きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2009.12.7 神奈川県湯河原町・幕山




2010.1.24(日)


 特に予定のない日。終日いただいた本を拝読していました。




羽生槙子氏著『花・野菜詩画集U』
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2010.1.25 東京都八王子市 武蔵野書房刊 2000円+税

<目次> 装丁 大橋久美
菜の花 2                 春の食欲 3
きじばと・春の庭 4            春の草とり 6
ブルーベリー・春の庭 8          五月の手紙・柿の花 10
柿の花 12                 だいこんの花 14
柿若葉 15                 二十日大根・初夏 16
カボス 18                 いんげん 1 20
いんげん 2 21              ヤブカンゾウ  22
昆虫 24                  光の明るさ 27
オクラとキュウリ 28            オクラ 30
ミニトマト 1 32             ミニトマト 2 34
ミニトマト 3 36             キュウリ・夏の風 38
光の粒々 40                シオンの花 42
秋の手紙 44                ツマグロオオヨコバイ 46
雀とシソの実 48              クロガネモチとヒヨドリ 1 50
クロガネモチとヒヨドリ 2 52       クロガネモチとヒヨドリ 3 54
ヒヨドリ・冬の風景 56           オンブバッタ 58
大根 1 61                大根 2 62
大根 3 63                大根 4 64
大根・冬の夜 65              冬のレモン 66
早春の手紙 68               「生」 70
あとがき 72




 
昆虫

庭に 花を点々と散りばめて咲いたイタリアンパセリ
その花の上に アカスジカメムシが三匹
もう何日もいます
と バタバタ羽音を立てて飛んで来たのは
セスジツチイナゴです
一匹でこの庭で暮らすのは考えられませんから
すぐまた どこか遠くへ行ってしまうのでしょう

わたしは ゴーギャン展を見て来たばかりです
その中の一枚の大きい絵の題
「われわれは どこから来たのか
 われわれは 何者か
 われわれは どこへ行くのか」

タヒチの島で 半裸の人たちが暮らしの中にいる絵
人の姿態の一人一人
ね セスジツチイナゴ
あなたは どこから来たのか
あなたは どこへ行くのか
ね アカスジカメムシ
あなたは何者か 背中の鮮やかな赤いしましま

庭は アゲハが飛び クロアゲハが飛び
モンシロ蝶が飛び 黄蝶が飛び シジミ蝶が飛び
アオスジアゲハは 羽をふるわせて空から舞い降り
とまらないで飛び去ります
庭は たくさんの昆虫がいて いつもにぎやか
わたしも庭で その中の一匹
ふと
手をひろげてはばたいてみたいと思います

 口絵に著者自身による8枚の絵がある、楽しい詩画集です。表紙の絵は「シオンの花と蝶」の部分図でした。紹介した作品は〈ゴーギャン〉の有名な〈絵の題〉をモチーフにしていますが、この題の〈われわれ〉は人間だけを対象にしているわけではないことに気づかされます。〈セスジツチイナゴ〉も〈アカスジカメムシ〉も同様なんですね。この地球は人間だけのものではないことをさり気なく示した作品だと思いました。
 本詩集中の
「光の明るさ」「クロガネモチとヒヨドリ 2」はすでに拙HPで紹介しています。ハイパーリンクを張っておきましたので、合わせて羽生槙子詩の世界をお愉しみください。




詩誌『北の詩人』79号
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2010.2.1 札幌市豊平区    100円
日下新介氏方事務局・北の詩人会議発行

<目次>
孔版画・花神さま/たかはたしげる 1    広島一中原爆慰霊碑/倉臼ヒロ 2
おばあちゃん/倉臼ヒロ 3         月のメロディのように/内山秋香 4
待ち人/内山秋香 4            猫とヴァイオリン/落合敏子 5
きな臭い/落合敏子 5
短歌 ゆく年の悲しみ消へず/幸坂美代子 6 短歌 ペンテルヘ(外国のペンの神のこと)/かながせ弥生 7
四天使の御術/かながせ弥生 8       白石(8)軍艦・成臨丸の沈没/阿部星道 9
将来ビジョン…どうなる日本/たかはしちさと 10
元気・ブーム・胸の内/高柳卓美 11     としこ阿弥陀/仲筋義晃 12
お正月/大竹秀子 13            郷土史 東米里小中学校開校六十周年記念誌/大竹秀子 14
記憶/高田淳一 16             治安維持法の犠牲者に償え/もりたとしはる 17
雑感 多喜二21歳・タキ16歳/もりたとしはる 17
成人式/佐藤 武 19            待ってたの・車椅子/佐藤 武 20
おいらは海兵隊/たかはたしげる 21     八丈島 二題 日下新介 22
「ごまめのはぎしり」から 21        寄贈詩誌感想 大竹秀子 23
詩集紹介 佐藤 武 24           受贈詩誌寸感 日下新介 24
もくじ・あとがき 28            (カット たかはたしげる)




 
花神さま/たかはた しげる

むかし むかしの そのむかし
花の好きな神様 居ったとさ
地球を花で飾ろうと
世界中を飛び回る忙しさ

袋の中は花のタネ
アフリカにも飛んできた
サハラを越えて飛んで来た

天気は良いし 広い土地
ウトウト居眠り 空の上
うっかり袋の口ひらき
タネはどっさり ナマクワランド

おまけの こまけの 花神様よ
毎年咲くのもを楽しみに
神様創った花園は
ヒトの力じゃ壊されぬ

 今号の巻頭詩です。〈ナマクワランド〉の絵も、表紙の写真のように添えられていました。浅学にして〈ナマクワランド〉が分かりませんでしたので、ネットで調べてみました。南アフリカのナミブ砂漠に出現する原生花園のことだそうです。写真で見るとたしかに〈うっかり袋の口ひら〉いてバラ撒いてしまったような花園でした。それを表現しただけでも詩にはなると思いますが、この作品は〈ヒトの力じゃ壊されぬ〉としたところが秀逸だと思います。いかにも花園らしくリズムも良く、楽しい詩です。
 なお、今号も拙HPを紹介していただきました。御礼申し上げます。




詩とエッセイ『樹音』60号
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2010.1.1 奈良県奈良市
樹音詩社・森ちふく氏発行 400円

<目次>   表紙題字・大西 利文
電車の中のお嬢さん  かりたれいこ 2   詩を読める人に     森 ちふく 3
とらないよね 他1編  寺西 宏之 4   ぬけがら 他1編    結崎 めい 6
転送いたします 他1編 中谷あつ子 8
ちょっと気になる『自然のレッスン』から   インフルエンザの流行に思うこと
            板垣 史郎 10               大西 利文 12
午後の電車      かりたれいこ 13   樹のこえ              17
編集後記              19   樹音・会員名簿




 
詩を読める人に/森ちふく

詩人って何者
詩集を出版する 意味は
そんな問いのなかで
詩を書きつづける
詩集 と 刺繍 の聞きまちがいを
詩に書いた 詩人がいた

好きな布を探すのに苦労する
好きな色糸を 集め 一針 一針
一心に刺す 動く手を眺める
消えてゆく時

ああ これが私の宝物
口でころがし味わって
こころの刺繍を読める
あなたに 涙と一緒に
乾杯

 特に銘打っていませんが、60号の記念号です。おめでとうございます。ここでは発行者の作品を紹介してみました。たしかに〈詩集 と 刺繍 の聞きまちがいを/詩に書いた 詩人がいた〉記憶が私にもありますが、この詩は刺繍を詩集と関連づけた佳品だと思います。詩集は〈こころの刺繍〉なのかもしれません。この4月に60号を記念した会が開かれ、私も発起人の一員に加えさせていただきました。『樹音』誌の益々のご発展を祈念しています。






   
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