きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2010.4.9 山梨 中村キース・ヘリング美術館




2010.5.14(金)


 話題の東京スカイツリーを見てきました。やっぱり、結構デカイという印象です。今日は368mでした。スカイツリーの全体像はあちこちで見られると思いますので、私はこの写真を提供します。

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 東武伊勢崎線の業平橋駅構内からです。右手に368mの表示が見えると思います。この駅からは工事現場がよく見えて、おもしろかったです。いろいろな会社が入り混じって、有機的に結びついているんだなと、感心しながら帰りの電車を待っていました。




西田繁氏詩集『天を仰いで』
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2010.4.16 千葉県館山市 黒豹社刊 1500円

<目次>
天を仰いで 6    白い道 8      独り旅 10      あいつ 12
いつも何かを 14   影 16        生まれて 18     あめんぼ 20
女郎蜘蛛 22     追憶の秋 24     花の怒りか 26    花のこころ 28
マラソン 30     狭間 32       けむり 34      顔 36
持ち時間 38     やじろべえ 40    蛇の衣 42      回游魚 44
琉金 46       花瓶 48       翔ぶ 50       朝めし 52
冬の風鈴 54     凩 56        風の子 58      梅雨期に 60
その人 62      木犀 64       風 66        老人脱出 68
出征 70       のうぜんかずら 72  独りあそび 74    七夕慕情 76
蛇の目傘 78     春の彼岸に 80    冬ぎらい 82     雪 84
昼の雪 86      もう少し 88
あとがき 90




 
天を仰いで

ひと幅 また ひと幅
青く細い自分のからだを まるめ
測ってたしかめるように またのばし
上へ 上へ 這っている虫がいる

尻で支え 背のびして
顔 みぎに ひだりに あたり見つめ
どうも ひとつ合点いかないものがあると
何か索して また ひと幅すすむ

拠りどころの枝の 尖端まで辿りつき
あとひと幅 踏みだす先は 宙だ
まだ見えぬ答えが きっとある筈と
剣が峯で
ぴんと その身立てたまま
天を仰いで 迷っている虫がいる

 15年ぶりの第2詩集のようです。ここでは巻頭のタイトルポエムを紹介してみましたが、あとがきには〈冒頭の詩のように、尺取虫が枝の尖端で自分はどこへと、行方に迷うのと同じように生きてきました〉と書かれていました。己を小さく、〈天を仰いで 迷っている虫〉の視点で世の中を見ようとする、詩人の矜恃を感じる佳品です。それにしても〈どうも ひとつ合点いかないものがあると〉というフレーズは、尺取虫をよく観察しているなと思います。

 本詩集中の
「花の怒りか」「顔」「持ち時間」、「翔ぶ」(初出では「春が翔ぶ」)、「梅雨期に」(初出では「梅雨期」)は、すでに拙HPで紹介しています。一部初出から改訂されている部分もありますが、ハイパーリンクを張っておきました。合わせて西田繁詩の世界をご鑑賞いただければと思います。




詩誌『兆』146号
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2010.5.8 高知県高知市
林嗣夫氏代表・兆同人発行 非売品

<目次>
道照上人(落穂伝・13)…石川逸子 1
谷の灯…清岳こう 13            痕跡…増田耕三 14
しつをうつ…小松弘愛 16          珈琲泰夢…大ア千明 19
夢…山本泰生 22              梅のはなびら…石川逸子 24
あたご劇場(ほか)…林 嗣夫 26
ささやかなもの(こと)へのまなざし…林 嗣夫 32
自由色の花 −後記にかえて…大ア千明 39
〈表紙題字〉小野美和




 
夢/山本泰生

こどもがゴムふうせんをねだる 何度も
ようやく白い指が買い与える
風にかざし笑いながら 得意げに走る
や否や ふうせんは高く吹っ飛び 大泣き

そんなふうせんのシーン
これがひとの一生だなんて冗談だろ


歩きはじめのぼくら
だれとなくふうせんをせがみ
ときおり 手にしてはじゃれる 遊ぶ
**
ものごころついてわれら
ふうせん 実は猛獣だと気づく
近づけば襲いかかり 遠ざかれば嘲笑い
蜜の匂う罠をかけわれらを渇望させ
必ず裏切る
***
その虜になって 立ち疎むおれたち
ふうせんなぞいらぬ くれてやる そう
自分に言い聞かせてはまた追いかけている自分
全身を両手にして捕らえようともがく
一瞬 ふうせんをかする感触 快感
**
だいぶがたが来たわしら
もうふうせんやどこ吹く風か とんでもない
むちゃくちゃふうせんに飢えている
止せばいいのに
いつかはきっとと わしらこだわり
いのちを削って発情
(さか)りつづける


ひとは死ぬまでふうせんに発情る
だから
囚われず柔らかいこころになれない
もっともっと早く 詩を討ち取れなかった
悔いのように

 〈夢〉は〈ふうせん〉のようなものであり、〈これがひとの一生だ〉と教えてくれているわけですが、一方でそれは〈冗談だろ〉とも言っています。そんな単純なものではないと諭してくれているわけですけど、第2連の*から*の喩はおもしろいですね。幼児から老年までの、夢に対する人間の思いを見事に表現しています。最終連の〈もっともっと早く 詩を討ち取れなかった/悔いのように〉というフレーズは、多くの詩人が持っているものなのかもしれません。




個人詩紙『おい、おい』77号
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2010.5.8 東京都武蔵野市 岩本勇氏発行 非売品

<目次>
詩 今生の別れ
  酒飲み
岩ちゃんのおい、おい日記(三)




 
酒飲み

たらふく
飲んだあと
酒飲みは言う
真実言う
「酒飲むのも
なんか
あきてきたなあ」

 失礼ながら思わず大笑いしてしまいました。ホント、そうなんですよね。私も毎日呑むんですが量は多くないので、飽きはしませんけど、たまにバカ呑みするともういいと思います。その気持ちがよく出ています。作品としては〈真実言う〉というフレーズがよく効いていると思いますし、これがなかったら平板になるでしょう。お見事!






   
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