きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2008.11.21 静岡県裾野市・五竜の滝




2008.12.21(日)


 日本詩人クラブが招聘して来日中のアンバル・パストは、今日は横浜詩人会で講演を行いました。正式には「横浜詩人会創立50周年記念 メキシコの詩人アンバル・パストを迎えて講演と朗読の集い」という名称です。午後2時から中区寿町のLプラザ会議室にて、コーディネーターは細野豊氏でした。

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 最後列の席から携帯で撮りましたので、見苦しい写真でゴメンナサイ。詩人クラブの講演でも演奏してくれた、尾山修一さんのサックスとの競演です。詩人クラブの時と比べて、会場が狭いせいか、親密感は増したようです。
 と、まあ、そんなことを報告されても面白くないでしょうから、ここは当日のリーフレットにあった「わたしが男だったとき」を紹介してみます。リーフレットでは一部しか載っていませんが、一気に全文を紹介します。アンバル・パストとはどういう詩人かがお分かりいただければ嬉しいです。

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わたしが男だったとき  アンバル・パスト  細野 豊・訳

わたしは男だったときサン・クリストバル
(*1)に住んでいた。山の上、南の、グアテマラとの国境、人々が竪琴を弾くところ。マヤの白い道の十字路に。わたしは石畳の街路を歩いた。霧の中を歩いた。幾度も恋をした。

今わたしは女なので、タクシーに乗ると運転手が尋ねる、

「あんたはこの土地の人じゃないね? 」

「わたしは誇り高いメキシコ人よ」とわたしは答える。

「あんた、メキシコ人と結婚したね? 」と意地悪く言う。

「ええ、いろんな男と。」

わたしには銀のマスクを着けたプロ・レスラー、エル・サントと結婚した友だちがいる。彼女は彼が出る映画には必ず出演した。美人で金髪。今や彼女は名の知れた作家だけれど、けっしてこのレスラーのことを書かない。けっして自分の別の人生のことを話さないわたしに似ている。祖母が家族に流れているチェロキー族
(*2)の血のことを訊かれると話題を変えてしまうように、わたしはチャタンノーガ(*3)にいる叔父のことを話さない。

「彼らは混血それとも名門?」、店の女主人は知りたがる。入浴する者あるいは体臭の強い者にとって、カスティーリャの石鹸は上等だ。

お金の匂いは皮膚を白くし、偏見を和らげ、客の品位を高める。
「そのとおり、でもきみは彼らの歯医者へ行くでしょ?彼らにきみから血を虱を取らせ、きみとの間で子どもを作らせるでしょ?きみはレスビアンが書いた小説を読むでしょ? 」

  *

「はい、そうです、何年もの間わたしはここへ来たり、向こうへ行ったりしていました。わたしはここの生まれではありません。たくさんの男たちと寝ました。今街で会う、向こう側の歩道をわたしの方へ歩いてくる男たち。何人かは、暗闇の中で抱き合ったことがある人だと分かります。今はもうほとんど会いません。

はい、ひとりひとり覚えています。同じ名前の男
(ひと)が多かった。不思議ですね。言葉を交わさなくても、二区画離れたところからでも、それがRという人かどうかすぐに分かりました。

Rというのは歩き方、まなざし、偉大な民族のひとつ。Rたちのうちのひとりはわたしの最初の男でした、わたしがここへ来たとき別れてきました、それで彼は二十年もわたしを待って、ついにわたしと同じ名前の女
(ひと)と再婚しました。ムンダという名前の人と。本当です。わたしはそんな生き方をしてきました。

アルファべットを全部体験しました。Aという男たちからBという男たち、Cという男たちまで。Dはマホガニーの匂いが、Fは甘い煙草の匂いがしました。Hは塩辛い味でした。Jたちはベッドの中で歌をうたう癖があり、Kたちは詩を朗読しました。Lは暑い土地のハンモックに寝ていました…。

なんとかして彼らの名前を思い出そうとしています。昇りつめる瞬間Nの名前を呼ぶかわりに、間違えてMと叫んだりしたら大変ですから! 物事を込み入らせないように、いつもRにしています。わたしは彼らにとても誠実でした。全ての男たちに。

タクシーの運転手たちがわたしの結婚問題に触れてくると、わたしはそれ以上質問させません。わたしは黙りこみ、彼らに言葉を呑みこませます。けっして彼らの胸を焦がすようないやらしい質問はさせません。

「あいつのあそこの毛は何色かね?」と先住民たちがわたしの方を見ながら運転手に尋ねるのをわたしは聞いた。

わたしは少年だったとき金髪の女が好きだった。今は大人になったので、白人女たちはわたしを「黒」と呼ぶ。わたしが娘とその母と一緒に街を歩くと、みんな娘が白か黒か確かめようと振り返る。

  *

革命的だと思っていた人たちが、多くの場合固定観念に囚われてしまっているのには驚かされる。

ある人たちはわたしと実際に知り合いになると、憤慨して言う、「あんたはほんとにムンダ・トストン?」

わたし自身が本当のわたしを誘拐してしまい、誰か他の人になったかように振舞っているようだ。

文通していると、わたしの顔を見、わたしの声を聞く前に、彼らはわたしを好きになる。わたしに会いに来る。何度もわたしの家の戸を叩く。伝言を置いて帰っていく。

顔を突き合わせてみると、わたしは彼らがわたしの青い目が気に入らないことに気づく。わたしの訛りが彼らの気にさわる。彼らは怒ってしまう。

(街を歩いているとき、彼らはわたしたちに挨拶しない。「こんにちは」とも何ともいわない。わたしたちが犬であるかのように。)

ガッシュ
(*4)の推理小説の中でわたしたちはみんなテロリストだ、そして左派の友だちの多くにとってわたしはCIAだ。その上、彼らによれば、わたしは金持ちだ。彼らはわたしに、尻に短剣を突き刺すような憎悪の目を向ける。人種差別の匂いがする。リンチを加える者たちの恨みではなく、子どもたちを陵辱する者たちの侮辱だ。

「あんたはどこから来たの?」と彼らはわたしに尋ねる。

「どの世界
(ムンド)、どの地域(ムンダ)から?」

ある夜、泥の家でひとりの先住民の女が、動物を飼い慣らすようにわたしの体中を撫でまわした。

「あんたは女だよ」とついに彼女はいった。「子どもだって生めるよ。」

わたしは、植物から動物へ、大地へと移動する鉄の原子に乗って旅をする。

黒い蝶の群れが町の中心部の街灯の周りを巡る。それらは死からの挨拶を運んでくると言われている。その命は一夜限り。羽の動きが止まり、車両に押しつぶされる。

わたしがここへ来たとき、この町には車が二台しかなかった。その頃わたしの歯は丈夫だった。交通量が増すにつれて虫歯が増えた。わたしの微笑の荒廃は建築物の破壊を反映している。歯から歯へ、石から石へとわたしたちの崩壊は進んでいく。大聖堂の地下に駐車場が造られたとき、悪魔が自らわたしの歯を治療した。

世界が始まったとき、神々がサン・クリストバルに住んでいた。そこで生命の木が生まれ、歌が、詩が、絵が芽吹いた。貪欲と乱痴気騒ぎが。生命の木が切り倒され、聖なる木の血が溢れだし、生命力が流れだす中で時間が現れた。過去と未来が生まれた。

わたしは男だったとき、カフェ・セントラルへ白人女をひっかけに行った。青い目の金髪女が後ろのテーブルで琥珀を売っていた。彼女はそれを籠に入れていた。それはチャムーラ
(*5)の少女たちが腕輪を作りはじめるずっと前だった。フランス女たちはピアスを買い、イタリア女たちはネックレスを買った。マヤの人たちは邪悪な目の病気を防ぐお守りを探した。赤い琥珀の手、心臓。

「あんたは先史時代の蜘蛛を見たいの?」と白人女がわたしに尋ねる。彼女は琥珀の中に捕まっている小さな蝶を見ている…これは売らないわよ。光の中を飛んでいる様子が見えるかしら?

  *

チアパス行きの飛行便が遅れている。パイロットたちがストに入っているのだ。飛行機は地上に止まったままだ。わたしの女友だちとわたしは空港の絨毯に一晩寝た。朝になってからファウスタという女に電話して、彼女の家でシャワーを浴びさせてもらえるかどうか尋ねた。「いらっしゃいよ」と彼女はキリスト教徒らしくわたしたちを招待した。「マリファナのいいのがあるわよ。」わたしたちは通りで流しのタクシーを拾った。

「金髪のお客さん、どちらまで?」と運転手が尋ねる。

「チアパスまでお願いします。」わたしは笑いながら答える。

「よし、行きましょう。」

女友だちとわたしに、この考えはとても素晴しく思えたので、そうすることにした。

「飛行機代の半額の料金でいいですよ。俺にも旅は気晴らしになるから。」と男は愛想よく言った。

メキシコ・シティを出たときはもう遅かった。プエブラ
(*6)へ着く前に日が暮れた。「何かのときのために」と運転手の義弟がついてきた。誰もしゃべらなかった。暗がりの中で鏡にぶら下がったプラステイック製の頭蓋骨が光りはじめた。とあるガソリンスタンドに立ち寄ったとき、わたしはタクシーの座席に血まみれのされこうべの模様がついた赤と黒の布が張られているのに気づいた。

女友だちとわたしは顔を見合わせた。アドレナリンで血管が凍りついた。何とか神経を鎮めようとしていると、彼らは六個入りカートンを買ってきた。そこはもうベラクルス
(*7)だった。冷たいのはどうかと勧められたが、いらないと断った。

高速道路を走る車はほとんどなかった。密林の中の一本道で、真夜中の生ぬるい風が吹き、蝉が竪琴を奏でていた。

善と悪との国境は地理上のどこにも存在しない。それはソルジェニツィンが言ったように、人間ひとりひとりの心を分断しているのだ。

「先住民はみんないい人よね、そうでしょ?」と女友だちがわたしの耳元でささやいた。

「最高にいいわよ!」とわたしはXやYやZを思いだしながら言った。

タクシーの運転手が、彼の両親は別のある言葉を話していたのだが、恥ずかしがってそれを彼には教えなかったと語りはじめた。彼らは田舎を捨ててメキシコ・シティへ来て、荷役の仕事をした。運転手は自分の生い立ちを語りはじめた。国際空港で知り合ったばかりなのに、わたしたちは一緒にサン・クリストバルへ向かっていた。そこがこんなに遠いとは知らなかった。

一晩中わたしたちは暑い大地を走った。蝉たちの交響楽、おぼろな星空、燃えている砂糖黍畑。目が覚めたとき、海岸線を走っていた。マンゴーが熟す季節だった。

「前世では、わたしの髪は黒かったの」と女友だちが大きな声で言った。「髭を生やした、文盲の若者だった。ゲイが怖かった。ええ、よく覚えているわ!」

運転手はとても多くの先住民の男たちが山刀や鋤を持っているのを見て、驚いていた。頭にイグアナを乗せている女たちにも。彼は、高速道路に出たのはこれが初めてだと告白した。はやく首都へ帰りたがっていた。

  *

「ええ、わたしはずっと前に、どこへ行こうとしているのかも分からずに、ここへ来たの。遠くから、とても遠くから来たの。あなたのと同じようなタクシーに乗って。焼けつくような太陽の下、トゥクストラ
(*8)で止まったの。そして、サン・クリストバルへの道を尋ねたの。」

老人が山並みを指差しながら言った。「ああ、高原の都市までは一時間半かかるよ。あそこには林檎や寒い土地に咲く蘭があるよ。苔と樫の山々も。呪術師たちが香を焚いているよ。あそこではみんなが詩人だそうだ。そうではないと証明されるまではね。」

わたしは男だったとき、けっして女を犯そうとは思わなかった。わたしは犯されたいと思っていた。サン・クリストバルで拾えるようなフランス女たちにわたしを愛撫してほしかった。知り合ったひとりの女が住所を教えてくれた。彼女はメキシコ中をヒッチハイクして回っていた。たったひとりで、大きなトラックを捕まえて。

わたしは少女だったとき、マリーア・エマ
(*9)はチョコレートで出来ていて、わたしはバニラで出来ていると思っていた。月日は時計の針と反対の方向に回り、数字はとりどりの色に染まっていた。恋する女たちに子種を植えつけるひとりの神がいた。彼の舌はわたしの体中、クリトリスまで這い回り、その間わたしは天使に祈っていた。

  *

わたしがいつ頃男だったのか覚えていない。覚えているのは娼婦になるため女になりたかったということだけ。白人女たちがわたしを愛撫するためにお金を払ったのは確かだ。

  * 

雲のようにわたしは変身する。サン・クリストバルはわたしの蛹。飛べるようになるまでに、わたしは何年ここにいなければなければならないのだろう?


(訳注)
*1 サン・クリストバル=メキシコの南東部、グアテマラと国境を接するチアパス州の都市。一五二七年の創設以来一八九二年まで同州の首都だった。
*2 チェロキー族=米国の先住民の一部族。
*3 タチャタンノーガ=米国、テネシー州の都市。
*4 ガッシュ=米国大統領、ジョージ・ブッシュを指す。
*5 チャムーラ=メキシコ、チアパス州の先住民、チャムーラ族の村。
*6 プエブラ=メキシコ、プエブラ州の首都。
*7 ベラクルス=メキシコ、ベラクルス州の首都。
*8 トゥクストラ=メキシコ、チアパス州の首都。
*9 マリーア・エマ=女性の名前。チョコレート色の肌をしている。




桜井さざえ氏詩集『海の伝説』
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2008.12.22 東京都新宿区 土曜美術社出版販売刊
2500円+税

<目次>
 T
倉橋島本浦 桂ヶ浜 10 横島 13        室尾 16
室尾 三味線 19    室尾 若衆宿 23    室尾 娘宿 26
おうらさん 30     
(おこぜ) 33.     満月 36
精六やん 39      鹿老渡
(かろと) 岩屋古墳 42
鹿老渡 伊勢ヶ浜 46  鹿島 49
 U
海の旅人 54      夢を売る男 57     海の幽霊たち 61
盆の幽霊と魚 64    牛鬼 67        産女
(うぶめ) 70
濡れ女 73       磯女 76        共潜
(ともかず)き 80
 V
船おろし 84      海の神々 87      たでる 90
楽しく騙して 94    波止場に 97      倉橋島沈没 100
匠の手 104
.      八十人カ所参り 107.  七夕祭り 110
ざざくり 113
.     仏壇 117.       旧家 120
猪 123
 W
石の島 126
.      立石 129.       俵岩 132
どんがめ岩 136
.    くじら岩 140.     夫婦岩 143
帰鳥鼻
(きちょうのはな) 140 空き家の白猫 149.   西蓮寺 152
鳥越の丘 155
.     ありがとう と言って− 158
解説 神品芳夫 162
あとがき 168




 (帯文より)

 詩人はいわば生者と死者を代表して自分たちの郷土を歌い上げているのである。桜井さざえがあってこそ、倉橋島があるのであって、その逆ではないのだ。――神品芳夫・解説より

 ※本詩集中の「室尾 娘宿」(初出は
「娘宿」)と「濡れ女」は、すでに拙HPで紹介しています。ハイパーリンクを張っておきましたのでご参照ください。




月刊詩誌『柵』265号
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2008.12.20 大阪府箕面市
詩画工房・志賀英夫氏発行 572円+税

<目次>
現代詩展望 詩人の社会性と言葉の開示 伊藤桂一「現代詩の方向性について」…中村不二夫 74
戦後史の言語空間(2) 餓死について…森 徳治 78
流動する今日の世界の中で日本の詩とは(48) 国際進出の日本の女性詩人たち・結城文さん原爆短歌翻訳…水埼野里子 82
風見鶏 若山紀子 草薙 定 川島 完 植村秋江 真久田正
現代情況論ノート(32) 恐慌と戦争…石原 武 88
詩作品□
柳原 省三 鳥 4             松田 悦子 ツルの蔓返し 6
小城江壮智 ゆきふる 8          名古きよえ 石垣 10
中原 道夫 携帯電話 12          小沢 千恵 柳行李 14
平野 秀哉 認識 16            黒田 えみ なぞ 18
三木 英治 ワルツと孔雀 20        肌勢とみ子 考える 22
佐藤 勝太 少年の笑顔 24         織田美沙子 最後のひと匙 26
進  一男 一本の木 28          北村 愛子 冬の日に 30
山崎  森 PEACE POT MICRODOT 32     南  邦和 古代史人名事典2 35
西森美智子 嘘つきの日向 38        北野 明治 親切な人びと 40
安森ソノ子 葬送船 42           宇井  一 弱い人 44
江良亜来子 朝の月 46           八幡 堅造 来たら来たで… 48
月谷小夜子 母の墓前で 50         鈴木 一成 わが「俗世間つもりちがい 十箇条」 52
水崎野里子 ヒロシマ連詩8 54       門林 岩雄 秋の街 他 56
秋本カズ子 やまびこ 58          小野  肇 信号 60
川端 律子 宇宙人・私 62         若狭 雅裕 去年今年 64
野老比左子 バラの湯舟に 66        前田 考一 利平粟 68
今泉 協子 おろち 70           徐 柄 鏡 月の今昔 72

世界文学の詩的悦楽−ディレッタント的随想(31) 小熊秀雄小論−苦しみの歌に耳傾けて…小川聖子 90
メキシコ・アカプルコ 世界詩人会議に参加して…川端律子 94
心に残った五冊の詩集…中原道夫 96
 岡島弘子『野川』 木村迪夫『光る朝』 名古屋哲夫『身の闇』 中原澄子詩集  江口 節『草蔭』
受贈図書 106   受贈詩誌 103   柵通信 104  身辺雑記 107
表紙絵 申錫弼/扉絵 中島由夫/カット 野口晋・申錫弼・中島由夫




会報『新しい風』13号
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2009.1.1 川崎市川崎区
金子秀夫氏代表・川崎詩人会発行 非売品

<目次>

歳末/金子秀夫 1
神の急所――綿打谷だより(1)/亀川省吾 1
小さな優しさでも/田川紀久雄 3
エッセイ
わたしの気になる男たち/中田紀子 2
詩と死めぐり・その(2)――ヘルマン・ヘッセ『人は成熟するにつれて若くなる』/金子秀夫 4
私的川崎雑記(4)/長谷川 忍 9
お向かいの人/坂井のぶこ 10
創作童話 三婆/地 隆 6
会員詩集紹介 清水博司詩集『ことばは透明な雫になって』/金子秀夫 8



   
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