きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
2009.7.30 伊豆・旧天城トンネル |
2009.8.17(月)
新潟・佐渡の旅2日目。新潟港からカーフェリーに乗り、両津港に上陸しました。カーフェリーは東京湾で乗り慣れていますが、それは30分ほど。2時間半の船旅は久しぶりでした。両津からは佐渡一周線の県道45号線を北上して弾アを目指しましたが、途中でガソリン補給。驚いたことにリッター145円でした。本州より20円ほど高く、クルマでなければ生活できない佐渡の人の苦労がしのばれます。道も狭いワインディングロードで、こういう道を運転するのは大好きな私ですけど、毎日この道を運転する人は大変だろうなと思いました。
矢崎、弾ア、二つ亀などを見て、今度は南下。尖閣湾のグラスボートに乗って、日本海・佐渡の海中も楽しみました。
本当にこんな処を通るのか!と思うような水路を舟は進みます。手を伸ばせば岩に触れそうな狭さでした。
今夜はさらに南下して七浦海岸のホテルに投宿。日本海に沈む夕陽は、残念ながら雲が多くて見られませんでしたけど、眼下に広がる海原を楽しむことができました。
○新・日本現代詩文庫61『村永美和子詩集』 |
2009.7.30 東京都新宿区 土曜美術社出版販売刊 1400円+税 |
<目次>
詩集『四季』(一九七八年)抄
季節のためのオード
鯉のぼり・12 雨靴・12 雨蛙・13
山・13 風鈴・14 すだれ・14
十五夜・15 祭り・15 暮・16
線路・16 ドラマー・17 消しゴム・17
詩集『家
と ことば』(一九八〇年)抄
家
明かりをとじこめるために土壁がある・18 反射する外光をたたえた 天井の池を・19
生まれた家の柱と・20 今朝方死人の出た家の壁に沿うように・20
さるすべりのある坂の途中に・21 へこ帯で縛られたように・21
家の中に襖があるから風が区分けされる・22 青い指が絵模様のうちわに握られて・23
前栽の緑の背丈が高くなることは・23 風にしなう鎖の早さで・24
家々が 祭りの面を被っておどける日・24 “夕方の家には灯がついていないと――”・25
窓がまわる 家がまわる・26
ことば
誰もいない 真昼の部屋で・26 坂をゆくことばは・27
朝 目が開くと・27 帰り際・28
ふくらみかけていた ことばに・29 テーブルの 上に・29
あなたがグッと 口をつぼめるとき・30 亡父は 厚着だった・31
それらしく橋が細くなるのに・31 あなたの 唇が・32
背丈に味の素のように・33 人が食べ物にことばを詰めるとき・34
ことばが引き伸ばされるためには・34
詩集『おと更紗』(一九八一年)抄
五十音
あ・35 い・35 う・36 え・36 お・36 か・37 き・37
こ・37 さ・37 さ・38 し・38 し・38 す・38 ち・39
ち・39 て・39 ぬ・39 の・40 ふ・40 へ・40 ほ・40
ほ・41 ま・41 ま・41 む・41 め・42 め・42 め・42
や・42 や・43 ゆ・43 ら・43 る・43 ろ・44 を・44
ん・44
詩集『島・波のあちら』(一九八六年)抄
犬・45 庭石・46 鎖・47
刃(一)・47 刃(二)・48 刃(三)・48
冷え・49 塔・50 鍵・51
車内景・51 ふくらみ・52 田の神像・53
影絵・53 耳・54 夏の尾・54
ほたる・55 灰をくわえた魚・56 休日・56
一日の天・57 一日の旗・58 海辺の時 その一・58
海辺の時 その二・59 山あいの時・60 ドア・60
皿(一)・61 皿(二)・62 皿(三)・63
島・63
詩集『雨が島』(一九九一年)抄
T
サクラガイ・65 ガラスの馬・65 つゆ空・66
サインが・67 更衣・68 招待状・68
風紋・69 紫陽花・70 島にリボンを・71
水の朝・71
U
片腕・73 ぬりえ・74 雨傘の女・75
夏の足袋・76 表札・77 カゴ・78
皿回し・79 海とせんたく・80 橋渡し・81
詩集『されない傘』(二〇〇一年 抄
T
闇・82 切・83 骨・84 透・84 暦・85 質・86 予・86
沈・87 垂・88 尻・88 割・89 配・90 計・90 往・91
蝋・92 杭・93 されない傘・93
U
日、すべすべ・94 ゆきの奥部屋・95 耳の横目・96
顔幅・97 雨意・97 またのはる・98
顔のエレベーター・99 樹木葬・100 高松さんのポスト・101
非番の月・102 あしたから寒くなる・103 石と歯・103
陸と海のマフラー・104 ゴン太水車・105 瓶飛び・107
詩集『半なまの顔』(二〇〇八年)抄
周期−アユ漁・108 周期−ショベル・カーが・109
周期−隣り合わせ・110 ぬれ目玉−水族館の魚たちへ・111
電飾・112 ホタル・113
夏の頁・114 半なまの顔・115
真帆・116 奴・117 顔・117
陽・118 抜・118 吊・119
組・120 棒・121 問答・122
文江の両耳・123 実らなかった写真撮影・124
ひとときのお茶・126 まど の
さん−まど・みちおの詩「おならはえらい」に誘われ・128
上下・129 辻役者・130
エッセイ
あなたの詩・わたしの詩 分かる詩と分からない詩と・134
藤田文江詩集『夜の聲』の作品に寄せて・142
解説
柴田基孝 日常を非日常に再構成・154
樋口伸子 ことばと家と身体−村永美和子の詩を巡って・155
谷内修三 村永美和子試論・160
年譜・166
(表1より)
あな
○を 掘った
穴のフチで土にまみれて 日付を焦がし
あの人もこの人も弾けなかった ノド
綴じ糸に声をとられ?
わたし ことば少なに行未にいて
むむむ
……と 昼寝した
(「夏の頁」より)
(4表より)
かつてモダニズムの先駆者・北園克衛がスムーズな文学はつまらないといったが、村永もスムーズな詩を敢然と拒否していることだ。北園の言説を踏襲することにおいて頑固であるといわなければならない。(柴田基孝・解説より)
あ、ことばの詩人を見いつけた。『おと更紗』を読んでそう思ったとき、わたしは初めて、南九州に住む村永美和子という人の詩に出遇ったのだった。もう三十年近くもむかしのことである。(中略)詩人がことばの人というのは当然のことだが、村永さんのことばには音だけでなく、色や匂いや手触りまでもが渾然として響きあっていたのである。(樋口伸子・解説より)
村永美和子はことばが好きである。特に新しいことばが。(中略)ことばを「ひねる」「ずらす」――そうすることで、日常にある隙間を拡大して見せる。関節の動きをぎくしゃくさせて、いままでなかった動きを呼び込む。つまり、意識をめざめさせる。
村永のことばの特徴はそこにある。(谷内修三・解説より)
※本詩集中の「往」、「周期−ショベル・カーが」、「棒」はすでに拙HPで紹介しています。ハイパーリンクを張っておきましたので、村永美和子詩の世界をご鑑賞ください。
○詩と批評『POETICA』59号 |
2009.7.30 東京都豊島区 中島登氏発行 500円 |
<目次>
葡萄のソネット T・U/清水恵子 730
育ってゆく離れてゆく/新延 拳 734
愚者と方丈/中島 登 740
今号では中島登さんがあとがきの「詩の朗読会の楽しみ」で、〈詩人の聲〉に出演した6人の詩人について触れ、その中の一人として私の朗読についても好意的に書いてくださいました。御礼申し上げます。
○小説と評論『カプリチオ』30号 |
2009.8.24 東京都世田谷区 二都文学の会・菅原克芳氏発行 667円+税 |
<目次>
◇特集 中部ペンクラブ会長 三田村博史インタビユー 同人誌は、いま、どこにいるのか? 73
◇創作
スフィア/荻 悦子 4 鉄道団地/石井利秋 29
かもしめ/北緒りお 46 カシの木の下で/冬野 良 52
天宮山/菅野正義 85 国道沿いのぬるい海溝/谷口葉子 135
◇エッセイ
特集・小谷剛に寄せられた声 26 嘘と虚構/宇佐美宏子 42
心に鈴を偲ばせて/美里けんじ 133
告知板
編集後記
装画 上原修一/装幀 K Graphics/カット 高柳有希