きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2009.2.3 千葉県鴨川市・仁右衛門島




2009.3.23(月)


 ある人から私の古い詩集を読みたいというありがたい希望が寄せられています。これまでに6冊の詩集を出していますが、在庫があるのは第5、第6詩集だけです。ほかは保存用に2〜3冊しかありません。その人は国立国会図書館や神奈川近代文学館にまで問い合わせしてくださったようで、そこにはあるのです。しかし貸し出しはしておらず、図書館まで出向けば読めるとのことでした。ご本人は東北在住。東京や横浜までおいでになるのは大変なので、コピーでもよいから読みたいというご希望でした。

 本当にありがたいことだと思います。さっそくコピーをお贈りしようと思ったのですが、フッと考えました。実はこれまで同様のお話しが何度かありました。そのたびにコピーをお贈りしていましたが、今後もあるかもしれない…。そうだ、復刻版を作ろう!
 スキャナーで撮り込んで、できるだけ原本に近い装幀をすればコピーよりマシなのではないかと思いました。これから何人そういう方が現れるか判らず、まったくいらっしゃらない可能性も大きいのですが、古い詩集を電子化しておくことは将来的にも意味のあることだと思います。

 で、さっそく第4詩集『22時の女』と第5詩集『特別な朝』に取り組みました。これらはテキストや一太郎形式ですでに電子化されています。それをワードに直すだけですから簡単です。手始めにするには打って付けというわけです。
 私にはヘンな癖があって、すでに出版し終わっているもの、発表済みのものにはあまり興味がありません。今回のことで自分の作品に責任を持たなければいけないことを気づかされました。文学史に遺るほどの作品を書いているとは思えず、かなりぞんざいに扱ってきたのですが、読みたいとおっしゃってくれる人がいる限り提供する義務があるのかもしれません。Sさん、ありがとうございました!




佐伯多美子氏詩集『睡眠の軌跡』
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2009.2.25 東京都新宿区 思潮社刊 2400円+税

<目次>
序章 9
第一章 13
第二章 55
第三章
 (彷徨するかぎりなく罪 80
 虚という球体は、 83
 しらじらしい無垢で/切る。 86
 白い、ことば、 90
あとがき 94




 (帯文より)

非在の融点

(彷徨するかぎりなく罪
(蔓延する 塵のごとく 宙 に ひかりさえ 放つ

自らの名を半ば奪われた存在者たち、だがそれゆえにこそ、真の名を求め
てさまよう存在者たち。あなたの『睡眠の軌跡』とは、そういう者たちの
むごたらしくも懸命に生かしめられた物語である――――――野村喜和夫

 *詩誌『カラ』、『すぴんくす』で連載されていた「睡眠の軌跡」がとうとう1冊の詩集になりました。現代を問う問題作です!
  拙HPではすでに多くの部分を紹介しています。第一章では6ヵ所を
「2007年9月13日その1」「2006年7月26日」「2007年2月11日」「2006年11月17日」「2007年4月7日」「2007年5月13日」の部屋に、第二章では2ヵ所、「2006年5月31日」「2007年12月13日」の部屋に載せています。ぜひご参照ください。
 拙HPの紹介部分だけでも詩集の内容がかなり判断できますが、やはり全体を通して読むには詩集がよいでしょう。現代詩の新たな展開と言っても過言ではありません。お薦めします。




月刊詩誌『歴程』558号
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2009.3.31 静岡県熱海市
歴程社・新藤涼子氏発行 476円+税

<目次>

花影/粕谷栄市 2              お四国巡礼の後で/高橋順子 4
「鬼灯火
(ほおずき)の実は赤いよ」/渡辺みえこ 6 ぜんざい すする/三井葉子 8
犬の小説を書く/小笠原鳥類 11        全景/野村喜和夫 14
絵 …岩佐なを
写真…北爪満喜




『千葉県詩人クラブ会報』205号
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2009.3.20 千葉県茂原市 斎藤正敏氏発行 非売品

<目次>
平成21年度総会のお知らせ 1        平成20年度にはこのような活動が 1
『千葉県詩集41集』の朗読会を開催 2
『房総を生きる』(会員作品集) 3
 珠/岬多可子 この港/前原武 企画された09年の船出/村崎深樹 房総を生きる/大橋憲子
鈴木文子詩集『電車道』評/木場とし子 4  鈴木文子詩集『電車道』から 4
『千葉県詩集41集』の感想(2) 4
橋本幸子詩集『朝の声』評/山中真知子 5  橋本幸子詩集『朝の声』から 5
新会員紹介 5
会員活動・受贈御礼・編集後記 6



   
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