きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2008.11.21 静岡県裾野市・五竜の滝




2008.12.23(火)


  その2




北野丘氏詩集『黒筒の熊五郎』
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2008.12.20 東京都大田区 ダニエル社刊 2200円+税

<目次>
 T
黒筒の熊五郎 10              離れ小岩とマッカナジョウリコ 12
dondon titiika 16             ハニワ魔神外伝 20
森の子 24                 熊笹の女 28
キン ぽたり。キン。。 36         南部鉄のジャータカ 40
 U
簀巻き奥さん 46              ゴンドラ巡礼 50
閑静な住宅街の禁足地 鳥さん 56      閑静な住宅街の禁足地 切り株 62
ぽんぽんダリヤ 68
 V
揺れる赤いN 74              夕暮れまでそうして 78
窓に月がのばれば 80            十能 82
りんご箱 石炭箱 88            夢の近傍 92
ひと夜ひと夜に 96
 W
春裂くパロール 100
.            かわうそとおっぱい大魔王 102
完全同質のオサカナさん 106
.        氷河のなみだ 110
ゆずへ 116
.                冷たいスリッパ 118
フーコーの振り子が青ざめてとまった 120
.  風の双曲線 122
装画 著者




 第1詩集です。ご出版おめでとうございます。この詩集に収められた作品の多くは、以前、手作りで刊行した詩篇集に載せられたものです。拙HPではそれらをすでに紹介していますから、この詩集からの新たな紹介は差し控えます。すでに紹介してある
「黒筒の熊五郎」「離れ小岩とマッカナジョウリコ」「簀巻き奥さん」「冷たいスリッパ」にはハイパーリンクを張っておきました。初出から若干改稿されていますがご参照ください。
 今後のご活躍を祈念しています。




詩と訳詩のざっし『火片』169号
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2008.12.15 岡山県総社市
井奥行彦氏編集・火片発行所 500円

<目次>
弁護されるもの クラウス・マルテンス 鈴木 俊訳 1
【詩篇】
秋桜日和        竹内 志歩 9    夏の草取り      柏原 康弘 10
扉           妹尾 礼子 11    水夢         神崎 良造 12
海へのあこがれ     赤羽  学 13    デビュー       石原富貴子 14
蝶蝶          玉上由美子 15    音          白神直生子 16
記録 母永瀬清子の思い出 井上奈緒 2
【詩篇】
朝の音         石川 早苗 17    ワイングラス     則武 一女 18
プレゼント 外    しおたとしこ 19    今日は何の日?    木村 雅子 20
第一印象        岩崎 政弘 21    研ぎ澄ました牙で 外 藤原由紀子 21
石炭 ストーブ   はやし・さちこ 23
記録 道すがらの記6−国民学校(1) なんば・みちこ 5
【詩篇】
椀           重光はるみ 24    果実の宴       川田 圭子 25
はこ          斉藤 恵子 25    模作中        山川 公恵 27
エッセイ 雑煮     岩崎 政弘 7
【詩篇】
蝿           山下 静男 27    老千行        皆木 信昭 29
ヒロシマ 宇品港  なんば・みちこ 30    紫と白        片山ふく子 31
しゃぼん玉       岸本 史子 31    自分史 外      竹内千恵子 32
デイサービスセンター  中桐美和子 35    風のレクイエム    井奥 行彦 36
海よ          辰巳 信子 37
読者のページから 担当 山下 静男
言葉という花 外    小林 幸子 38    茶髪の娘    やまだ じゅんこ 40
編集のあとに…三奥




詩誌『明日』14号
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2008.7.1 埼玉県桶川市
三義宗陽氏代表・明日の会発行 400円

<目次>
本5 聖書「わたしの足のともしび通り道の光」たじゆきこ
◆詩◆
ことばはかなしい:石原 武 2       陰暦八月の太鼓:三義宗陽 4
浮遊:佐々木晴美 6            黒いマント:たじゆきこ 8
省線:岩崎葉子 10             天保の銀木犀:植田美恵子 12
黄足毒蛾−自然教育園にて−:ふじわらなほこ 14
夜想曲:湊谷直子 22            PARTS・SHOP:圓航瑠眞 24
猫の神様:碓氷恵美子 26          吉沢翠さん送別の詩:藤あきら 28
お引越し/雪の町/いのる:吉沢 翠 30   神曲/森の記憶:山ア 実 32
傾斜:佐藤 敏 34
Essay
海外情報 聖火リレーとヒットラー:石原 武 16
音楽 音楽 きょろん 虚論(10):三義宗陽 17
映像文化と加工品の中で:佐藤 敏 18
「詩入門」へ続く道(二):藤あきら 20
料理 自分流の料理(9):佐々木春美 21
袖振り合うも(7):圓航瑠眞 36
私の小説履歴:植田美恵子 37
英詩と私 W:ふじわらなほこ 38
間奏曲 40                 カット:山崎 実




 
PARTS・SHOP/圓航瑠眞(まるこるま)

何度も前を通っているのに
気づかなかった
あの扉

白い髪の 女が
吸い込まれるように
中に入っていった

天井までアクセサリーのPARTS
ガラスや金属に混じって
天然石の彩り

黒玉 碧玉 翠玉
奥は まるで
洞窟のよう

紫珠 朱珠 紅珠
行く ほどに
赤石ばかり

気がつくと
周りは 全て
柘榴石

女は 子宮から
柘榴石を取り出すと
万能細胞 の
ショーケースに飾った

月の光が
少女になった 女を
照らしている

 拙HPでは初めて紹介する詩誌になります。紹介した作品の「PARTS・SHOP」とは、直訳すると部品店でよいと思いますが、宝石店という意味もあるのかもしれません。しかし、第7連から考えると、そのまま部品≠ニ採った方がよいのでしょう。
 〈子宮から/柘榴石を取り出す〉というイメージはなかなか掴みにくいのですが、最終連の〈少女になった 女〉というフレーズが鍵かと思います。少女から女になったのではなく、逆の、女から少女になったのですから、時間の逆接とも順接とも採れ、おもしろい処です。少女から女へ、そしてまた少女へと、私は順接で捉えてみました。〈柘榴石〉は女性性の象徴なのかもしれません。



   
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