きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2010.1.13 静岡県函南町・丹那断層




2010.2.23(火)


 日本詩人クラブ新人賞受賞の友人・吉田義昭さんからジャズライブの案内をいただきました。拙HPで宣伝してもよいとのことでしたので、お知らせします。もちろん私も鑑賞させていただきます。


 
吉田義昭ライブ

日時 2010年3月20日(土)午後7時30分〜10時00分
場所 銀座シグナス
     中央区銀座8-6-18 第5秀和B2F 
http://www.jazz-cygnus-aries.co.jp
チャージ 2500円

プログラム
 1.7:30〜8:30
(1)
All of Me
(2)
Johnny Guitar(ジャニー・ギター)
(3)
* Diana
(4)
* Let Me Try Again
(5)
Strangers In The Night
(6)
Tennessee Waltz(テネシー・ワルツ)
(7)
* Mary Jane
(8)
* S’Wonderful
 2.9:00〜10:00
(9)
On the Sunny Side of the Street
(10)
* Misty
(11)
* One Way Ticket(恋の片道切符)
(12)
Monarisa(モナリザ)
(13)
Softry,As In A Morning Sunrise
(14)
Unchained Melody
(15)
Summer time(サマー・タイム)
(16)
It’s only a papermoon

 *印は今回はじめて唄う歌だそうです。今回のライブのエッセイを『鰐組、ポエムスタジオ レプサスに「空気の散歩 
http://book.geocities.jp/wanip2007/102jazz.html」という題で書いていますので、よろしかったらご覧になってください。
 また、吉田義昭さんは東京家政学院中高等学校の校長先生で、同校のHP 
http://www.kasei-gakuin.ac.jp/chuko/ に『校長日記』を書いていますので、お暇な時に読んでみてください、とのことでした。

 吉田さんは若いときにはプロのジャズシンガーでもあったという異色の詩人です。さわりだけは何度か聴いたことがありますけど、通しのライブは今回が初めて。今から楽しみです。




月刊詩誌『柵』279号
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2010.2.20 大阪府箕面市
詩画工房・志賀英夫氏発行 572円+税

<目次>
現代詩展望 戦後詩誌の探索と方法 杉野紳江詩集『虚空にもどる父』より…中村不二夫 74
戦後史の言語空間 続・(2)ニューギニア戦=山越え…森 徳治 78
流動する今日の世界の中で日本の詩とは(60) 短詩形と詩の実用性 年賀状に書かれたグリーティング・ポエム…水崎野里子 82
風見鶏 暮尾 淳 山崎一彦 石村勇二 樋口武二 畑中圭一 88
現代情況論ノート(48)人質商売…石原 武 90
『戦後詩誌の系譜』の補充に協力要請…志賀英夫 86

前田 孝一 白い街 4           黒田 えみ 鳥とわたし 6
中原 道夫 掘炬燵 8           北村 愛子 海女の指先 10
南  邦和 胡同 12            松田 悦子 息子よ 14
柳原 省三 黄昏時の海岸線 16       名古きよえ ゴリラの静寂 18
平野 秀哉 障がい者 20          西森美智子 草原の風 22
山崎  森 絵ハガキ 24          肌勢とみ子 光の道 26
小城江壮智 老桜 28            秋本カズ子 金網の空 30
進  一男 消えた人 32          織田美沙子 そのさきにも 34
安森ソノ子 生徒と教室で 37        郡山 直訳 ジョン ダットソン作 川が海と出合うところ 40
水木 萌子 見つめられて 42        中林 経城 冬の体験 44
小沢 千恵 文学館を訪ねて 46       門林 岩雄 晩秋 三面馬頭観音 48
長谷川昭子 夕焼けの町で 50        鈴木 一成 通り過ぎるもの 52
江良亜来子 冬物 54            小野  肇 昨日と今日と 56
月谷小夜子 呪縛 58            八幡 堅造 そないにヤイヤイ言わいでも 60
米元久美子 母 62             北野 明治 晴れ、みんな生きている 64
今泉 協子 雨宿り 66           佐藤 勝太 老いた笑窪 68
野老比左子 あけぼの 70          若狭 雅裕 三月 72

世界文学の詩的悦楽−ディレッタント的随想(45) 現代ロシア詩集より4 ブロッキーの亡命の詩1…小川聖子 92
現代アメリカ韓国系詩人の詩(12) 白い夢 ヤング・ホ・パーク…水崎野里子 96
世界の近代詩人の横顔(2)アルチュール・ランボー シャルル・ボードレール ウォールト・ホイットマン エリオット…佐藤勝太 98
映画逍遥(2)フェデリコ・フェリーニの『甘い生活』…三木英治 102
老人星ヲ見キヤ 杉山平一詩文集『巡航船』に寄せて…鈴木 漠 104
「柵」の本棚 三冊の詩集評…中原道夫 108
 日原正彦詩集『夏の森を抜けて』108 埴原年美詩集『愛するという言葉では軽すぎる』109 片岡伸詩集『なみだ雨』111
受贈図書 116  受贈詩誌 113  柵通信 114  身辺雑記 117
表紙絵 野口晋/扉絵 申錫弼/カット 中島由夫・野口晋・申錫弼




 
障がい者/平野秀哉

障害者って書き方はよくないよ
害には災いの意があり被害・害悪など否定的なイメージがある
昔は障碍者と書いていた
碍はさまたげになるもの で碍子・融通無碍ぐらいしか使われない

漢字制限の当用漢字(46年)からはずされ
常用漢字(81年)にも復活しなかった
戦前の日本語教育を受けた韓国のお年寄は
未だに障碍者って書くという
障害者では害のある人と誤解されてしまう

アメリカでは障がい者を
チャレンジド(
challenged)って呼ぶことがある
挑戦すべき試練を神から与えられた人
障碍も個性だという考えもある

新聞でも障がい者と平仮名書きをするようになった
2009年のウィンドウズ7には「障碍」が採用された

障がいや人権にかかわる漢字には
使用頻度とは別の判断基準が要る
障碍の碍は政治的な文字といえる
社会が優しい方向へ向うといいね
障害者でなく障碍者へ
文化審議会国語分科会は
10月の試案でどんな結論を出すことだろう

 〈碍子・融通無碍〉で、そういえばこんな字があったなと思い出しました。碍子はガイシになってしまって、なかなかお目にかかれない字ではありますが…。それにしても〈当用漢字〉や〈常用漢字〉は、本当にこれでいいのかなあと思ってしまいますね。もともとは教育の浸透をねらっての施策だったのでしょうが、日本の漢字文化という意味では考え直す時期にきているのかもしれません。〈碍〉1文字についての作品ながら考えさせられる詩だと思いました。




詩誌『兆』145号
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2010.2.5 高知県高知市
林嗣夫氏代表・兆同人発行 非売品

<目次>
道照上人(落穂伝・12)…石川逸子 1     あき・日暮れ……………石川逸子 12
紐…………………………山本泰生 14     天津乙女…………………清岳こう 16
窓の明り…………………増田耕三 18     じるたんぼ………………小松弘愛 20
数…………………………大崎千明 23     枯野(ほか)……………林 嗣夫 26
サンタクロースはいるのでしょうか ――後記にかえて……………………林 嗣夫 31
<表紙題字>     小野美和




 
天津乙女/清岳こう

たぶん五、六年
長くて十年で帰ってくると言った
農地解放のあおりをくって恵子ちゃんたちが発ってしまい
屋敷には天津乙女の大木が残され
私たちは中空に舞う花を見上げ見知らぬ国の新しい幸福を空想した

天津乙女は内戦のニュースに太り伸びあがり
クーデターの知らせに緑をほてらせ
ろくでもないうわさの数々を吸ってなお茂り
藁屋根はくさり雪が降りこみ 時おり土壁や鉄鍋の匂いが立った
遠い国へ移住した一家の消息はそれっきりになり

見知らぬ土地の見知らぬ開墾地の広大な農園はバナナのさやぎに包まれているだろう
乾いた土ぼこりにまぎれコーヒーを煎る香りなんかもしているだろう
一家はコティージでパーティを開く準備でてんてこ舞い手紙を書く暇もないのだ
お酒はラム酒なのだろうかコーラなども冷えているにちがいない
焼き立てのトウモロコシクレープにサボテンの実のコンポートも並んでいるだろう

恵子ちゃんは 時々 「赤とんぼ」を歌ったりするだろう
兎や小鮒がいなくなってしまったことも知らないで「ふるさと」も歌うだろう
がたぴしの木造校舎を思い浮かべながら「山北小学校校歌」だって歌うかもしれない
ドミニカ・安息日という名前の国に暮らしているのだから

屋敷跡は土台石だけになってしまったが
春がめぐるたび天津乙女は中空に姿をあらわし
百千の花は軽やかに地上にもどってくる

        ※天津乙女――肥後椿の品種名

 〈ドミニカ・安息日という名前の国に暮らしている〉〈恵子ちゃん〉を想う詩ですが、「山北小学校校歌」が出てきてびっくりしました。私の隣町が神奈川県山北町なのですが、たぶん違うでしょう。山北という地名は全国的にも多くあるのかもしれません。しかし、隣町かもしれないなあと想像しながら読むと、作品がより身近に感じられます。詩作品ですから、現実の地名など考慮しない方がよいと思いますけど…。〈ろくでもないうわさの数々を吸ってなお茂り〉というフレーズには魅了されました。




高松スタイルanki5号
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2010.1 香川県高松市
高松丸亀町づくり株式会社発行 非売品

<目次>
特集・つながる「食」
03 私たちの「未来の食卓」は大丈夫?
05 「食」について聞きました。映画「未来の食卓」アンケートより
07 日本の「食」に何が起こっている?
09 香川でも始まっています! 人とまちと食をつなぐ取り組み
11 丸亀町「食プロジェクト」、始動
13 香州のスローフードはここから 「オリーブガーデン」オープン
15 ミクニフレンチ 美味しさの秘密
17 私の宝物 〜特別注文の贅沢〜
19 丸亀町印の「おみやげもの」開発委員会
21 インフォメーション




 
日本の「食」に何が起っている?

「21世紀は人類史上初めて、大人より子どもの方が健康的に劣る時代」というショッキングなニュースが、2004年、パリのユネスコ会議で報告されました。飽食の裏側で、いったい何が起こっているのか。食環境ジャーナリストの金丸弘美さんに聞きました。

「食育」運動のそもそも…
 世界で最初に食と病気の関係が注目されたのは、米国の「マクガバン報告」(1975年)です。当時、米国で死亡原因のトップだったガン患者の3割が、肉食過剰の偏った食生活が原因だと報告されたのです。これを機に、米国では本格的な食育運動が始まりました。ちなみにその時にお手本にされたのは“日本食”だったんですよ。
 ところが日本でも食の欧米化が進み、現在は1600万人が糖尿病または予備軍とされ、私たちは医療費を年間31兆円、一人当たり28万円も払っているのです。また、インスタント食品など食の簡易化は、食品添加物という新たな健康被害を引き起こしました。

戦後に始まった「食の工業化」
 日本で食環境が大きく変化したのは戦後のこと。高度経済成長と共に人口が急増し、それを支える食の大量生産が必要になりました。言わば「食の工業化」。品質管理の名目で、長持ちさせるために防腐剤が、風味を安定させるために化学調味料が使われ、いつでもどこでも“変わらぬ味”が良しとされたのです。
 一方農村では、生産効率を上げるために大量の農薬や化学肥料が使われ始めました。ちなみに日本の耕地面積あたりの農薬使用量は、韓国に次いで世界2位。この数字は、農家が半数以下に減った今も、70年代からあまり変わっていません。
 こうした農業の近代化は、やがて農夫たちに深刻な健康被害をもたらしました。そして皮肉にも、かつて近代農業を推進してきた人たちが、今度は有機農業の必要性を訴え始めたのです。

今、私たちに出来ること
 ところで、すっかりおなじみになった「スローフード」という言葉。日本ではファーストフードと対義の食習慣のように思われがちですが、本国イタリアでは、農業や環境問題、食に関する伝統文化の継承など、あらゆる領域を網羅した社会運動を意味します。
 1980年代に、イタリアで最初にこの運動を始めたのは、ジャーナリストたちでした。彼らはブドウ農園に行き、ブドウの品種や栽培方法、ワインの製造工程などを取材し、都会のワイン愛好家たちに知らせたのです。ワインを愛し食文化を守りたいなら、大量生産された安いワインと、農家が大事に育てたワイン、どちらを飲むべきかとね。彼らは食品の背景を正しく伝えることで、安全で美味しいものを作り続けるには、消費者の理解と協力が不可欠だと訴えたのです。
 日本で言うと、例えば「地産地消」という言葉があります。せっかく地元で採れた野菜や魚も、化学調味料入りの量産された醤油やみりんで味付けしたのでは、都会のチェーン店と変わらない。その地ならではの伝統的な醤油や味噌を使うことで、地域の滋味深い味の個性が生まれるのですから。つまり、ここ何十年かで画一化されてしまった食文化をもう一度見直し、風土に根付いた味覚の多様性を掘り起こしていくことが、地産地消の本当の意味ではないかと思うのです。地域の元気な食が一つにつながって始めて私たちの健康な食が保たれる。そこに子どもたちの未来の食卓もあるのではないでしょうか。

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 日本ペンクラブ「国際ペン東京大会2010」実行委員会でご一緒している食環境ジャーナリストの金丸弘美さんより頂戴しました。金丸さんは「食からの地域再生」をテーマに全国800ヵ所の農山漁村を取材し、昨年の映画「未来の食卓」では監修も務めました。近著の
『田舎力〜人・夢・カネが集まる5つの法則』は拙HPでも紹介しています。ハイパーリンクを張っておきましたので、よろしかったらご覧ください。

 今回いただいた雑誌は
香川県高松市の高松丸亀町づくり株式会社発行のフリーペーパーです。「anki」は“安気(あんき)”と読み、讃岐弁で心に苦しみがなく、気楽で穏やかなことだそうです。
 紹介した文は金丸さんへのインタビュー記事ですが、顔写真入りで大きく扱われていました。拙HPをご覧になっている方には高松市在住の方もいらっしゃいますので、どうぞお手に取って読んでみてください。〈「21世紀は人類史上初めて、大人より子どもの方が健康的に劣る時代」というショッキングなニュース〉にどう対応するのか、多くのヒントが述べられています。〈ちなみに日本の耕地面積あたりの農薬使用量は、韓国に次いで世界2位。この数字は、農家が半数以下に減った今も、70年代からあまり変わっていません〉という指摘にも考えさせられますね。






   
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