きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2008.4.28 富士・芝桜




2008.5.8(木)


 渋谷に出て、久しぶりに日本映画を観ました。水谷豊主演の「相棒」。これはTVドラマにもなっていて、その劇場版ということのようです。普段はTVをほとんど観ないので分かりませんでしたが、水谷豊も老けたなぁと思いましたね。でも、年齢相応のいい味を出していたように思います。ここのところ、日本映画は一部を除いて作り物めいて見る気がしなかったのですが、アクションや爆発シーンなども無理がなく、ずいぶん進歩したなと感じました。
 たまにはこんな時間も持って、世の中に取り残されないようにしないといけませんね(^^;



現代詩人文庫9『原田道子詩集』
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2008.5.5 東京都千代田区 砂子屋書房刊 1500円+税

<目次>
自選詩集
『春羅の女』<抄>                
  ヽヽヽヽ
序の章 10                 序の章 てふてふ 11
蝶の章 視景 11              蝶の章 えなおさむるところ 12
胞衣塚の章 胞衣塚 14           春羅の女 15
おんな 17                 水瓶のヴェトナム 18
悪戯
(いたずら) 19
『新宿・太郎の壕』<抄>
さればよと太郎 21             みずまり 22
あぶみ坂 23                室生寺五重塔 24
無明橋の上の 25              奥の院・太郎ふたり 26
新宿・太郎の壕 27             はないくさ 28
はないくさの、それから 30         あかい雨の、バンダナに 31
太郎よ――約束 33
『天上のあるるかん』<抄>
<天上>のさわさわ――多摩・サクラ保存林にて 35
酔芙蓉――鎮魂歌・A氏に 36        アルルカン 38
たんぽぽ 39                西の、花野 40
二月にうさぎが――神代植物公園にて 41   地平線マデアト二分 42
TODAY 43               TOMORROW 45
あぽとーしす 47
『カイロスの風』<抄>
being 49               朱 50
Eve 51                 二〇〇〇年のえねるぎぃ 52
かあさんのイクサ 53            か。ぜ。 54
コスモス 55                Kairosの朝 57
あけび物語  58              こんな阿 59
Endless・Love 60        水文字 62
「青い」「ざらざらの」「水瓶」 65
『うふじゅふ ゆらぎの
being<完本>
T
鎮魂 65                  土簡
(はにふだ) 66
ゆき(が鳴りわたる 67           キララの家 68
ある少女の玉響
(たまゆら) 69          ミラレルヒト 70
玉響
(たまゆら)の木 71             七草物語 72
夏の兎 73                 ウゴク兎 74
being 75
U
夢の背丈 76                ばばちゃまの季節 78
「うふじゅふ」がいう <T> 79        「うふじゅふ」がいう <U> 80
ゆらぎ伝説 81               水車小屋の番人 82
からくり迷子 84              柄のない絵筆 85
みずいろなのに 86             いつもZERO 88
あとがきにかえて 「うふじゅふ」の身体佐 90
栞文・結晶した祈り『うふじゅふ ゆらぎの
being』について 新井豊美 92
末刊詩篇
少年よ 渡ってほしい 98          あいさつのまえに 99
「うふじゅふ」がいう<V>氷床考 100     「うふじゅふ」がいう<W>草の館考 101
「うふじゅふ」がいう<X>黒薔薇 102     もののけの)朝 103
ウゴク春 104                ひとびとの物語 105
蝶の神話 107                かごめの鬼 108
ゑゑ、厭や 109               あかい、子守唄は 110
弓弦 111                  咲きはい 112
詩論・エッセイ
文藝春秋社 116               武蔵国分寺界隈 117
存在喚起の一瞬 119             月の兎考 123
「脅威」と「伴侶」 126           身体性からみる詩の再生  129
跋文・解説
胞衣の記号学 川杉敏夫 136         ミクロガイアの眼にして太郎 今駒奉成 139
思弁する息づかい 木島 始 143       巫女たちのイクサ 森 常治 146



 序の章

 <おまえはなんな*>

ぬばたまの四十五億年
戻るに戻れない〈生〉の聖域を
飛びたつ蝶
不可解な対の影を
客人として
まれひとと呼ぼう

むしりとられた翅跡のある
まれひと

忌みおそれる

まれひととうりふたつの
乳房をもつ
あるかなきかのおまえ
たまゆらの私のいのちに
「私信」を送る

生きている有機体の胎内の
胎児のような存在
であることを
思惟する

しないか
すベては
そこからはじまる と

<お・ま・え・は・な・ん・な>

  * さぬきの方言
    ことばや文の終りについて、軽い気持ちで念をおしたり命令したりする時に用いる

 1990年の第1詩集『春羅の女』から2002年の第5詩集『うふじゅふ ゆらぎの
being』までを抄録(第5詩集は完録)し、未刊詩篇・評論・エッセイを加えた詩集です。ここでは第1詩集の、おそらく、巻頭作を紹介してみました。「蝶」の「不可解な対の影」と「むしりとられた翅跡のある/まれひと」によって己ならびに人間存在を問うている作品だと思います。
 拙HPではすでに『カイロスの風』<抄>より
「かあさんのイクサ」、『うふじゅふ ゆらぎのbeing』より「キララの家」「夏の兎」を紹介しています。いずれもハイパーリンクを張っておきましたので、合わせて原田道子詩の世界をご鑑賞いただければと思います。



詩誌『ひょうたん』35号
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2008.4.15 東京都板橋区
相沢氏方・ひょうたん倶楽部発行 400円

<目次>
水嶋きょうこ 月犬さま…2
小原宏延   霧について…6
森ミキエ   潰れていた…8
相沢育男   雪…11
岡島弘子   かたよる…12
小林弘明   旅の絵…14
水野るり子  地球の斜面…16
村野美優   小さな風…18  寝床のふね…19  草の汗…20
中口秀樹   地図の…22  リビドーの…25
大園由美子  ケーーキ好きの勝手な講釈…26
柏木義高   原くん…28
柏木義高   こもれび日記(28) 吉村昭文学回顧展へ行く――吉村文学との出会い(4)…37
装画−相沢律子



 月犬さま/水嶋きょうこ

 風が川面を波立たす。葦の葉がこすれあう。水底から砂が舞い上がり、無数の白い泡がたち‥‥

わたくしは苫屋に住んでおります。ガマ、イヌタデ、カヤツリグサ‥‥雑草に囲まれた、河原
の小さなあばら屋です。近寄る人の姿もなく、時々、野良犬が扉の前を横切りました。日当た
りが悪く、窓からは微かな光しか入りません。薄闇の中で何かを待ちながら、わたくしは暮ら
しておりました。家の柱はきしみます。床が揺れます。くすんだ家のあちこちで、夫や息子が
いたような気がいたします。柱の傷や、タンスからあふれ出た衣類やおもちゃ。机の上に散ら
ばった汚れた茶碗や古びた絵本。なまめかしい痕跡が潜んではいるのですが、夫や息子への記
憶は薄れ、どのような面立ちだったのか、どのような心ばへだったのか、どのようなまじわり
であったのか、未だ思い出すことは、できないのです。そのかわり一人の男の気配がいつもわ
たくしとともにありました。強烈な薄荷の匂いがする男です。植物が実を落とす前の匂いに似
ておりました。男は舅と名乗りました。舅は寝たきりでおりました。暗い自分の部屋に閉じこ
もり、薄い布団にくるまって、いつまでたっても出てまいりません。初めは、食事の世話をし
ていたのですが、返ってくる皿に、ひからびたご飯粒がついていたり、お箸に白髪が、巻きつ
いていたりしたものですから、そのうち、世話をやめました。舅はわたくしを呼びます。きよ、
うこさん、きよ、うこさん、とあわれな声を上げるのです。様子を見に行くと何も言わずこち
らをじっと見つめている。その小さな顔つきに、似ているはずの夫や息子の姿を思いだそうと
するのですが、乱れた髪、薄い瞳、細い首を傾けながら、乾いた棒きれにも見える膝をたて、
こちらを一心にみつめる姿は、やつれはてた野犬のようで、あやうげでうっとうしくて、直視
することができず。見てはいけないものを見てしまったと、慌てて障子を閉めました。木枠の
冷たさが指先に伝わります。何日も何日もそのままにしておくと舅の声は聞こえなくなりまし
た。そうなると怖くなります。舅がどうなったのか心配にもなりました。思い切って部屋に近
づき、恐る恐る障子をあけると、涼しい顔をして、寝息をたてながら舅は薄い布団にくるまっ
ているのではありませんか。そのやすらかな、悟りきった寝姿を見ているうちに、わたくしの
硬くはった心は緩やかに溶けだしました。わたくしの荒ぶれる心は静かにたゆたってゆきまし
た。精進なさったかたは、こうやって飲み食いしなくても平然と在り続けることができるんだ。
人生の辛苦を隅々まで味わったかたは、神仏のようにおなりになるのだと、心の中で納得し、
その神々しさに、ありがたさにわたくしは思わず手を合わせました。

月の美しい晩、わたくしは廊下をしずしずと渡りながら舅の部屋に忍んで参ります。どうして
夫と息子はいないのか、どうして何かを待ち続けなければいけないのか。精進した舅なら答え
てくれるのではないか。答えてくれなくとも、舅の肌にふれることによって、ありがたい、あ
りがたい人肌のぬくもりがわたくしの中で立ち上がり、記憶の水底でそっと潜んでいたものが、
硬い土がぬかるんでゆくように姿を現してゆくのではないかと思ったからです。わたくしの夫
や息子を知りたい。どのような匂いだったのか。どのような形だったのか。どうしてもわかり
たくて、わたくしは舅の寝床に潜り込みました。彼の背中に手を伸ばします。零れる砂のよう
な暖かさがわたくしの中に落ちてゆきます。毛が指にまといついてきました。からだをまさぐ
ると全身に長い毛が渦巻いておりました。毛の奥に更に手を差し入れる。すくっと枝状に伸び
る乾いた硬いものにあたりました。地の果てを這う。背骨です。背骨は陥没し、その感触がわ
たくしの腕の中で砂丘のように広がりました。意識があるのか、ないのか、そのうち舅はから
だを曲げながら、小刻みに動かします。強烈な薄荷の匂いがからだから立ち上がり、それとと
もに舅はなにかつぶやいておりました。つきいぬさまつきいぬさまつきいぬさまつきいぬさま
と、息を吐き出しているのです。いたたまれなくなって、わたくしは舅の背をさすりました。
揺れるからだを後ろから抱きしめました。ふるふると震える脇腹を太股を手のひらを触りまし
た。手のひらは小高くふくれ、犬の肉球がまるでそこにあるみたい。舅の全身の毛穴からくぐ
もる匂いがわたくしを捉えます。意識が遠のき、目の前が白くなり、薄靄の世界にわたくしの
からだは引きずり込まれるようでした。このまま連れてゆかれる。行ってしまうのではないか。
押しつける、強烈な匂いの中で、わたくしのからだは、ばらばらに張り裂けそうでした。と、
突然、その時、白い靄の中に、遠景が浮かび上がります。夜なのか、月明かりのもと、さざ波
を立て細い川が流れています。膝下まで川の中につかりながら、ゆっくりと、下を向き歩を進
める、男と子供の後ろ姿が見えました。折れそうなうなじ。重い足取り。見覚えのある二つの
背中。胸をしめつける懐かしい後ろ姿。ああ、あれこそがわたくしの夫と息子なのだ。((いっ
てしまう。))わたくしのすぐ側に居ながら。渇いたわたくしの骨がけっしてとらえることので
きなかった夫や息子は、この匂いの奥に連れてゆかれたんだと思いました。わたくしの白い骨
は、あいたい、と寂しく音を立てます。細い音と響きあって、横たわる舅の骨が鋭く鳴り出し
ました。つきいぬさまつきいぬさまつきいぬさまつきいぬさま‥‥。背骨の舅は薄い布団ごと、
ぐんぐんと伸び始め黒い巨大な柱となり、古びた屋根を突き破り、空に向かって悠々しく伸び
てゆきました。荒野がざわざわとそよぎ、割れた草むらからは、毛を逆立てた犬たちが、こち
らに向かって走ってきます。声をあげ、地を足裏で蹴り上げて柱の周りを駆け上ってゆく野犬
たちの姿が見えました。なびく犬の毛が月の光に照らされ、鮮やかな水墨画を見ているようで。
光が雫が天空から舞い落ちてくる。わたくしは、また、手を合わせました。薄荷の匂い。ガマ、
イヌタデ、カヤツリグサ‥‥乾いた植物が音をたて、朽ち果ててゆきます。舅の声が空から聞
こえ、わたくしも一緒に念じておりました。つきいぬさまつきいぬさまつきいぬさまつきいぬ
さま‥‥広がる呪文。わたくしの手足は崩れ始めます。指先から砂が零れだし。壁がはがれ崩
れかけた部屋を抜け、歪んだ扉の隙間から、割れた廊下の木片を渡り。砂は、零れ、流れ、溢
れ、河原へと。あるべき姿にわたくしは戻るのだとわかりました。ひからびた地面へ。わたく
しの砂はひろがってゆきます。地に眠る、地に眠る、硬い幾つもの骨。砂は骨をめざして進む
のです。

 風が川面を波立たす。月が冴え冴えと輝いて、遠く、飢えた犬の遠吠えが続き‥‥
                                  (連作「多摩のいきもの」11)

 
連作「多摩のいきもの」の11番目の作品です。映画を観ているような錯覚に捉われました。「精進なさった」らしい「舅」、「膝下まで川の中につかりながら、ゆっくりと、下を向き歩を進める」「わたくしの夫と息子」。彼岸と此岸が混然となった情景描写は、最後の「あるべき姿にわたくしは戻るのだとわかりました」という詩語に収斂していくように思います。「多摩のいきもの」は彼岸と此岸を自由に行き来する動物たちなのかもしれません。



狩野敏也氏編著『美人は食卓から』
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2008.2.23 東京都新宿区 里文出版刊 1600円+税

<目次>
はじめに 13
第一部 話題で食べる美人食 17
T 美人にあやかる 18
西施の料理 18                楊貴妃の料理 21
虞美人と貂蝉の料理 23            恋の手毯と匂いいづる姫たち 25
女傑の料理 27                西太后の美容料理  29
美女もいる精進料理 32            美人のお茶 34
ハマナスのお茶「貴妃烏龍」 36        愛と執着の料理 37
U お店で食べる美人食 41
参鶏湯を堪能する 41             パエリヤをあなたに 43
羊肉ブームにのって 44            北京ダックは女性の味方 47
トマトづくしの店 50             世界3大スープのトム・ヤム・クン 51
なんと鯨料理が50種も! 54          ディープチャイナにどっぷり浸かって 56
まぐろ小屋のヘルシー鮪コース 57       蟹食いてかにかくに 59
大いなるアイスバイン 62           愛雪の薬膳スープ 63
沖縄は美容食の宝庫 64            スープカレーは札幌の味 68
南国de美人に 70
V 詩人の作る美人食 73
その1 これならできるわたしの美容食(初級・中級編) 73
〔スープとサラダ類〕 73
翡翠スープ 73                鮭はんペんのスープ 74
イカ団子のスープと揚げもの 75        鶏皮のサラダと糸寒天の3色サラダ 76
カマンベールチーズのさいころサラダ 77    刺身もサラダ感覚で 78
〔主菜・副菜風〕 79
黒酢の酢豚 79                中華風梅味のスペアリブ 80
白魚と黄ニラの炒め 80            烏賊の緑一色 81
鶏の皮のガラムマサラ味 83          豚足のセロリ炒めオイスター味 83
葱油鰈 84                  豚ばらと搾菜の上新粉蒸し 85
カルシウム昆布巻き 85            桜えびと行者にんにくのかき揚げ 86
〔麺、ご飯、点心類〕 87
彼女のためにパエリヤを 87          かぼちゃビーフン(南瓜米粉) 89
翡翠麺(ほうれん草そば) 89         チキンヌードル・ジャポニカ 89
そうめん三態 90               ぷるんぷあん(乾燥糸こんにゃく)の雲丹味・明太子味 93
こんにゃくと切り昆布の]O醤炒め 94     譚さんの美人粥 94
若布
(わかめ)飯 95               ヘルシー鮨五種 95
本家風麻婆豆腐 97              石焼ビビンパ 99
おこげの海鮮あんかけ 102
〔デザート・点心〕 103
わが桃源郷 103               小倉タピオカ 104
竜眼、ナツメ、蓮子のシロップ煮 104     いちじくのコンポート 105
行者にんにくの春巻 106           行者にんにくのチヂミ 106
〔黒の誘惑〕 107
髪菜と干し牡蠣の煮込み 108         髪菜のかき揚げとスープ 109
甘藷そばのアミソース 109

その2 一度は食べたい作りたい究極の美人料理(上級・特級編) 111
貴妃鳳翼 111                西施芙蓉蟹 114
西施魚唇蟹 114               ニベのある話〜魚の浮袋も料理に 115
しびれる火の鍋・麻辣火鍋 117        魚香茄子 119
西洋東坡肉 120               茘枝(ライチ)とともに  121
ピカンナッツを炒める 124          坊さんも垣根を越えて〜仏跳牆の話〜 125
ゴルゴンゾーラのチーズ豆腐 127       あああなたは虫なのか草なのか 128
すっぽんの縁側を愛して 130         アキレスは強し 132
わが参鶏湯&鶏肉の高麗人参巻き 134     ああ焼酎鶏 136
日仏美容食競艶 137             赤ボヤにおぼれて 140
汐吹き麻婆とおこげのふかひれ餡かけ 142   鮟鱇のブイヤベース 143
フォアグラ丼とフォアグラの茶碗蒸し 146
〔幻のデザート〕 147
我愛愛玉子(われ愛玉子を愛す) 147     超夢のデザート 蛤士蟇のゼリー 149
仙草のゼリー 150

第二部 場萬里の「美人は食卓からうまれる」 154
中国料理は美容食です 154
T 肌がみずみずしくなるメニュー集 155
中国料理が肌をみずみずしくするのはなぜ? 155
 中国野菜と植物油の秘密 155
特殊な材料は要りません… 157
 豆苗と鶏肉のスープ煮 157         豆苗の油炒め 158
 豆苗と牛肉の炒めもの 158         洗顔用豆苗青汁の作り方 159
 牡蠣と卵の炒めもの 159          クレソンと豚すね肉のスープ 160
 クレソンとレバーの炒めもの 160      紅花いり肉団子の煮込み  161
便秘がすっきり治って二キビ、吹き出物がきれいに消える 161
 金針菜と鶏肉の炒め煮 162         金針菜と豚もつの蒸しもの 162
 胡麻の汁粉 163              栗がゆ 163
 緑豆の粥 164               はとむぎと冬瓜のスープ 165
 大根とあさりむき身の炒め煮 165      くらげの砂糖煮 165
シミ、しわ、ソバカス、色黒の悩みを改善 166
 セロリの酢のもの 166           鶏肉と金針菜のスープ 167
 牛肉といちじくのスープ 167        豆腐と干し青梗莱のスープ 168
荒れ肌がしっとり輝いて、お化粧が楽しみになる 168
 レタスのオイスターソース和え 169     わかめの酢のもの 169
 はまぐりと豆腐の煮込み 170        干し蝦とわかめの酢のもの 170
貧血が治って、顔色が生き生きと美しく輝いてくる 171
 蓮根と豚肉の煮込み 172          蓮根と豚肉のうま煮 173
 蓮根と牛肉のスープ 173
のぼせ、赤ら顔を解消し、魅力的な表情が思いのまま 174
 皮蛋入り中国粥 174
皮膚のただれを治し、夏負けで衰えた肌を蘇らせる 175
 冬瓜の姿蒸し 175
U 健康的に痩せ、ふたたび肥ることのないメニュー集 176
中国女性に肥満が少ないのはなぜ 176
「湯」とは、薬効のあるおいしいスープのこと 177
 じゅんさいと鶏肉のスープ 178
中国粥ならダイエットに失敗しない 178
 陳皮入り豚肉粥 179            フィッシュボール粥 180
 白身魚や蝦いり海鮮粥 180         お粥の素(基本のお粥) 181
基本のお粥から、こんな名品ができる 181
 肉入りのお粥 182             魚入りのお粥 182
 野菜その他のお粥 182           油条入りお粥 183
むくみ、水肥りを解消する 183
 豆鼓と魚のあらの蒸しもの 183
スタミナを失わずに、美しく痩せるご馳走料理 184
 豆鼓と蝦の炒めもの 184          高菜とレバーのスープ 184
 高菜と葱のオイスターソース炒め 185    蟹と高菜の炒め煮 185
 鶏の砂肝のおつまみ 186
肥り気味で血圧も心配な人には 186
 茄子の冷菜 187              大根と人参と貝柱のスープ 187
 レタスのひき肉あんかけ 188        糸寒天と胡瓜の和えもの 188
 セロリと帆立貝の和えもの 189
ダイエットおやつに、シューマイはいかが? 189
 梅干のスペアリブシューマイ 190      自身魚のピーマンシューマイ 190
 おからと豚ひき肉のシューマイ 191
シューマイの名品集 191
V 美しさが体の中からにじみ出てくるメニュー集 192
生理不順が治って、気分爽快な好感美人に 193
 生姜と卵の酢のもの 193          紅花いりトマトスープ 193
冷え性が治り、冬のおしゃれも楽しみになる 194
 レバーの炒めもの 194           ゆでレバー 195
 ほうれん草とレバーのスープ 195
ぐっすり快眠、心身溌刺美人になる 196
 朝鮮人参入り牛肉のたたきき蒸し 196    鶏レバーのケチャップ炒め 197
 堆茸と冬菜の炒め煮 197
無気力、憂鬱感による沈んだ表情が、明るく輝いてくる 198
 枸杞の実の炊き込みご飯 198        ピーナッツとスペアリブのスープ 199
 ピーナッツと大根のスープ 199
いらいら、ヒステリー気分が消え、心も表情も和らぐ 200
 春雨と干し蝦のスープ 200         茴香入り干し蝦の炒め煮 201
 にらともやしの卵炒め 201         金針菜と木くらげの肉蒸し 202
 はと麦と鶏肉のスープ 202         黒豆と牛肉のスープ 203
 推茸のスープ 203
「険がある」といわれる人でも、ふっくらとした魅力顔に 204
 枝豆と高菜の漬物の油炒め 204       枝豆とピーマンの炒めもの 205
 枝豆とひき肉の炒め煮 205         枝豆と豆腐の炒めもの 206
W 声がよくなり、瞳が魅力的になるメニュー集 206
しわがれ声、ガラ声の人も彼のハートをくすぐる美声に 207
 高莱と豚もも肉のスープ 207
風邪によるしわがれ声、喉荒れ、咳がぴたりと治る貝母料理 207
 月母と洋梨の蒸しもの 208         月母入り茶碗蒸し 208
 貝母とりんごの蒸しもの 208        びわの葉と貝母のスープ 209
 ピーマンの肉詰め浜防風入り 209
喉を酷使する人には、この手入れ法が効く 210
 いちじくとスペアリプのスープ 211
目の疲れが解消し、瞳が輝いてくる 211
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 刺身もサラダ感覚で

 中華では生ものはいっさい食べませんが、東北の大連とか、香港、上海それに台湾などでは、海鮮ものに刺身のようなものが出されることがあります。刺身というよりは、カルパッチョかサラダ感覚のものです。薄切りの魚の上いちめんに色とりどりのせん切り野菜をのせ、カシューナッツとかピーナッツの刻んだのが振りかけてあります。刺身のように、めいめいが醤油をつけて食べるのではなく、ごま油、醤油、酢をあわせたタレ(というよりはサラダのドレッシングですねぇ)を食べる直前に回しかけて、全体をよくかき混ぜてから取り分けます。中国人の場合、絶対に欠かせないのは、香菜
(シャンツアイ)(コリアンダー)という一癖も二癖もあるハーブで、これがないと向こうの人は日本人が刺身にワサビがないときのような顔をする。蒸し物や煮物の上にのせたり、スープに放したり大変な活躍ぶりです。きょうはあっさり、さっぱりと白ごまを振りかけ、貝割莱をあしらっただけで我慢してもらいましょう。

●刺身もサラダ感覚で
[材料と作り方]
(1)鯛などの白身の魚1尾を3枚におろして、皮をひき薄く1口大に切って皿に並べて冷やしておく。
(2)魚の分量により、白醤油(なければ、薄口醤油)2、酢2、白ワインまたは日本酒1、ごま油1の割合で、タレを作る。
(3)鯛を並べた皿に白ごまを振りかけ、さらに貝割菜をいちめんに散らす。
最後に(2)のタレを回しかけ、よくかきまぜてから取り分けていただく。
(赤身の魚の場合は普通の醤油や、紹興酒などを使っても構わない。またイタリアのルネッサンス期の絵描きのカルパッチョさんがはじめたイタリア風にして食べるのもいいもの。本来は牛肉の生にオリーブ油をかけて食べる牛肉の叩きみたいなものだが、魚のときは、バルサミコ酢と塩を加えるとよい。白身の魚のほか、イカもよく合います)

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 拙HPでは珍しい、料理本の紹介です。編著者の狩野敏也さんは日本詩人クラブの会員でもある、れっきとした詩人ですが、知る人ぞ知る料理の研究家・実践家でもあります。ここでは詩人らしく「V 詩人の作る美人食」から「その1 これならできるわたしの美容食(初級・中級編)〔スープとサラダ類〕」の「刺身もサラダ感覚で」を紹介してみましたが、要は「カルパッチョかサラダ感覚」で食せばよいようです。こんど試してみましょう。
 料理好きな人、食べることが好きな人にはお薦めの1冊です。ぜひ書店でお求めになってください。



   
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