きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2009.9.4 筑波山・ガマ石




2009.10.13(火)


  その1

 小田原市国府津の「寄りあい処こうづ」で開催されている『鉄道資料本展』に行ってきました。西さがみ文芸愛好会代表代行の日達良文さんたち〈二宮鉄道愛好三人会〉の主催で、東海道線全線開通120周年記念協賛となっていました。会場には鉄道関係の資料が所狭しと並べられていて、なかでもD52101の写真が懐かしかったですね。私が高校生のころ御殿場線でよく乗ったSLはD5272で、それをタイトルとして詩も書いた覚えがあります。また、SL時代の国府津機関区には扇形の機関庫があって、当時の国労組合員に連れられて見た覚えもあります。そんなことを思い出しながら拝見しました。

 ちょうどFMヨコハマの「
THE BREEZE(街角レポート)」の取材が入っていました。レポーターの藤田優一さんが展示品を紹介したりインタビューをやっていて、それもなかなか面白い見もの(失礼!)でした。
 しかし、マスコミの威力って凄いですね。放送を聞きつけた近所の人たちが10人ほど、ギャラリーの前に集まってきました。

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 その人たちを尻目に、藤田さんを真ん中にちゃっかり写真を撮ってもらいました。撮影は受付を手伝っていたOさん。左が主催者のお一人、日達さんです。会場の雰囲気は背景でお分かりいただけると思います。会期は14日が休みで20日まで。お近くの人は覗いてみてください。入場無料。

 その足で日本ペンクラブ事務所に向かいましたが、それは次頁の「その2」で書かせてもらいます。




詩誌『黄薔薇』187号
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2009.10.10 岡山県倉敷市
田千尋氏発行 500円

<目次>
畑で・命の尊厳/吉田博子 P1         音魂/小舞真理 P5
砂針の心/志智桂子 P7            玉葱とわが包丁と・根もとのここから/井久保伊登子 P8
三歳児へ/川越文子 P11            柊・ウミウシ/田千尋 P13
生きる・白夜の頃に/椚瀬利子 P15       同和教育/小林一郎 P19
ポリシー・ある 特別な日に/一瀉千里 P21   ゆめ見たりは・そぎおとされて・動いている/境 節 P25
特集 吉田博子詩集『いのち』に寄せて P29
詩「母を見つめる」柳原省三 吉川悠子 杉本知政 白河左江子 一瀉千里 小舞真理 井久保伊登子 椚瀬利子 柴田洋明
俳句(雑詠)木村真一 P40           まだ まだ・母子像/吉田重子 P41
岬で/井久保勤 P43              別れの跡、後/麻耶浩助 P46
日食/白河左江子 P49             鴨川のほとり・蟹・何の約束もなく・春愁/釼持俊彦 P51
天への炎/吉川悠子 P55            年齢とは・ニンフたちの憩う湖のほとり/柴田洋明 P57
初恋喪失/岸本史子 P59            ひとつのもの/水島睦枝 P61
詩集紹介 上田由美子詩集(境) P63      斎藤亜樹子詩集(田)P64
同人の詩集・評論P10 歌曲「昼の夢」(椚瀬)P18 声(境)P24 故郷(岡田)P60
編集後記(田・白河・吉田重子)P65 同人名簿P66 表紙 近藤照恵




 
年齢とは/柴田洋明

年齢とは不思議なもので
今が一番若いのだ
このことをつい忘れて
もう年だからと
否定的な言葉で弱音を吐く

でも考えてごらん 君よ
君がたとえ 何才であろうとも
今が一番 若くて美しい
最期の年だから
来年もし 生きていたら というような
仮定を止めて
現在出来ることを留まらずにやろう

 〈年齢とは〉〈今が一番若いのだ〉という言葉にハッとしました。たしかに、常に今が一番若いし〈今が一番 若くて美しい〉。そう思うと〈否定的な言葉で弱音を吐く〉ことはなくなります。考え方を変えると、世の中が違って見えるようです。眼から鱗が落ちた思いをしました。




護憲詩誌『いのちの籠』13号
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2009.10.15 神奈川県鎌倉市    350円
羽生氏方・戦争と平和を考える詩の会発行

<目次>
【詩】
燕よ‥御庄博実 3               責任‥掘場清子 4
水の子ども‥中村 純 6            露天‥森田 進 10
蛆虫‥中 正敏 10               夕ベの埋葬‥島崎文緒 11
こうして突くんや‥麦 朝夫 11         みんなでうたおう‥日高 滋 12
黄金虫のイルミネーション‥堀内みちこ 13    夕陽を見たことがありますか‥渡辺みえこ 14
壁‥葵生川玲 15                やさしいかたち‥崔 龍源 16
省かれた手間/ピラミッド‥比尼空也 17     通学の途上で‥石川逸子 18
韓国イラク反戦・平和詩選集紹介(6)‥佐川亜紀訳・紹介 20
 ろうそくの火の海の真ん中にお坊さんが進まれるので維摩禅だなあ!(金芝河)/私の手紙(高銀)/110階の愛は(朴グァンソ)
第五福龍丸‥三井庄二 28            ほほえみ‥佐相憲一 30
冷凍庫‥甲田四郎 31              被害者/かげ‥山岡和範 32
葱坊主‥水川まき 33              本は開げないと燃えない‥柳生じゅん子 34
古代人のフルート‥白根厚子 36         呼ぶ声‥李 美子 37
今‥山野なつみ 38               かけら‥ゆきなかすみお 40
こまっています‥滝 和子 41          ボクのミュー‥奥津さちよ 42
声‥山田由紀乃 44               鬼灯‥日高のぼる 45
窓からの眺め‥うめだけんさく 46        男の本能‥築山多門 47
核とともに‥きみあきら 48           敵は何処に‥伊藤眞司 49
たくあんを噛みながら‥岡たすく 50       祖霊の風‥原子 修 51
風は台地を渡った‥大河原巌 52         人間の学校 その141‥井元霧彦 53
暑い、暑い夏‥南條世子 54           旧制中学の「日本史教科書」を読む‥池田錬二 55
【エッセイ】
先ず謝罪から‥池田久子 2           靖国神社の今日‥葵生川玲 22
鉄の柩‥吉光 悠 23              「焼いてしもうたらあかん」‥若松丈太郎 26
春ちゃん‥篠原中子 56             映画「鳴呼 満蒙開拓団」を見る‥羽生康二 57
あとがき‥60                  会員名簿/『いのちの籠』第13号の会のお知らせ‥61




 
ピラミッド/比尼空也

  ――無責任体制その二

責任には重さがある
不思議なことに
大きな責任ほど 軽く
小さな責任ほど 重い

大きかろうが 小さかろうが
とにかく重さがあるからには
責任は下へ 下へと滑り落ち
次第 次第に重くなる

責任は 最高責任者から
上位・中位・下位責任者へと
次々 次々と分割委譲され
最下位責任者へと辿り着く

最下位責任者から その先は
何と! 責任者とは縁無き衆生の
庶民の肩に食らい付くなり
〈自己責任〉と改名する!

斯くて 最高責任者は
最高無責任者となり
以下の各位責任者もまた
以下同様ということになり

ありとあらゆる責任はすべて
庶民の自己責任ということになり
巨大な無責任体側のピラミッドが
庶民の暮しに華を添える

 〈責任には重さがある〉という設定から始まった名詩だと思います。〈最高責任者は/最高無責任者とな〉るまでの論が見事です。企業で〈最下位責任者〉をやってきた私には身につまされますが、さらに〈庶民の肩に食らい付くなり/〈自己責任〉と改名する!〉と喝破しました。世の中の仕組みをこんなに単純に、こんなに明確に示した作品に初めて出合ったように思います。最後の〈庶民の暮しに華を添える〉というフレーズも決まりました。作者のお名前はたぶんペンネームで、“ひにくや”とお読みするのではないかと思いますが、決して皮肉ではなく、素晴らしい洞察だと思いました。




DVD『茶泉』朗読会/東京
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2009.9.20 撮影・編集:山の街企画

<朗読収録者>
小森香子・川原よしひさ・松本恭輔・関中子・志田信男・柳生じゅん子・堀内みちこ・石橋美紀・平本閣・竹中寛・みやざきことよ・くろこようこ・郡山直・松本映・内藤セツコ・川端進・田中眞由美・遠山信男・葛原りょう・永井ますみ・荒井愛子




 
9月20日 に経堂で開かれた朗読会のDVDです。うまく撮れていました。家庭用のDVDレコーダーとは思えません。どんな会だっかはハイパーリンクを張っておきましたのでご参照ください。






   
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