活躍を楽しみにしています。
○季刊詩誌『詩話』67号 |
2009.9.5 神奈川県海老名市 林壌氏方・第三次詩話の会発行 非売品 |
<目次>
詩 川原を駆ける 林 壌 1
秋が来る 両角道子 2
日曜日の午後に 両角道子 4
見栄っ張り女の 日々 小山 弓 6
童話 チョウは生きている 増子敏則 8
題字 遠藤香葉
○佐久文学『火映』5号 |
2009.8.30 長野県佐久市 佐久文学火映社・酒井力氏発行 300円 |
<目次>
俳句 女体のやうな雪 春日愚良子3 随筆 きだみのる回想(1) 春日愚良子4
詩 秋はバラ/デコボコの春他 森貘郎 7 随筆.『老農詩集』あれこれ. 森貘郎 9
詩 詩もまた行動します他三篇 遠山信男 12 詩 僕らの時代/謙譲 地隆 16
俳句 叫ぶ 野中威 20 随筆 小諸日盛り俳句会が教えてくれる事
詩 四角い小さな空 作田教子 24 野中威 21
詩 したたる 田中眞由美26 詩 江の島 奥重機 28
創作 転落 酒井力 29 詩 あどけない疑問 小林広志 34
詩 ビンの中の嵐 藤原文子 36 詩 山の音(3)(4)他. 酒井力 37
コラム 文学賞の窓5 酒井力 40 深謝詩誌・詩集等 41
周辺覚書(5)追悼の辞 酒井力 43 執筆者住所 44
後記
表紙題字 春日愚良子 表紙板画 森貘郎 挿絵 土屋敏子