きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2008.11.21 静岡県裾野市・五竜の滝




2009.2.9(月)


 今日も特に外出予定のない日です。終日いただいた本を拝読して過ごしました。




宍戸節子氏詩集『ちょっと違うだけで』
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2008.12.25 東京都新宿区 土曜美術社出版販売刊 1600円+税

<目次> カバー:著者「水底I」2007年 水彩 80F
湯葉 6         たか莱漬け 8      さわし柿 12
アイスクリーム 14    牛乳 16         パン 20
豆腐のにがりと凝固剤 22 糠床 26         ソーセージ 28
ポテトチップス 30    たくあん 34       ほぐす 36
ヨーグルト 38      圧搾と抽出の油 40    コンニャク 44
納豆の旨みと糸 46    かまぼこ 48       ドーナツの穴 52

消し炭 56        母 58          これくらい 62
祭りの綿菓子 66     祭り(献り)の綿菓子 68  恋 70
春の海 74        日の入り 76       夏の海 80
雨の音 82

歌垣の故郷 86
あとがき 92




 
湯葉

豆乳の熱を上げていくと
表面に湯葉が張る

はしゃいだとき
テンションを高くしたとき
自分を見詰める膜ができる
醒めながら
いつものわたしに戻りながら
はしゃいでいた自分がみえてしまう

ずれていた会話
あなたを
掴んでいなかったことがすけてきて
切なさが回りだす
まわりながら
突いてくる

あなたと暮らしていると
合わない部分が
寂しげな膜になる

心は
掬い上げたばかりの湯葉のように
頼りなげに震える

 第1詩集です。ご出版おめでとうございます。詩集の前半は詩誌『砂漠』に
ちょっと違うだけで≠ナと題したシリーズ物です。私もその多くを記憶していましたが、あとがきで食品加工学を教えている先生だと知りました。食品加工学は化学の分野と言ってよいでしょう。生業で化学工場に勤めていた私にもよく判る作品ばかりです。作品は食品加工学と人間の心理を巧みに結びつけた詩が多く、画期的な詩集と言えます。ここでは巻頭の「湯葉」を紹介してみました。湯葉の生成と性質を夫婦の関係に喩えて、おもしろい味を出した佳品だと思います。
 詩集中の
「ヨーグルト」はすでに拙HPで紹介させてもらっています。初出からかなり改訂されていますがハイパーリンクを張っておきました。合わせてご鑑賞ください。今後のご活躍に期待しています。
 なお、3連目の<掴>は、詩集では正字ですが、機種依存文字です。ブラウザによっては見えない人も出てきますので、表示のようにさせていただきました。ご了承ください。




山崎森氏詩集『ラピスラズリの空へ』
lapis lazuli no sora e.JPG
2009.2.23 大阪府箕面市 詩画工房刊 2000円+税

<目次>
T
      津軽海峡 10          ラピスラズリーの空へ 13
    五枚のハガキ 15             河童ノオト 1 19
   河童ノオト 2 22               聖者の行進 25
    最後の写真を 28            白のマドモアゼル 30
二〇〇七年のトルソオ 32          二〇〇八年のトルソオ 35
    二行詩の狂言 38              投降者の墨守 41
U
     通り魔 A 46              母性愛の幻想 50
         首 52              バス停の名前 57
   寸劇 GASE NETA 60              尻取り遊び唄 62
    風に吹かれて 64                石の啓示 66
    食卓の縄張り 69                 塩昆布 70
     ムンク通り 74
V
     犀川の辺で 80               石の受難曲 82
     誇りたかく 84               勿忘草控え 86
      風の素描 88             バスセンターで 90
       一歩後 92                花札占い 94
       空模様 96               三冊の聖書 98
       男の夢 100
.              だおれ甚句 102
  揚羽蝶のとぶ晩夏 104
.                夏かぜ 106
     Y氏の状況 108
     えぴろーぐ 112
.              著者・略歴




 85歳になった著者の2年ぶりの第10詩集です。人生のおかし味も重さも結実した新詩集。お薦めです。
 拙HPでは、この詩集の
「津軽海峡」「最後の写真を」をすでに紹介しています。ハイパーリンク先をご参照ください。




隔月刊会報『新・原詩人』22号
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2009.2 東京都多摩市 江原氏方事務所 200円

<目次>
《この詩 20》ドイツ語からの訳詩2片/訳と紹介:江原茂雄 1
詩 ブタ君の手紙/宇治川セツコ 3     『礫』32号より 3
読者の声 3                詩 非表示の/下前幸一 4
詩 そんな気分/木村まき 4        詩 秋/長谷川修児 4
短歌 太田敦子・深志聖子 4        川柳 乱鬼龍 4
ふるさとを失わないために/浦島悦子 5   詩 おれは天才詩人だった 5
私の「裁判員制度」感/御崎勝江 6     リリアナと婆さんの楽譜/江 素瑛 6
事務局より 6



   
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